いわゆる「家族会」の結成から丸10年になる。
先般、家族会代表の横田滋さんは、
結成以来務めつづけてきた代表を退任する意向を表明した。
74歳という高齢に加え、一昨年には血液の難病に冒されたらしく、
娘さんを必ず取り返すという不撓の精神とは裏腹に、
肉体的には限界を超えていたんでしょう。
今でこそ北朝鮮による拉致の事実は全世界共通の認識になっているが、
家族会結成当時は世間(僕をふくめて)から白い目で見られていた。
「拉致なんて、本当にあるのか?」
「単なる妄想狂じゃないのか?」
など、心ない言葉が飛び交う中、活動を続けてこられたその鋼鉄のような信念には本当に頭が下がる。
今では、世間やマスコミ、政府も家族会にたいする理解が深まったが、
肝心の愛娘めぐみさんは安否すらもハッキリしない。
「十年一昔」なんていうけど、
横田さんをはじめとする家族会の皆さんには、そんな感慨は皆無だろう。
横田夫妻の闘いは、10年前にはじまったわけじゃない。
めぐみさんが連れ去られたのは、1977年(昭和52)11月15日の夕方。
30年も前のことだ。
5人の拉致被害者とその家族の帰国は果たしたものの、基本的にはなんにもかわっていない。
家族会の皆さんの年齢を考えると、一刻も早い解決を願うばかりだ。
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