きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

人と人とのつながり

2012年07月05日 | 社会のこと
古い人間だといわれればそれまでなのかもしれないが、私は人と人は「会わないと始まらない」
と、常日頃から思っている。

そういう哲学のもとに現代社会を見ると、疑問が次がら次へとわいてくる。

実はそれでここ最近、ずっと悩んでいる私。

音楽も、私は「生演奏」をとても大事にしている。
CDを出す事は性に合わない、と思ってもいるし、実際、持っているたくさんのCD達を我が家のオーディオで聴いても、本当にすばらしいと思えるものになんてほとんど出会えない。

私にとって音楽とは、伝えるツール。
音だけでなく、ちっぽけだけれど、私という人間が持つすべてを使って人に語りかけるためのもの。
音だけを取り出したCDはもとより、姿も映る動画でさえ、記録として、自分自身のための勉強、反省、分析には役に立つが、私にとっての「音楽をする」という行為には何の役割も果たさない。

人と人も同じ事。会って、話して初めて「あつきあい」なのではないか。
友達にしても、家族にしても、恋人にしても、会ってはじめて「つながる」のではないか・・・?

確かに今はグローバルな時代で、私も世界中にお友達は散らばっているし、両親でさえも会おうと思ってすぐ会える場所にはいない。
遠い人たちと連絡を取り合うのは本当に便利な時代。
こんな事に疑問を呈する張本人の私も、それをふんだんに利用しているのだ。

でも今現在、知らない土地に来て、知り合いもお友達も一人も近くにいない私が、インターネットや携帯を使って友人たちと連絡を取り合える事で、幸せな生活を送ることができるだろうか?

グローバルな時代、通信の時代は、本当に人と人とが「つながり」を持ち、幸せに生きていける時代なのか?

私の中で、答えは、まだ出ていない。