『無名なるイギリス人の日記』ジョージ&ウィードン・ダロウスミス
フィクションの日記。生真面目で、ダジャレ好きでちょっとセコイ。礼儀やら階級にこだわる割には、うっかり屋で、バカにされやすい。日本語の訳も上手く、かなり可笑しい。
『比類なきジーヴス』P・G・ウッドハウス
ああ言えばこう言う、口の減らない台詞のやりとりが最高。表現力が素晴らしくユーモラス。余りに可笑しくて震えながら読むシリーズ。訳ももちろん素晴らしい。
『まじめが肝心』オスカー・ワイルド
キュウリのサンドイッチからして、なんだか笑える。全員、自分勝手なところが面白い。嫌みと減らず口が満載。
『ボズのスケッチ』ディケンズ
特に前半がユーモアたっぷりで可笑しい。
『going solo』ロアルド・ダール
ダールの若かりし頃を綴った作品。カツラの人の話やら、船でのエピソードが笑える。アフリカでのエピソードは冒険譚としても秀逸。
『ボートの三人男』ジェローム・K・ジェローム
これも名作中の名作。最初の病に関する部分、爆笑もの。ユーモアとは、こういうものだという良書。そして最良書。
『THE BOOK OF BUNNY SUICIDES』アンディ・ライリー
イラストのみでブラックユーモアを楽しむ。その手の込みようや、気長さ、バカバカしさを堪能。
「〜君は本当に奥さんを連れ戻したいのかね?」
「ええ」
「独身のほうが、とても平和に暮らすことができるんですよ。」
「平和は求めていないんです──まだ。」
グレアム・グリーン『負けた者がみな貰う』より
やはり、イギリスのユーモアには、甚だしき魅力有り。
十七歳の若造ピットは入社してわずか六週間なのに、当方に向かって、
「まあ、かっかしなさんな」
なぞとほざく。
此方は会社に二十年も奉公している身だと教えてやったら、奴は無礼にも、
「そう見えますよ」とぬかす。
『無名なるイギリス人の日記』より。