令和三年十二月十三日提出 質問第一五号
竹中平蔵氏の度重なる政府会議委員起用に関する質問主意書
提出者 山本太郎
先の令和三年十月十三日の参議院本会議における野党議員(森ゆうこ君)の質疑において、「新自由主義からの決別を国民に分かりやすく示すならば、新自由主義の旗振り役であると多くの国民が認識している竹中平蔵氏と決別することをお勧めします。総理、いかがですか」と、安倍・菅政権において、数多くの政府の諮問会議等の民間議員になった竹中平蔵・パソナグループ会長とのいさぎよい決別を求める質問があったことに対し、岸田文雄総理大臣は、「御指摘の規制改革推進会議や国家戦略特区ワーキンググループについては、議論の透明性の確保に努めるなど、法令にのっとりオープンなプロセスで進められており、これは無責任という御指摘は当たらないと考えております」と答弁している。
岸田総理が掲げる「新しい資本主義」は、「新自由主義からの転換」を主張し、自らの政策の基盤として分配を重視するものとされている。ところが、本年十一月九日にその「新しい資本主義」の一角を担う、「デジタル田園都市国家構想実現会議」の設置が発表され、竹中氏が積極的に推進してきた我が国における水道コンセッションの担い手企業であるヴェオリア・ジャパン株式会社代表取締役会長の野田由美子氏の他、竹中平蔵氏の構成員としての起用が発表された。
この点について、岸田総理は十二月十三日の衆議院予算委員会において、「竹中平蔵氏については、特区問題について従来から関わっていただいていること」を理由として起用した旨、答弁している。この点については、当方は、竹中氏が国家戦略特区諮問会議の民間議員として関わってきたことを意識したものと理解している。
この人事について、政府の見解をただす。
一 日本における新自由主義の象徴と言われる竹中平蔵氏を起用した理由は何か、決定したのは誰か。詳細にその理由・人物名を答えられたい。また、岸田総理が答弁した、竹中氏の「特区問題への関わり」の具体的な内容について答えられたい。
二 竹中氏の起用にあたってどのような判断基準に基づいて行ったのか。政府の見解を問う。
三 特定の個人を平成二十五年以来の国家戦略特区諮問会議の民間議員選任以来、十年近く、切れ目なく、政府の諮問会議の中枢メンバーとして起用し続けることは、その事自体が行政の歪みや利益誘導の点で問題があると考えるが、政府の見解を問う。
四 竹中氏が日本の経済政策に関わり始めたのは、平成十年「経済戦略会議」(小渕首相諮問会議)メンバー参加からであると認識しているが、この間、日本経済は橋本龍太郎政権における消費税増税が行われた平成九年四月以来、現在に至るまで、二十年以上も、「デフレから完全に脱却できない状態」が継続している。この点を考えても、竹中氏を始めとする、政府の経済関係会議体の人選は誤り続けているのではないかと考えるが、政府の見解を問う。
右質問する。
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あらゆる国富を民営化という名のもとに私企業に切り売りする政策を鋭意推進してきておられる勢力があり、そのシンボルが竹中平蔵氏であると思っている。すそ野は非常に大きく広く、あらゆる公的事業の民間への切り売りでぼろ儲けしている方たちは結構多い。古くは国鉄、そして郵政、金融界のみならず、水メジャーへの亡国的売却も結構進んできているのではないだろうか。命ある「人間」を「人材」と言い換えて商品化し我が国雇用システムをぶっ壊し格差拡大に大きく貢献寄与しているだけではないのは確かだ。
さて、自民が公明と決別、それこそ改憲への行動開始の決意表明であると思っているが、期待の維新の広がりがいまいち読めないのも事実だろう。あれこれ掛け合わせると…要は国富、それも最大の国富である我が国の「自衛隊」をわが国の防衛という目的以外の目的でグローバルに地球全体への派遣を実現させる方向へ、つまりは、「自衛隊の切り売り」「安売り」「ダンピング」というバーゲンセールまがいの方向へ大きくシフトさせていこうという破廉恥行為をたくらむ新自由主義の本意が透けて見えているのは私だけだろうか。まるで、ブラックホールのようだ、なんでも吸い込んでいってしまうのだから…。
(文責:吉田)