「桐は呼吸をしていて、湿気の多いときは湿気を吸収し、湿気の少ないときは空気の通りがよくなります」と一般的にいわれていますが、これはまちがいです。
十分に加工された乾燥した桐材はたいへん伸長率・収縮率が小さく、製品を他の木材にくらべて、ピッタリ隙間なく作製することが可能です。このため桐箱・桐箪笥の内部は、気密性が高く、外気を遮断し、温度や湿度の変化を受けにくくなっています。 この気密性の高さが、桐製品内の湿度を年間通して一定にさせる要因となり、中のものを腐食からガードすることができるんです。
紙がまだ貴重品だった古代(奈良時代)、官の記録は、紙よりも木を多用してましたよね。
日本のように、梅雨時には非常に高湿、また冬は異常乾燥するような気象だと、木(もちろん紙も)の腐食のスピードがはやいんです。そこで、桐の容れもの(桐箱)などに、公式文書を保管してたみたいです。
そういった大事なものをいれるという文化が醸成されて、陶器など、べつに腐らないものも桐箱にいれるようになったんじゃないでしょうか。
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