公民・歴史教科書問題を中心に教育問題を考えていくブログ

恐るべき公民教育の問題を中心に扱っています。かなりの割合で小山常実氏のブログ(特に教科書資料)や著書を参考にしています。

おびただしい数の日本人が惨殺された南京大虐殺 被害の歴史から目を背けるな

2023-06-19 22:13:52 | 歴史教育

読者の皆様は、南京大虐殺と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。おそらく、日本軍が中国人を殺したとされる事件(「南京事件」)のことだと思いますが、今回はそちらではありません。

「南京事件」については、こちらで詳しく解説しているので良ければ一緒に読んでください。

南京大虐殺(1913年南京事件)とは、1913年9月1日、中国大陸で袁世凱(えんせいがい)政権打倒の革命の失敗後に北軍(袁軍)が南京を占領した際に、張勲(ちょうくん)の軍隊がおびただしい数の日本人を虐殺(ぎゃくさつ)、暴行、殺害し、さらに居留民の家屋を襲撃して略奪行為を行った事件のことです。

国内の対中強硬論を後押ししました。この事件を起こした張勲(ちょうくん)の軍隊は、現在の中国政府のもとになったといわれています。

なお、この事件の犠牲者数については諸説ありますが、数十人から数百人程度だと推定されています。それ以前に南京やその周辺で行われた一連の日本人大虐殺事件をまとめると、数万人に達するとみられています。

当時の内閣が対中外交の軟弱さを指摘されることにもなるなど、決してただの殺人事件ではありません。だからこそ、「南京大虐殺」と読んでいます。

この事件は、教科書では全く取り上げられていません。あの自由社ですら取り上げていません。最近までWikipediaには記事すらありませんでした。

教科書会社には、被害の歴史から目を背けないでほしいですね。

通州大虐殺南京大暴虐、そしてこの南京大虐殺をしっかり記述し、被害の歴史に目を向けてこそ、誠実ある教科書会社の態度といえるのではないでしょうか。

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蔣介石の国民革命軍による南京大暴虐 被害の歴史を直視せよ

2023-06-19 21:45:22 | 歴史教育

さて、読者の皆様は、1927年の南京大暴虐(1927年南京事件)をご存知でしょうか。

南京大暴虐(ナンキンだいぼうぎゃく)とは、中国大陸における北伐の途上において、1927年3月24日、のちに中国政府となる国民党軍が南京を占領し、その過程(かてい)で日本を中心とする各国の領事館(りょうじかん)や居留民の家屋を不法に襲撃(しゅうげき)して、おびただしい数の領事館関係者や居留民を虐殺(ぎゃくさつ)、暴行、殺害、強姦、略奪(りゃくだつ)し、「南京大暴虐」として国際的な非難を浴びた事件です。

中でも、日本の領事館は、国民革命軍が「規律正しい」と聞いていたこともあって、無防備(むぼうび)な状態で迎え入れ、被害(ひがい)が拡大しました。

さらに、国民党軍は、領事館や居留民の家屋以外にも日本人の経営する旅館を不法に襲撃し、銃を突きつけて脅迫(きょうはく)して日本人から財布や骨董品(こっとうひん)を無理やり強奪(ごうたつ)しました。

そのすさまじい国民党軍による犯行は、警備兵(けいびへい)が抵抗(ていこう)できなくなるほどでした。この事件の犠牲者数には諸説ありますが、数十人から百数十人程度の日本人が犠牲になったと推定されています。全体としては数百人から千数百人と推定されています。その結果、「中国人の蛮行」などとして世界中から批判されました。

しかし、日本側は、他の襲撃を受けた外国と違い、国民党軍に報復(ほうふく)しませんでした。これは、日本が協調外交(きょうちょうがいこう)を進めていたことによるもので、当時の内閣の外交は、軟弱(なんじゃく)な外交であると批判されました。

この事件は、世界中に衝撃(しょうげき)を与え、虐殺(ぎゃくさつ)も平気で行う本性(ほんしょう)が明らかにされたました。その後の国民党の進路や、日本の対中政策を大きく変える結果となりました。日本政府の軟弱な対応と合わさり、その後の中国大陸での反日運動をひきつけ、満州事変が起こるきっかけにもなりました。

さらに、現在では、事件を起こした兵士の大半が、共産党(現在の中華人民共和国)が国民党軍に送り込んでスパイだったことも分かっています。共産党とは、現在の中華人民共和国の政府であり、中華人民共和国がこのような性質(せいしつ)を持っているともいえます。

なお、南京大暴虐については、「南京大虐殺」(ナンキンだいぎゃくさつ)「南京大暴虐事件」(ナンキンだいぼうぎゃくじけん)「南京大虐殺事件」(ナンキンだいぎゃくさつじけん)「南京大暴行事件」(ナンキンだいぼうこうじけん)「南京侵略事件」(ナンキンしんりゃくじけん)「1927年南京事件」など他の呼び方もあります。

しかし、このような重大な事件を歴史教科書は一切取り上げていません。自由社と教育出版が記述していますが、いずれも簡単にまとめられており、教科書会社の意識の低さが露呈(ろてい)しています。

この事件は、通州大虐殺南京大虐殺(日本軍が起こしたとされる「南京事件」のことではない。)とともに、教科書で取り上げるべき事柄だと思います。被害の歴史をしっかり記述し、被害の歴史と向き合うのが誠実な教科書会社の使命ではないでしょうか。

南京大暴虐が書かれない教科書に問題意識を感じた方は、ぜひ教科書会社に抗議してください。下には、各教科書会社のお問い合わせホームを貼っておくのでぜひご活用ください。

【東京書籍】 お問い合わせ 内容についてのご質問・ご意見箱:個人情報の取扱いについて

教科書の内容や指導書・Webサポート・QRコンテンツについて|株式会社帝国書院

お問い合わせフォーム|お問い合わせ|日本文教出版

お問い合わせ | 育鵬社

※東京書籍と帝国書院と日本文教出版と育鵬社は、この南京大暴虐も、通州大虐殺も、南京大虐殺(日本軍が起こしたとされる「南京事件」のことではない。)も書かない不適切教科書です。

利用規約 - 教育出版

※教育出版は、この南京大暴虐について本文で「国民政府軍が南京で外国の領事館などを襲撃すると」と書いていますが、通州大虐殺南京大虐殺(日本軍が起こしたとされる「南京事件」のことではない。)のことは書いていません。なお、利用規約に同意すればお問い合わせできます。

お問い合わせ|新しい歴史教科書をつくる会

※自由社のホームページにお問い合わせホームが見つからなかったため、執筆者のホームページを掲載します。自由社は、この南京大暴虐について「略奪、暴行、殺人の限りを尽くしました」と記しています。また、通州大虐殺についても書いています。一方、南京大虐殺(日本軍が起こしたとされる「南京事件」のことではない。)については書いていません。相対的にはもっとも評価できる教科書ですが、記述は不十分です。

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「「強制」連行」 教科書に重語は不要だ

2023-06-19 21:28:14 | 歴史教育

現在、多くの高校の歴史総合や日本史探究、世界史探究の教科書には、「強制連行」という表現が使われている。他にも、「強制的な動員」という表現の例もある。

小学校用の歴史教科書では「強制的に動員され」などとある。中学校用の歴史教科書でも「意思に反して連れてこられ」という表現が存在する。

しかし、「連行」や「動員」「連れてこられ」などの表現は、もともと強制性を含(ふく)んでいる。同じく、「徴税」や「徴用」についても、その前に「強制」などを付けなくとも、強制性を含んでいる。

強制性のある用語の前に、強制性のある用語をつけるなどの日本語表現は「重語」と呼ばれるが、生徒の混乱を招(まね)くおそれもあり、教科書に重語は必要なのだろうか。しかも、「連行」や「動員」「連れてこられ」など、強制性があることが明らかな用語の前に「強制」や「意思に反して」などをつけるのは果たして適切なのだろうか。

なお、中学校歴史教科書の「意思に反して連れてこられ」という表現は、東京書籍のものだが、朝鮮人労働者に関わる表現であり、「連れてこられ」自体にも、2021年4月の閣議決定で否定された「連行」を連想させるなど、別の問題もはらんでいている。

教科書に重語は不要だ。

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