309 田村貴昭
○田村(貴)委員 歴史の教訓に照らしてどうなのかということを聞いているんです。大臣、いかがですか。310 鈴木俊一
○鈴木国務大臣 戦前、そういうような道を日本が歩んだということは、これは、反省して戦後の日本があるんだ、そういうふうに思っております。 しかし、今回お願いしておりますのは、日本を取り巻く安全保障環境がかつてない厳しさを増す中において、国民の生命あるいは国の独立、こうしたものを守るために必要な喫緊の課題であるというわけでありまして、抜本的に防衛力を強化しなければいけないというのが政府の立場であります。 戦前の日本と同じ歩みをしようということは、毛頭考えていないわけであります。311 田村貴昭
○田村(貴)委員 毛頭考えていないのであれば、やはり、憲法の原則に従って措置するべきです。戦前の軍拡や軍事予算の膨張を止められなかった要因の一つが、国会の形骸化であります。少なくとも、戦後憲法の下で、財政民主主義が原則になり、国会に提出された予算案を国民の代表である議員が審議することで、予算の内容を監視する仕組みが機能しています。是非尊重すべきだと思います。 改めて歴史を振り返れば、日本は、一九〇七年に帝国国防方針を策定して、用兵綱領、所要兵力と併せて、仮想敵国や必要な兵力を決めたとされています。多くの仮想敵国をつくり、それぞれに対応する国防対策を講じていくと、必要な軍備に終わりはなく、軍事費は膨張していったのであります。 大臣に、最後、聞いていただきたいお話があります。歴史学者の加藤陽子さんが、新聞に、インタビューでこういうふうに答えておられます。戦前の日本について、国防方針を作成し、仮想敵国を想定したことが、そのこと自体が、方針に書かれた目標を実現するためにとの理由で軍拡を求める動きなどを誘発したと指摘されています。 また、今回の安保三文書についても、加藤さんは、積み上げられたものではなく、NATO諸国並みのGDP比二%ありきだが、防衛力を大幅拡充するという方針が中国に対する威嚇や脅しとして機能することは注意するべきですと述べています。 改めて、大臣、どういうふうに受け止めておられますか。憲法が規定する財政民主主義、そして、国会審議がやはり大事だと思いませんか。いかがですか。312 鈴木俊一
○鈴木国務大臣 今回の防衛力の整備、抜本的に強化をするということは、特定の国、地域を念頭に置いて行うものではないということ、これは岸田総理も述べているところでございます。 政府として、戦後の平和国家の道を、その歩みを外すことがないように、これはもう当然のことである、そう思っているわけでございまして、あくまで、厳しさを増す安全保障環境の中において、国民の命、そして日本の国の独立、これを守るためにやらなければならない喫緊の課題が防衛力の抜本的強化である、そのように政府として考えているところでございます。313 田村貴昭
○田村(貴)委員 時間が参りました。この続きは、次回、また論議をさせていただきます。 終わります。- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・令和4年12月に防衛三文書が閣議決定されていることは周知の事実である。その筆頭文書である「国家安全保障戦略」のなかの「我が国を取り巻く安全保障の環境と国家安全保障上の課題」という項目の中には明確に次の具体的な国名が出てくる。つまり・・・〇中国の安全保障上の動向〇北朝鮮の安全保障上の動向〇ロシアの安全保障上の動向・・・・・明治40年の帝国国防方針には「蓋し我が国の敵国は露国なり」とあった。この国防方針が書かれた2年後ロシアを訪ねる途上で伊藤博文が暗殺された。「敵国のお偉方とお話なんてとんでもない」とする輩に殺されたのだろう。現代の国防方針である防衛三文書では、仮想敵国は中国と北朝鮮とロシア…ということが明記されているわけだ。さーて、無駄なお話し合い(外交)などはやめて張り切って、ドンパチやりましょうか。いや、現代戦では、一発で終わりか。さーて、どっちが生き残るか。いや、どちらも地球上から消えちゃうだろう。地球も始めがあったとするなら、終わりがあるというのもまた真実だろうし。(文責:吉田)