日韓大陸棚協定は、1974年(昭和49年)1月30日に署名され、1978年6月22日に発効した。この協定は、「日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定」(略称:北部協定)および「日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定」(略称:南部協定)で構成されている。
中でも南部工区、特に第7鉱区に関しては、締結当初から多くの問題があることが指摘されてきた。同協定締結当時は、中間線原則が適用されていなかったが、現在の国際法に基づけば第7鉱区の大部分が日本側に帰属する可能性がある。さらに、同協定第29条には次のように記されている。
「この協定は、署名の日から50年間有効であり、いずれかの締約国が終了の3年前に相手国に書面で通知した場合、50年の満了をもって終了する。」
そのため、2025年6月22日以降に日本または韓国が協定終了を通知した場合、協定は2028年6月22日に終了することとなる。当然、韓国国内では、領土問題として、また資源問題として激しい反日運動が繰り広げられる可能性がある。
当時、日韓大陸棚協定を締結したのは、冷戦構造を維持する旗印として「反共」を掲げていた自由民主党である。その中でも中心的な役割を果たしたのは、岸信介、安倍晋太郎、中曽根康弘、安倍晋三、麻生太郎といった韓国に大きな利権を有する議員たちであった。彼らが韓国から利権を回収するために関与したとされるのが、ソウル地下鉄事件や日韓海底トンネル計画である。これらの事件は、自由民主党が結党以来行ってきた利権政治の延長線上にあると指摘されている。
しかし、現在の自由民主党には、国民世論を抑えつつ日韓大陸棚協定を更新するだけの党勢はない。それだけでなく、トランプ大統領の就任によって米朝会談が再開し、朝鮮戦争が終結する可能性が高まると、韓国と日本の安全保障の基盤が崩壊する危険性がある。その結果、反共で連携する必要性が失われ、反共政策の象徴として日本が韓国に与えた「共同開発工区」という枠組みも無意味なものとなる。
したがって、2025年の韓国は、安全保障の基盤が崩れ、領土およびエネルギー問題の基盤も失われる可能性がある。このため、尹大統領は戒厳令を敷いて国民が受けるショックを和らげようとしたとも考えられるが、その真意は未だ明らかではない。(寄稿:近藤雄三)
【参考】
・(2023年08月16日)『韓国尹錫悦政権が最も恐れる「朝鮮戦争終戦」』
・(2023年08月18日)『7キャンプデービッドで2023年8月18日に開催される日米韓首脳会議』
・(2022年11月04日)『統一教会に誓約書を提出した麻生太郎と「日韓協力委員会」』
・(2022年11月07日)『統一教会に誓約書を提出した麻生太郎と「日韓協力委員会」(2)』