ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

緑のある教会

2017-12-24 15:49:32 | ヴェネチア

「緑のある教会」 透明水彩画 A5(210×148)2017年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵
※会場内撮影のため、作品のイメージが少し違うかもしれません。


今日ご紹介いたしますのは、
イタリア・ヴェネチア、Kokonton Galleryにて2017年に発表させていただいた思い出の作品です。


ヴェネチアのサンマルコ側からリアルト橋を渡ってザッテレに抜ける右側の狭い路地を進みますと、
心地よく開けた運河沿いの道に出ます。

そこには古くて渋いバーカロ(立ち飲みバール)があって
店の中のショーケースには、ご機嫌にワインが飲みたくなるような酒の肴がぎっしり用意されています。



せっかくですからその素敵なバーカロでワインと肴を楽しんでもらって気持ちよくなったらころ、
もう少し運河沿いを歩いていただくと、この絵の素敵な場所に出ます。

向かい側には白いChiesa dei Santi Gervasio e Protasioという教会がありまして、
その広場の隅の小さな一画に、公園とまではいかないのですが芝生のような緑があって、
木が数本植えられていて、だれかが置き忘れたかのような井戸がぽつんと一つあります。

入り口とかベンチとかありませんし
だれのための庭なのか
みんなのための庭なのかもよくわからないのですが、
緑を残してくれていることが嬉しくて好きでこの絵を描きました。


バーカロのワインと肴でご機嫌になったころ
もしかすると風景のおしゃべりが聞こえてくるかもしれませんよ。

ほら
その庭の右端の木がなにやら話しています。



いや~
今日も一日楽しかったな~

じつは俺、ミミズを5匹飼っててね。
ほら、こないだデカいクロダイを釣って大はしゃぎしてたアレックスさんが、
釣りの餌のミミズを俺の足元に忘れてったんだよ。

えっ
アレックスさん知らないの?
このあたりじゃ釣り下手で有名な人だけどなー

まあいいや
それで、そのミミズが可愛そうだから俺の足元の土中に入れてやったらね、
足の裏をコチョコチョこちょばすんだ。
ときおり笑いそうになるし、それでも我慢してたら血の巡りが良くなってさ
なんか調子よくて楽しいんだ!

でもオケラに見つかったらミミズは食べられちゃうから
しばらくのあいだだけだと思うけど、
まあどうせ魚に食われる運命だったんだからいいやね。


えっ
俺だけうっすら運河に映ってるって?

ほんとだ
俺だけうっすら映ってる。

ミミズで血行よくなって
美肌効果が上がって葉っぱが光ってるってこと?

・・・・

すみませーん
どなた様か、私の足元に住んでるオケラを追っ払ってやってくださいませんでしょうかー

オケラを
追っ払ってやってくださいませんでしょうかー

せっかく助けたミミズが
ミミズが食われてしまわないようにー


ああ
神様

美肌でいたいよ~

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