辞任の理由は「一身上の都合」という、公人とは思えない無責任なものだった。
美しい国へ (文春新書) 安倍 晋三 価格:¥ 767(税込) 発売日:2006-07 |
「一身上の都合」とは、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、
(労働者の)個人的な理由、例えば、病気療養のため、結婚により家事に専念するため、老親の面倒を見るために出身地での就職を希望するため、自己の能力を生かせる職場に就職するためという意味で用いられる
…とある。
この定義からいえば、明らかに今回の用法はまちがっている。
平たくいえば「一身上の都合」を理由に辞められるのは役職が低いひとやサンピンであり、
公人や企業・団体のトップ、ましてや政府税調会長などは辞任理由を明確にする責任と義務を負っている。
今回の問題の根深さは、モラルの問題だということ。
屁理屈ながら論理的には、
本間氏はべつに法令違反をしてるわけでもなく、ギリギリ女性問題でもない。
しかし、格安官舎を批判していた人間が特例でその官舎に潜りこみ、しかも愛人と同棲していたという、
社会人としてどういう言い訳もできない状況にもかかわらず、あの厚顔無恥な振る舞い。
さらに、「女性とは誠実におつき合いしている」、と、いけしゃあしゃあと言い放った。
公(PUBLIC)の意識どころか、ふつうのモラルのカケラもない。
いわば品格の問題だと思う。
安倍首相を中心とするチーム安倍の対応にもガッカリした。
すべて後手後手に回っている印象はぬぐえない。
故人のことは言いたくないが、鳴り物入りで就任した橋本首相とダブってみえる。
シンが通ってないというか、何をやってもブレまくっている。
「美しい国」を標榜している安倍首相。
これは、ワンフレーズ・ポリティックスのつもりなのか?
かつて自国のことを「地上の楽園」と喧伝した国があった。
「地上の楽園」が真っ赤なウソだったことはいうまでもない。
言葉じゃなく、美しい態度と行動でリーダーシップを示してほしい。