食べ物が胃の入口辺りで詰まる。それからくる胸を中から圧迫するような状態(食道に食べ物が溜まり膨張しているため)は何とも言えない嫌悪で、詰まったものをゲロしてリセットするか胃の中に落ちるしか解放される道はない。
癌がいなくなり正常になった喜びに比べれば前述の不具合など比較対象にはならないほどだ。
術前から治療が終わったら最初に煙草を一服してみて様子を見てから禁煙を検討する。肝臓の数値が異常だったことを考え酒は控えめせざるを得ないから術後、1年は自粛することにしていた。どちらも医者と相談したものではなく、懲りない私の希望。
ところが煙草は何故か一服たりとも欲しいとは思わなくなっていたし、30年以上は欠かしたことはない晩酌派の私が酒も欲しがらなくなってしまった。病気をして、手術して元の状態に戻るだけの事、何もいいことはないかと思っていたら怪我の功名、全くの予想外の禁酒禁煙を意志に反して勝手にやってしまった。
煙草に対する執着は0、だから酒の席で人が煙草を吸っていても全く気にならないから本物だと思う。酒の席に煙草はつきもので禁煙に挑戦している人が崩れるシーンは酒席と相場が決まっている。
退院直後、酒の味はどんなものか一口だけ頂いてみたことはあるが、1年以上は酒を飲まないでいた。強制的に酒を止められているのではないのに煙草同然よく我慢出るものだと思う。
ほぼ1年経過してから会合の後や慰労会などで平均して月に2~3度は酒席にも出るようになった。ビールは味覚変化により苦く感じるからコップ1杯あれば十分。真夏の暑い中で大汗をかき1日の仕事を終えて頂く冷えたビールにさえ食指は動かない。
焼酎は味がないから日本酒を呑んでいるが、酔い方は日替わり定食のようでパッタリと落ちるかと思えば、飲み過ぎて夜中に頭がガンガンすることもあり、術前とは大きく変化した。
酒席の経験から適量は、ビールをコップ1杯弱、日本酒1合くらい。
酒が月に1万強、煙草が2箱/日だったから3万円/月(当時のレートで)となり年間36万円、5年間だと180万円の節約になったと以前にもレポートしたと思う。節約分を毎日、貯金箱に溜めていたらここに180万円以上の現金があるはずだが、残念ながら何処かに姿を消している。
冊子:食道・胃の多重がんと闘うホームページ