SIDEWALK TALK

潮騒のメモリー

ShiosaiNHK朝ドラ「あまちゃん」が最終回をむかえた。
僕も毎朝欠かさず見てたから、
巨大なサーガを見終わったような気がして、
一抹の寂しさをおぼえている。
ひさしぶりに掛け値なしに楽しめた朝ドラだった。


作者のクドカンとほぼ同世代の僕にとって、
シンパシーを感じるオマージュ(という名のパロディか?)が
まるで冬の夜空に瞬く星屑のように散りばめられていた。
キョンキョンと薬師丸ひろ子の共演というだけでも、
僕ら世代には“ジェジェジェ”なキャスティングだった。


番組では、メインキャストの他に、たくさんのスターが誕生した。
「若春子」
「ストーブさん」
「前髪クネ男」
「いっそん」
「ミズタク」
「梅さん」
枚挙に暇がない。


あまちゃんは、単なるオモシロお気楽ドラマじゃない。
タブー視されている東日本大震災を題材にしてる点は、
大きく評価されていい。
舞台である久慈市周辺の観光客数も激増しているらしいから、
東北復興へ実質的な効果もあったかと思う。


震災編、とりわけ最終週の展開がぐだぐだだったのはご愛敬だろう。
あのテーマはそれだけ重く、扱いがむずかしい。
お堅い NHKがそれにチャレンジできたのは、
あまちゃんへの支持率の高さだろう。


当然ながら、続編を望む声が多いらしい。
けど、僕は敢えてそれを了としない。
その理由はここでは細かく述べないが、四捨五入すると、
このドラマを単なるコメディに堕としめたくないからだ。


アキちゃんが最期にユイちゃんに語りかけた台詞。
「明日も明後日も…来年もある。今はここまでだけど。来年はこっから先にも行けるんだ」
あまちゃんは、僕らの“潮騒のメモリー”になった。
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