木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

90%はクズ?

2012-08-09 12:47:21 | 日記


“〜「〜だいだいSFの9割はクズだろ」と言うんです。その通り、SFの90%はクズです。しかし、それを言うならどんなものでもその90%はクズであって、クズでない残りの10%が重要なのです。そして、SFのクズじゃない10%は、他のどんなジャンルの小説のそれと比べてもひけをとりません”
byシオドア・スタージョン

『不思議のひと触れ』シオドア・スタージョン。[もうひとりのシーリア][タンディの物語]の不気味さが良い。[ぶわん・ばっ!]ジャズ小説。見事な短編。
『人間以上』を読んだ時は、よくもこんな事を思いつくもんだ、と感心したっけ。

宇宙的孤独と地上的孤独は違うのか?

『感情漂流』イヴ・シモン。何箇所か、心打たれる文章がある。時間的な孤独。空間的な孤独。最後に一筋のかすかな光がジンワリと心に沁みる。


“〜毎年数千冊は出る本のうち、彼が書評を書きたくなるものは、せいぜい50冊か100冊だろう。〜〜〜十中八九以上が「この本は価値がない」ということになるし〜”byジョージ・オーウェル『一杯のおいしい紅茶』
(『1984年』を読んだ時の衝撃と興奮は今だ冷めやらズ。)

おぉ、《1割が重要説》、濃厚、濃厚。


ずっと南の方で、誰かが僕と同時に歩き始めているのではないかと想像した。
北に向かって、僕との出会いに向かって歩いているのではと。
『感情漂流』より