周囲から言祝がれる存在であることはいうまでもない。
僕らは、その老人を法廷に引きずりだした。
対米交渉の当時の責任者だった元外務省アメリカ局長
吉野文六氏が原告側証人として出廷し、
土地の原状回復補償費などを日本側が肩代わりした密約の存在を認めた。
自民党政権下では考えられないことだから、
守秘義務を解除した岡田外相の英断は評価したい。
けど、リタイアした老人に責任を負わせるのはいかがなものだろう?
記者会見をみる限りでは、
吉野さんは歴史の目撃者としての責任を果たしたと矍鑠としておられた。
また、これまで秘匿していた責任からの開放感にホッとしたようにも見受けられた。
それならそれでいいが、
吉野さんを引っ張りださなくても、密約があったことは公然の秘密で、
殊更に法廷論争するべきことだったんだろうか?
公文書管理法の改定だけで事足りることだと思う。
日本の政治家には知恵 -というより、思いやり- がない。
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