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「トトロの木」 透明水彩画 A5(210×148)2017年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵
今日ご紹介いたしますのは、
イタリア・ヴェネチア、Kokonton Galleryにて2017年に発表させていただいた思い出の作品です。
ヴェネチアでの今回の滞在で水彩画を描くにあたり
テーマにしていたことがありまして、
私が遊び心でいつも風景に感じています
妖精とか妖怪とか精霊とかの
見えないけどいるような気がする生き物を描きいれようと決めていました。
それは遊び心の中で感じてはいるのですが、
具体的に見えるものでもないので、なかなかうまくいきません。
ラフスケッチでいろいろ現れても
結局本番スケッチで追い出される始末です。
滞在して何週間か過ぎ
あれこれ試している間に
今ここで体験している芸術的な感情が心の中で大きく芽生えだし
それはヴェネチアの古い建物の奥底に流れる軽やかで華やかな美しさのようでした。
現場でスケッチすることはとても楽しいのですが、
どうしても古い建物の古い表情を鉛筆線で拾ってしまうものですから
色塗りのときにその線に拘束されて、古い色から入れてしまい
その奥底に流れる軽やかで華やかな表情とは別物として出来上がってくるのでした。
さらにあれこれと試している間に一月が過ぎ
妖精とか妖怪とか精霊とかも入れれないまま
軽やかで華やかな美しさも出せないまま
残りの滞在一月半で個展が待っています。
そこで
思い切って
不器用な私が
ほんとに思い切って
あの楽しい水彩画の醍醐味である
現場での鉛筆線を
捨てることにいたしました。
あ~
どうか
何とか
個展に間に合いますように!
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