競馬マニアの1人ケイバ談義

がんばれ、ドレッドノータス!

千可ちゃん6

2013年07月20日 | 千可ちゃん
 雨の日でした。千可ちゃんの下校の時間です。人影はまばらです。千可ちゃんは下駄箱から靴を取り出し、履き替え、そして傘立てへ。しかし、千可ちゃんの傘はないようです。
「あれ?」
 と、千可ちゃんが視線を逸らすと、そこに千可ちゃんの傘を持った男の子がいます。森口くんです。
「あ、それ、私の傘!」
「え?」
 森口くんが振り向くと、千可ちゃんが早足で来ました。
「それ、私の傘だよ!」
「ご、ごめん」
 森口くんは傘立てから別の傘を取り出しました。
「ぼくの傘、こっちだった」
 それは朱色の傘でした。千可ちゃんの傘は紺色です。どう間違えたんでしょうか?
「もう、しっかりしてね!」

 次の日も雨でした。千可ちゃんはいつものように帰ろうとしましたが、今日も傘がありません。千可ちゃんは一瞬呆れた顔をしましたが、次の瞬間、ふーっと目を瞑りました。リモートビューイングです。
 小雨の中、千可ちゃんの傘をさして歩く人影が見えます。顔を見たら森口くんでした。
 千可ちゃんは目を開けました。
「あ、まただ…」
 千可ちゃんは傘立てに残る森口さんの傘を持って、駆け出しました。
「も~っ!」

 森口さんが傘をさして下校してると、後ろから声が。
「待って~っ!」
「え?」
 森口くんが振り返ると、千可ちゃんが小雨に濡れながら駆けて来ました。
「もう、なんで私の傘、持ってっちゃうのよ?」
 千可ちゃんは森口くんに傘を差し出しました。
「こっちでしょ、あなたの傘は!」
「あ~、ごめんごめん」
「ぜんぜん色が違うじゃん!」
 森口くんは傘を広げたまま、千可ちゃんに手渡しました。
「もう、間違えないでよ!」
 千可ちゃんが振り向こうとしたら、急に森口くんが語りかけました。
「あ、あの~、羽月さん、カラオケに行こうよ!」
 千可ちゃんはびっくりです。
「ええっ?」
「お詫びのしるしだよ。ぼくがお金出すから」
 千可ちゃんはカラオケに行ったことはありますが、男の子と2人で行ったことはありません。でも、せっかくのお誘いです。千可ちゃんは行くことにしました。

 カラオケハウスの一室。森口くんと千可ちゃんは気持ちよく歌ってます。千可ちゃんは1人で歌いたいようですが、なぜか森口くんはデュエット曲ばかり入れてきます。仕方がないから、千可ちゃんはその時は一緒に歌ってあげました。でも、千可ちゃんはとっても笑顔です。
 1時間が過ぎました。森口くんはもう1時間歌いたいみたいです。でも、千可ちゃんは遠慮することにしました。
「ありがとうね、森口くん」
「うん。
 ねぇ、羽月さん、またカラオケに行こうよ」
「う~ん…、気が向いたら、ね」

 翌日の下校時間、教室の中です。千可ちゃんは城島さんと一緒に歩きだそうとすると、そこに森口くんが来ました。
「あ、あの~、羽月さん…」
「あ~、ごめん、今日は部活だから」
「そ、そうなんだ…」
 森口くんを見る城島さんの頭には、疑問符が浮いてます。と、森口くんがまた訊いてきました。
「ぼく、その部活に出てもいい?」
「う~ん…。ちょっと特殊な部だけど?」
「か、構わないよ!」
「じゃあ、ついてきて」
 千可ちゃんと城島さんは、森口くんを引き連れて歩き始めました。城島さんの質問です。
「あなた、羽月さんの彼?」
「そ、そんなものじゃないですよ」
 と、森口くんはもじもじしながら返答しました。だけど、どっからどう見ても千可ちゃんに恋愛感情大です。もちろん、千可ちゃんもそれに気付いてます。千可ちゃんだって乙女です。恋に憧れてます。でも、森口くんはまだその対象には至ってないようです。

 ここはオカルト研究部の部室です。ふつーの教室の半分くらいの面積です。オカルト研究部だから魔女の大釜とか護符とか置いてあるような気がありますが、そんなものはまったくありません。ただ、大きな書庫があり、そこに怪しい本がたくさん並んでいます。
 ドアが開き、千可ちゃんと城島さんと森口くんが入ってきました。
「こんにちは」
 中には浜崎さんと福永さんがいました。
「こんにちは」
 と、浜崎さんが森口くんに気付きました。
「きみは?」
「森口くんです。入部希望者ですよ」
 あれれ、千可ちゃん、森口くんは入部希望なんて一言も言ってませんよ? でも、
「も、森口です!、よろしくお願いします!」
 成り行きか、森口くんは入部すると宣言してしまいました。しかし、それを聞いて福永さんは大喜びです。
「ほ、ほんと?、歓迎するよ、ありがとう!」
 実は浜崎さんと蓑田さんがケンカしてしまい、それ以来蓑田さんは部室に来てません。もし蓑田さんが正式に退部届けを出したら、オカルト研究部は4人となり、またオカルト研究会に逆戻りです。だからこのタイミングで森口くんが入ってくれると、オカルト研究部はたいへん助かるのです。
 が、森口くんはまだ疑問が1つ残ってるようです。
「あの~、ぼく、男だけど、いいんですか?」
 そう言えばオカルト研究部は全員女子です。が、浜崎さんはこう答えました。
「あは、いいよいいよ、去年は男子が3人いたから、な~んの問題もないよ」
「あ、よかった」
 森口くんはちょっと安堵です。そして、部活動開始。今日は隣の隣の市にあるみみずく神社の話題です。
 この神社、絵馬を奉納すると願いが叶うことで有名なのですが、最近○○死ねと書かれた絵馬が幾度となく奉納されてるようです。しかもその絵馬をカメラで撮影すると、かなりの確率で霊が写るとか。その噂が広がるとみみずく神社の祢宜さんは絵馬を逐一チェックするようになりました。が、それでもたま~に呪いの絵馬が奉納されてるようです。
 オカルト系の雑誌にその絵馬の写真が載ってるのですが、その絵馬の真後ろに女の子の顔があります。まるでそこに生きてる女の子を立たせたような鮮明な心霊写真です。浜崎さんがその写真を提示すると、福永さんと城島さんは興味津津。でも、森口くんはビビりました。
「う、うわっ!」
 浜崎さんと福永さんが心配したようです。
「きみ、大丈夫?」
「この程度でビビっちゃうの?、これより怖い写真は、ここにはいくらでもあるんだよ」
 森口くんは苦笑いしながら、
「だ、大丈夫ですよ。あははは…」
 ちなみに、千可ちゃんはこれを生き霊と判断しました。もちろん、その事実は口にしてません。
 今日は金曜日。明日は土曜日。オカルト研究部は明日これを確かめに行くことにしました。

 翌日浜崎さんの豪邸に福永さんと城島さんと千可ちゃんが自転車で来ました。この時点で朝8時。それから約40分。やっと森口くんが来ました。
「み、みなさん、早いですねぇ」
 浜崎さんは微笑みながら返答しました。
「ふふっ、オカルト研究部じゃあ、約束より1時間早く集まるのがルールなんだ」
 さあ、出発です。ちなみに、森口くんが来るまで、4人は心霊写真本を回し読みしてました。

 浜崎さんの家から最寄りの駅まで約2km、徒歩。そこから電車に乗って3つ目の駅。さらにバスに乗り換え、約20分。ついにみみずく神社に到着です。
 境内に入ると、さっそく絵馬掛けを発見。絵馬がたくさん奉納されてます。さっそく浜崎さんと福永さんが絵馬をチェックし始めました。千可ちゃんがビデオカメラで、城島さんがスティルカメラでそれを撮影してます。ちなみに、千可ちゃんは生き霊や死霊の気配はまったく感じてません。
「あった!」
 ついに浜崎さんが呪いの絵馬を発見しました。1年2組戸村死ね!、と書いてあります。
「これが呪いの絵馬…」
 城島さんがそーっとその絵馬に手を伸ばそうとしましたが、浜崎さんがその手を振り払いました。
「触っちゃだめ、呪われるよ!」
「ええっ!?」
 千可ちゃんが森口くんに話しかけました。
「1年2組の戸村て、あの人のこと?」
「うん、ぼくもそう思った」
 浜崎さんはその会話を聞いて、はっとしました。
「え?、うちの高校の子なの?」
 そうです。戸村とは千可ちゃんが通う高校の生徒なのです。戸村は少し前に事件を起こしてます。授業中、隣の女の子を殴り倒し、顔に軽傷。警察が乗り出し、彼と彼の母親に謝罪文を書かせ、事を穏便に済ませましたが、それ以来戸村は登校してません。ちなみに、殴られた娘は今心療内科に通ってるそうです。この絵馬はその娘か、両親が書いたものなのでしょうか?
 5人はさらに絵馬をチェックしましたが、呪いの絵馬はこれだけでした。5人はみみずく神社をあとにしました。

キャロット新規募集馬のリストが届きました

2013年07月19日 | Weblog
昨日キャロットさまから1通の手紙が届きました。中身はいつもの請求書。これに加え、2012年産募集馬のリストが同封されてました。今年もいよいよこの季節がやってきました! 
去年私は第1希望は落選しました。てことは、今年は優先権があります。思い切って有力馬を狙うことにします。

やはり最初に見てしまうのは、ディープインパクトの仔たち。今年は5頭。例年よりちと少ないか?
1頭1頭見てもっとも気になったのは、シェルズレイ12。明日函館競馬場の新馬戦に出走予定のカアナパリビーチの弟です。カアナパリビーチは金子馬(金子真人ホールディングス所有の馬)。この馬以外にもこの母系は金子馬になる確率が高いようです。それを考えると、ストレートに食指が伸びます。
しかし、逆にそれが不安材料にもなります。なんでキャロットに回ってきたのでしょうか? なんらかの瑕疵があるからキャロットに回した可能性は捨てきれません。興味はありありですが、ちょっと引きますか。

ディープインパクト仔以外の馬を見ていたら、ステイゴールドの仔に興味のある馬がいました。ダイヤモンドディーバ12です。
POG本によると、ステイゴールドの仔は母父メジロマックィーンを狙えと書いてあります。もちろんキャロットにそんなに大それた馬が回ってくるはずがありません。が、その後を読んでみると、ダンチヒの血とも相性がいいと書いてあります。実はダイヤモンドディーバ12の母系にはダンチヒがいます。これは買いか?
ただ、今度はその前を読むと、こんなことも書いてありました。白老ファームの仔は買いだが、ノーザンファームの仔はイマイチ。当馬はノーザンファーム産。これもちょっと引くことにしましょうか。

POG本を持ち出したら、ディープインパクト仔が再び気になってきました。ディープインパクトの仔は母系にある種牡馬の名前が入るとめちゃくちゃ走るようです。実は募集馬5頭中2頭にその名前があります。当然その2頭にロックオンです。あとは調教師。差別的な調教師は絶対避けたいですね。
で、その種牡馬の名前ですが…、いや、ここでは伏せておくことにしましょう。

さて、来年4月に消費税が5%→8%になりそうです。古今東西消費税が上がると経済が停滞します。停滞期間はだいたい2年。しかし、今回は1年半後にさらに8%→10%にするとか。つまり、最低3年半は日本の経済が停滞することになります。
ま、まだ消費税が上げるとは確定してませんが、95%以上の確率で上がるようです。経済が停滞すれば、まずギャンブルが危なくなります。それを考えると2頭目以降は考えてしまいますね。
私は現在、4歳馬が3頭、3歳馬が3頭、2歳馬が4頭、計10頭持ってます。4歳馬のディアデラバンデラとフランベルジェは完全に不良債権となりました。現在勝ち星が見込めるのはプリュムだけ。それを考えると、ランニングコスト(飼葉代)は押さえたい気分です。
そんなわけで、今年は2頭で終了したいのですが、う~ん、気が付いたらまた4頭買ってるかも。

千可ちゃん5

2013年07月18日 | 千可ちゃん
 ついに男が城島さんのパンツが脱がし、スカートの中から引きずり降ろしました。
「へへへへ。
 ん?」
 男がふと何かを感じ、そして振り向きました。すると、ついてないはずのテレビがついてるのです。しかもそこには、長髪の女の子がどアップで映ってます。そうです、これは千可ちゃんです。でも、ウィッグの長髪が顔を覆っているので、かなり不気味な状態です。
「ひゃあ~…」
 男は腰を抜かしました。なんとテレビ画面から千可ちゃんの指が出ているのです。さらに画面から両手がぬーと出てきました。
「うわ、は…」
 男は腰を抜かしたまま、後ずさりしました。ついには千可ちゃんの前頭部が画面から抜け出てきました。かわいい千可ちゃんは睨んでもあまり怖くはないのですが、このときは長髪の隙間から目が見えてる状態。これは凄味があります。
「うぎゃあ~!!」
 ついに男は駆け出し、そのままドアを開け、部屋を出ていってしまいました。この悲鳴を聞いて城島さんははっと我に帰りました。
「な、何が起きてるの?」
「城島さん…」
 城島さんがその声のした方向を見ると、そこにはテレビから上半身まで身体を出した千可ちゃんがいました。ただし、長髪のウィッグが千可ちゃんの顔を隠してるので、悪霊の襲撃にしか見えません。
「うぎゃあ~!!」
 城島さんは泡を吹いて失神してしまいました。
「ああ、城島さん!!」
 と、千可ちゃんが目の前にある床に手をつきました。しかし、この部屋のテレビはラックの上にあります。千可ちゃんは床に手をついたつもりが、そのまま落下。顔面を真実の床にしたたかに打ちつけてしまいました。ああ、千可ちゃんの両目がなると状態、魂も抜けて行ってしまいました。が、千可ちゃんはすぐに目を開けました。
「そ、そうだ、城島さん!」
 千可ちゃんが城島さんがいるベッドに行くと、城島さんはまだ泡を吹いて失神したままです。千可ちゃんは城島さんの両肩を揺らしました。
「城島さん!」
 が、城島さんは目を開けません。千可ちゃんは足元に落ちてるナイフを拾い、城島さんの両手を縛っているロープを切りました。そしてまた、城島さんの肩を揺さぶりました。
「城島さん!、城島さん!」
 やっと城島さんは目を覚ましてくれました。が、ナイフを握った千可ちゃんを見て、また暴れ出しそうです。
「うぎゃ~!!」
 千可ちゃんは慌ててウィッグを取り、
「私ですよ!、羽月です!」
「は、羽月さん?…」
 と、城島さんの目にうるうると涙があふれてきました。そして、わ~と泣きだしました。千可ちゃんはそんな城島さんを抱き締めました。
「大丈夫です。ちゃんと貞操は守られてますよ!」
 でも、城島さんはしばらくは泣きやむことはありませんでした。

 遠くの方でサイレンが鳴ってます。パトカーと救急車のサイレンのようです。そのサイレンがどんどん近付いてきます。千可ちゃんはカーテンを開け、下界を見ました。ここは10階くらいの位置にありますが、このマンションの下の方にパトカーと救急車と消防車が集まって来てます。あたりはすでに夜です。
 城島さんはベッドに腰掛けてます。なんか、ちょっと震えてます。
「な、何が起きてんの?…」
「わかりません。私たちを助けに来たのかも」
 と、いきなり玄関の呼び鈴が鳴りました。はっとする千可ちゃん。
「だれ!?」
「私よ。開けて!」
 それは千可ちゃんのお母さんの声です。
「お母さん?」
 千可ちゃんは玄関のドアを開けました。そこには千可ちゃんのお母さんが立ってました。お母さんは千可ちゃんの頬を1発、強烈に張りました。ただ、この前みたいな勢いはなく、千可ちゃんの身体は床を転がることはありませんでした。千可ちゃんは張られた頬を押さえ、
「ご、ごめんなさい…」
 お母さんはそんな千可ちゃんを無視して、部屋の中に入りました。お母さんは城島さんの前で腰を降ろし、城島さんと視線の高さを合わせました。
「私は羽月千可の母よ。立てる?」
「はい」
 城島さんは立ちました。

 マンションの前にはたくさんのパトカーが駐まってます。中には救急車と消防車もいます。すべての回転灯が廻ってます。その脇を千可ちゃん、お母さん、城島さんが歩いてます。たくさんのヤジ馬たちの声が聞こえてきます。
「幽霊だーっ!て言って、道に飛び出したんだってさ」
 別方向からおばちゃんの声。
「トラックに轢かれて、五体ともバラバラになってたんだよ。私、今夜、寝れないかも…」
 どうやらあの男は、トラックに轢かれて死んだようです。
 マンションからちょっと離れた100円駐車場に駐めてあるクルマに3人が乗り込みました。これは羽月家のクルマです。喧噪の中、クルマが出発しました。
 クルマは城島さんの家の前で城島さんを降ろしました。城島さんとお母さんとの打ち合わせで、城島さんはこの時間まで千可ちゃんの家にいたことになりました。なお、城島さんが乗ってたときも、降りたあとも、千可ちゃんとお母さんの会話はありませんでした。

 次の次の日、月曜日、城島さんはいつもと変わりなく登校してきました。千可ちゃんはそれを見て笑顔になり、話しかけてきました。
「城島さん、大丈夫ですか?」
「ふふ、大丈夫、大丈夫。あんなもん、一晩寝ちゃえば、すぐに忘れちゃうよ」
 城島さんは大丈夫なようです。
「羽月さんはなんともなかったの?」
 千可ちゃんは頭をかきながら、
「それが…、部長さんからもらったウィッグを忘れちゃって…」
「あ~、それは部長には内緒ね」
「はい」
 どうやってあの部屋に入ったの?、なんでテレビから這い出てきたの?、なんて質問がくると思い千可ちゃんはいろんないい言い訳を考えてましたが、その必要はなかったようです。

13/07/15付我がPOGの順位

2013年07月17日 | POG13-14
文中、◎は馬三郎の指名馬、△はnetkeibaの指名馬、▼はJRA-VANの指名馬、▽はniftyの指名馬です。

先週我が指名馬は、▼ハープスターがデビュー。見事1着になってくれました。

今週は◎△▼カアナパリビーチがデビュー予定。今期馬三郎初の出走馬です。期待のキャロット馬、▽ステファノスもデビュー予定。▼ファイヤーロックは未勝利戦を予定してます。

現在の我がPOGの順位です。

馬三郎(5頭指名可)
①牝カアナパリビーチ 父ディープインパクト 母シェルズレイ 栗東松田国厩舎 金子真人HD

netkeiba(10頭指名可)290P/9338位
①牝レヴアップスピン 父ディープインパクト 母オリジナルスピンⅡ 美浦国枝厩舎 GI
290P
②牝カアナパリビーチ 父ディープインパクト 母シェルズレイ 栗東松田国厩舎 金子真人HD

JRA-VAN(10頭指名可)8,900,000P/5166位
①牡ウインマーレライ 父マツリダゴッホ 母コスモチェーロ 美浦高木厩舎 ウイン
7,800,000P
②牝カアナパリビーチ 父ディープインパクト 母シェルズレイ 栗東松田国厩舎 金子真人HD
③牡ゲットアテープ 父ディープインパクト 母オイスターチケット 栗東安田厩舎 金子真人HD
④牡ファイヤーロック 父キングカメハメハ 母ディアマンブルー 栗東村山厩舎 金子真人HD
1,100,000P
⑤牝ブルーロータス 父父ディープインパクト 母ピンクカメオ 美浦国枝厩舎 金子真人HD
⑥牡ベルキャニオン 父ディープインパクト 母クロウキャニオン 美浦堀厩舎 金子真人HD

nifty(10頭指名可)3,710P/219位
①牡アウストル 父Monsun 母アディクティド 美浦堀厩舎 キャロット
②牝アンゴスチュラ 父ダイワメジャー 母マンハッタン 栗東安田厩舎 キャロット
③牝プライマリーコード 父クロフネ 母インディスユニゾン 栗東佐々木厩舎 キャロット
④牡ステファノス 父ディープインパクト 母ココシュニック 栗東藤原英厩舎 キャロット
⑤牡エーデルグランツ 父ディープインパクト 母フォーシンズ 栗東須貝厩舎 キャロット
⑥牡ディアデルレイ 父キングカメハメハ 母ディアデラノビア 美浦牧厩舎 キャロット
⑦牝ロザリンド 父シンボリクリスエス 母シーザリオ 栗東角居厩舎 キャロット
⑧牡トゥザワールド 父キングカメハメハ 母トゥザヴィクトリー 栗東池江泰厩舎 キャロット
⑨牝ハープスター 父ディープインパクト 母ヒストリックスター 栗東松田博厩舎 キャロット
710P
⑩牝キュリオスティー 父ディープインパクト 母キュー 美浦戸田厩舎 キャロット

千可ちゃん4

2013年07月16日 | 千可ちゃん
 2台のタクシーが豪邸の前に停まりました。ここは浜崎さんの家のようです。なんとも立派な家です。千可ちゃんはその豪邸を見て、思わずぽか~んと口を開けてしまいました。
 しかし、浜崎さんはすごい人です。身長は170cmはあるし、美人だし、ウエストは細いけど胸は立派だし、家は大金持ちだし。髪の毛以外は完璧女性です。
 オカルト研究部の5人が豪邸の中にある部屋に入りました。ここは浜崎さんの部屋のようですが、10畳はありそうな広い部屋です。千可ちゃんはまたもやぽか~んとしてます。しかし、福永さん・蓑田さん・城島さんはそんなことには興味がないようです。さっそく部屋の隅にあるテレビにビデオカメラをつなぎました。60インチくらいはありそうな巨大なテレビです。この巨大な画面で幽霊を探すようです。再生開始。
「こ、これ、霊じゃない?」
「ただの染みよ~」
「あ、これは?」
 と、3人は忙しいようです。
 一方浜崎さんは、千可ちゃんにたくさんのウィッグを見せてます。
「これはどうかなあ」
 浜崎さんはウィッグを順番に千可ちゃんに被せてます。そのたびに千可ちゃんは目をらんらんと輝かせてます。しかし、これでは千可ちゃんは着せ替え人形です。ま、千可ちゃんが喜んでるから、いいじゃないですか。
 浜崎さんが一通り千可ちゃんの頭にウィッグを被せたようです。
「どう、羽月さん、どのウィッグがよかった?」
「ええ。え~と…」
 千可ちゃんは黒髪で艶のあるストレートの超ロングヘアのウィッグを選びました。
「これがいいです」
「えっ? それでいいの」
「はい!」
 浜崎さんは個人的にはカールした髪が好きなので、これは意外に感じたようです。浜崎さんは千可ちゃんが選んだストレートのウィッグを千可ちゃんに被せました。
「う~ん、こんなものかな?」
 長身の浜崎さんがこのウィッグを被ると肩甲骨あたりで髪が止まりますが、ミニミニな千可ちゃんが被るとお尻くらいまで伸びてしまいます。でも、ロングヘアに憧れていた千可ちゃんには、夢のアイテムになったようです。

「会長、幽霊いないみたいです」
 この福永さんの発言で浜崎さんの目がようやくテレビの方に向きました。
「もう、私、部長になったんだってば!」
 浜崎さんもテレビの前に座りました。で、早回し、コマ送りと、ビデオカメラを操作しました。
「あ~、やっぱりいないのかなぁ~」
 ここで千可ちゃんが城島さんの横に座りました。いきなり長髪になった千可ちゃんに気付いて、城島さんがびっくりしてます。
 浜崎さん・福永さん・蓑田さんの会話が続いてます。まず、福永さんの発言。
「私この前行ったとき、何かを感じたんだけど、今日は何も感じなかった。やっぱ夜じゃないとダメなのかな…」
 浜崎さんはビデオカメラを床に置きました。
「そんなことはないと思うけど…。もしかしたら、誰かに追っぱられたのかも…」
 ここで突然城島さんが大声で発言しました。
「わかった、羽月さんだ!、羽月さんが追っ払ったんだ!」
「ええ~」
 千可ちゃんはびっくりです。除霊したときと同じ、見事な的中だったからです。しかし、福永さんと蓑田さんは呆れてます。
「城島さん、それはいくらなんでもムリよ!」
 これに千可ちゃん自身が追い打ちをかけました。
「そうですよ。私、あの廃ホテルに行ったのは、今日が初めてなんですよ!」
 と、ちょっと城島さんは反省してるようです。
「そ、そっか…」
 しかし、城島さんも意外と負けん気が強いようです。
「で、でも、羽月さんには霊能力が!」
「だから~、私には霊能力はありませんって!」
「ま、このへんにしておきましょっか」
 と、浜崎さんがうまくこの場をまとめました。しかし、城島さんは内心、まだ納得がいってないようです。
 このままオカルト研究部の会合はお開きとなり、みんなが部屋を離れました。福永さんと蓑田さんと城島さんは、なんとここまで自転車で来てたようです。この3人はそのまま自転車で帰路につきました。千可ちゃんは浜崎さんがタクシーを呼んでくれると言いましたが、遠慮し、バスを乗り継いで帰ることにしました。
 最後に、浜崎さんは千可ちゃんに紙袋を手渡しました。この中にはあのウィッグが入ってます。
「ありがとうございます!」
 と、千可ちゃんは輝いた目でそうあいさつしました。
「いえいえ」
 こうして千可ちゃんも帰路につきました。

 しかし、です。実は帰路につかなかった人が1人いました。城島さんです。城島さんはどうもビデオに悪霊が映ってなかったことに合点がいってないようです。で、あの廃ホテルに自転車を走らせてます。でも、心霊スポットには1人でいかない方がいい場合もあります。待ち受けてるのは幽霊だけとは限りませんからね。
 陽がかなり傾きかけたころ、城島さんが廃ホテルに到着しました。さっそく仮囲いの隙間から侵入。やはり人気はありません。城島さんは玄関の壊れた自動ドアから中に入りました。
 廃ホテルの廊下、ケイタイの動画機能を使いながら歩く城島さんの姿があります。で、撮影が終わると、さっそく再生。それを凝視する城島さん。
「いない…」
 やはり何も映ってないようです。と、その城島さんの背後に人影が?。その人影がいきなり右手を伸ばし、城島さんの口に。城島さんは一瞬抵抗しようとしましたが、すぐに気を失ってしまいました。この右手の持ち主は20歳くらいの男です。右手には何か液体を染み込ませたハンカチを持ってます。何かすごく嫌な予感がします。

「ただいま~」
 千可ちゃんが自宅に帰ってきました。千可ちゃんは急いで自分の部屋に入ると、さっそく紙袋の中からウィッグを取り出しました。艶やかでロングな黒髪のウィッグ。もう千可ちゃんの目は輝いてます。
「憧れのロングヘア…、オカルト研究部に入ってよかった…」
 さっそく千可ちゃんは、そのウィッグを頭に装着しました。そして姿見の前に。右を向いてポーズ。左を向いてポーズ。正面を向いてポーズ。千可ちゃんはとっても上機嫌です。
 しかし、どうもどこか変です。そう、ちょっとずれてるのです。千可ちゃんは一度ウィッグを外し、もう一度装着。でも、まだずれてます。で、もう1回外して、また装着。が、今度はひどく不格好になってしまいました。髪の毛が千可ちゃんの顔に被ってます。
「う~ん…」
 千可ちゃんはちょっと困ってしまいました。浜崎さんにもっとウィッグの付け方を教えてもらえばよかったなあと後悔してます。その瞬間、千可ちゃんの身体に嫌な衝撃が走りました。
「な、なに、この嫌な感覚?」
 千可ちゃんはその嫌な衝撃の正体を知ろうと、ふーっと目を瞑りました。リモートビューイングです。

 ここはちょっと高級なマンションの部屋のようです。ベッドの上に城島さんが寝かされてます。しかし、口はタオルのようなものでふさがれ、両手両足はそれぞれロープでベッドの端に結ばれてます。つまり、大の字状態。城島さんはなんとか逃げようと身をよじってますが、まったく動けません。
 ドアが開き、男が1人入って来ました。廃ホテルで城島さんを拉致った男です。男の手にはナイフがあります。男はそのナイフを城島さんに見せつけました。
「へへへ」
 城島さんは恐怖で顔がひきつってます。
「う…、ううぅ…」
「さあて、いただくとしますか」
 と、男は城島さんのスカートの中に手を入れました。抵抗しようと激しく身体を捻る城島さん。と、口を覆っていたタオルが外れました。
「や、やめてーっ!!」
「うるせーっ!!」
 男は城島さんの顔面を激しく殴りました。これで城島さんは抵抗をやめてしまいました。覚悟を決めてしまったようです
「へへ」
 男は城島さんの両足を縛るロープを2本、ナイフで切りました。
 千可ちゃんはこの光景をリモートビューイングで見てます。
「き、城島さん…。な、なんとかしないと…」
 と言っても、今千可ちゃんにできる手は何もありません。千可ちゃんは両手を合わせ、祈りました。
「神様、お願い、城島さんを助けて!」
 と、千可ちゃんの部屋のテレビがふいにつきました。そこには今城島さんをレイプしようとしている男の姿が映ってます。
「城島さん!?」
 千可ちゃんは反射的に城島さんを助けようと、その画面に触れました。すると指先が画面の中に入ったのです。その瞬間まるで池の中に手を突っ込んだような波紋が画面に広がりました。千可ちゃんは一瞬はっとしましたが、今はためらってる隙はありません。このままテレビの中に突入することにしました。

千可ちゃん3

2013年07月15日 | 千可ちゃん
 翌日は土曜日、千可ちゃんが通う高校はお休みです。千可ちゃんが約束の時間最寄りの駅前に行くと、オカルト研究会の4人がすでに揃ってました。
「み、みなさん、早いですねぇ」
「みんな、こーゆーこと好きだからねぇ」
 と、浜崎会長。
「あ、そうだ」
 と、千可ちゃんが入部届けの用紙を取り出しました。もちろん、千可ちゃんの署名入りです。
「会長さん、これ?」
「えっ?」
「入部届け?」
 オカルト研究会の4人はびっくりです。
「よろしくお願いします」
「あ、ありがとう」
 浜崎さんはその用紙を受け取りました。それを見てた蓑田さんは、
「こ、これでまた部に戻れる…」
 その発言に千可ちゃんはびっくり。
「ええっ?」
「あは、本当のこと言うとね、オカルト研究会はもともと部だったの。でも、4人になって部の最低人員を満たさなくなったから、仕方なく会として活動してたのよ」
 ここまでは浜崎さんの発言。ここからは福永さんの発言。
「会だと学校から活動費が出ないから、部になるとほんと助かるだ」
「あは、そうだったんだ」
 千可ちゃんはちょっと苦笑いです。
 パスが来ました。出発です。

 バスの中、オカルト研究会改めオカルト研究部は、後ろの方に陣取りました。千可ちゃんの後ろに座った浜崎さんは、なんか千可ちゃんの頭髪が気になってます。
「あなた、なんでこんなに髪の毛、短くしてるの?」
「あは、すごいくせっ毛なもので、あまり伸ばせないんですよ」
「へ~、私と一緒だ」
 と、浜崎さんは両手を後頭部に回しました。すると、なんと、美しくカールしたロングヘアが取れてしまったのです。実は浜崎さんは千可ちゃん同様ショートヘアで、ウィッグを使ってました。千可ちゃんは関心しきりです。
「ふぁ~」
「どう、羽月さんも使って見る?」
「い、いいんですか?」
「いいわよ、入部してくれたお礼に、1つ上げるよ」
「あ、ありがとうございます」
 千可ちゃんの目がキラキラ輝いてます。実は千可ちゃんは、ロングヘアに憧れてたのです。もし自分がロングヘアだったら、男の子にモテモテになれると信じてます。ま、もともとちっちゃいんだから、ロングヘアにしてもあまり意味がないと思いますが。

 オカルト研究部の5人がバス停でバスから降りました。そこはちょっとした商店街。千可ちゃんがリモートビューイングで見た場所です。が、リモートビューイングで見た光景は夜でした。と、千可ちゃんは思わず口にしてしまいました。
「今日は昼間なんですね。この前は夜だったのに」
 その一言に蓑田さんが反応しました。
「あれ、なんで夜行ったこと、知ってるの?」
 福永さんも浜崎さんも城島さんも気になってます。千可ちゃんは心の中でやばいと思いつつ、ここはごまかすことに。
「この前話したじゃないですか。夜行ったって」
 浜崎さんはさらに疑問が増したようです。
「誰が夜行ったって言ったの?」
「城島さん」
「え、私?」
 突然の指名に城島さんはびっくり。
「ほら、2日前、城島さんの家で」
 城島さんは千可ちゃんに介抱されてるシーンを思い浮かべました。
「あの時かなあ…」
「あの時ですよ」
 城島さんはまだ疑問に思ってますが、他の4人は納得したようです。でも、城島さんはあのとき「廃ホテルに行った」とは言いましたが、「夜廃ホテルに行った」なんてことは一言も言ってませんよね。

 小さい商店街を過ぎると、5人は右に曲がりました。そこから約1km。ようやく廃ホテルが見えてきました。昼間見ても何か出てきそうな廃ホテルです。
「どう、羽月さん、何か見える?」
 城島さんが千可ちゃんに問いかけてきました。
「だから、私は霊能力者じゃありませんって!」
 城島さんは心底千可ちゃんが霊能力者だと思ってます。が、ここだけの話、他の3人はかなり懐疑的なようです。
 蓑田さんがビデオカメラを取り出しました。
「よーし、今日こそは絶対幽霊を録るぞーっ!」
「ビデオカメラですか?」
 この千可ちゃんの質問に、今度は福永さんが答えました。
「この前ずーっと撮影してたんだけど、なぜか初めの部分しか映ってなかったんだ。ちゃんと録画したはずなのに」
 千可ちゃんはここでピーンとひらめきました。
「今日は私が録りましょう!」
「えっ?」
「こーゆーときは、新人が録るものですよ」
 と、千可ちゃんは蓑田さんからビデオカメラを受け取りました。そして録画方法を蓑田さんから手短に教えてもらいました。
 実はこれは、千可ちゃんの作戦です。昨日千可ちゃんが追っ払った悪霊が戻ってきているかもしれません。千可ちゃんの襲撃を隠れて交わした悪霊がいる可能性もあります。そんなのがビデオカメラに映るとまずいので、幽霊が見える千可ちゃんが悪霊を避けて撮影する気なのです。
 でも、千可ちゃんが見たところ、廃ホテルに悪霊の気配はありませんでした。5人で廃ホテルの中をくまなく歩きましたが、やはり千可ちゃんの目には、ザコ以外の悪霊は映りません。もちろん、千可ちゃんがリモートビューで見た浜崎さんの暴走はありませんでした。
 5人が廃ホテルの玄関前に戻ってきました。
「どう、何か映ってる?」
 と、福永さんが千可ちゃんが持っていたビデオカメラを受け取りました。さっそくビデオカメラに内蔵されてるミニ液晶画面で再生。それを福永さん、浜崎さん、蓑田さん、城島さんが見てます。
「今回はちゃんと録画されてる」
 この発言は福永さん。蓑田さんがそれに答えました。
「きっと何か映ってるはず。大画面のテレビで見れば…」
 ここからがすごかった。バスで来たんだからバスで帰るものと思ってたら、なんと浜崎さんがスマホでタクシーを呼んだのです。しかも2台。前の1台は福永さんと蓑田さんと城島さんが乗り、後の1台は浜崎さんと千可ちゃんが乗りました。
 車中、福永さんたちはずーっと幽霊のことを話してました。が、浜崎さんと千可ちゃんは、なぜかウィッグの話をしてました。浜崎さんと千可ちゃんは話が弾んでるようです。

千可ちゃん2

2013年07月14日 | 千可ちゃん
 お母さんに頬を張られたことがショックだったのか、千可ちゃんは夕食の時間、ダイニングに来ることはありませんでした。翌朝はダイニングにきましたが、何も食べませんでした。ふつーのお母さんだったらこんな娘の姿を見たら少しは反省するのでしょうが、このお母さんには反省する様子はまったくないようです。
 学校に行っても千可ちゃんの表情は暗いままです。でも、昼休みに意外なものが訪れました。
「あなたが羽月さんね」
 と、学食に向かおうとした千可ちゃんの前に、4人の女の子が立ちました。その中には、昨日の城島さんもいます。
「あなた、すごい霊能力持ってるんですって?」
 リーダー格と思われる女の子がそう語りかけてきました。巻き毛がとてもきれいな長身の美人さんです。
「あ、あなたは?」
「オカルト研究会会長、浜崎優実」
 今度は浜崎さんの右隣にいた女の子が話かけてきました。
「ねぇ、私たちの部に入って欲しいの」
 追い打ちをかけるように、浜崎さんの左隣にいた女の子も話かけてきました。
「あなたみたいな霊能力者がいたら、百人力よ!」
「わ、私に霊能力なんかありませんよ!」
 ちなみに、右隣にいた人は福永さん、左隣にいた人は蓑田さん。福永さんも蓑田さんも上背があるので、千可ちゃんはなんか子供みたいです。城島さんは千可ちゃんより上背がありますが、この3人の中に入るとやっぱり小さくみえます。
 今度は城島さんが語りかけてきました。
「ねぇ、羽月さん、お願い。オカルト研究会に入って」
「で、でも…」
 千可ちゃんは部活動に関してはお母さんに制限を設けられてません。でも、オカルト研究会となったら、きっとお母さんは怒るはずです。お母さんの張り手は強烈です。
 しかし、千可ちゃんは昨日のことでちょっとグレてます。それに、ここで友達を作りたい気分もあります。
 迷ってる千可ちゃんを後押しするように、城島さんが言いました。
「私たち、明日またあの廃ホテルに行くの。羽月さんも一緒に来て欲しいんだ」
 なんと城島さんはせっかく千可ちゃんに除霊してもらったというのに、また廃ホテルに行くようです。そのとき、千可ちゃんの脳裏にあるビジョンが突如浮かびました。それは狂乱状態に陥った浜崎さんが、城島さんや福永さんや蓑田さんを鉄パイプのようなもので襲うというものです。背後の光景からしてそこは廃ホテルのようです。
「どうしたの、羽月さん」
 ちょっとぼ~としてる千可ちゃんに、浜崎さんが声をかけてきました。千可ちゃんは微笑みを見せることでそれを交わそうとしましたが、ちょっとぎこちのない微笑みです。
「い、いえ、なんでもないですよ」
 福永さんが1枚の紙を取り出しました。
「入部届け、もう用意してあるんだよ。羽月さんがここに名前を書いてくれたら、入部完了だよ」
 ずいぶん気の早い人たちです。
「そ、それはちょっと」
 千可ちゃんはさすがにこれには気分を害してしまったようです。が、逆に今度はオカルト研究会の4人がしょぼ~んとしてしまいました。その空気を読んだ千可ちゃんが、
「で、でも、その廃ホテルには一緒に行きましょう!」
 千可ちゃんのその宣言に、オカルト研究会の4人は安堵しました。
「ありがとう。じゃあ、明日、朝9時に駅前にきて。約束ね!」
 そういうと、4人は立ち去りました。しかし、あのビジョンはいったいなんだったのでしょうか? 

「ただいま~」
 千可ちゃんが我が家に帰ってきました。お母さんはまたテレビを見ています。でも、今日は千可ちゃんの顔を見ました。
「千可、おかえり」
 怒ってないときのお母さんはとても素晴らしいお母さんです。でも、千可ちゃんには昨日のトラウマがあるので、何も会話しないまま、そそくさと自分の部屋に行ってしまいました。
 千可ちゃんは自分の部屋に入ると、そのままベッドにごろんとなりました。千可ちゃんが今気になってることは、さっきのビジョン。千可ちゃんは午後の授業中も、帰り道も、ずーっとそのビジョンのことを考えてました。
 そのビジョンは明日廃ホテルの中で起きる出来事を暗示してるようです。じゃあ、なんで浜崎さんは暴れる? もっとも考えられるのは、浜崎さんに悪霊が取り憑いて、我を忘れてしまったケース。だとすると、先回りして廃ホテルに巣食ってる悪霊どもを退散させてしまえば問題は起きないはず。が、廃ホテルの場所は、千可ちゃんは知りません。しかし、千可ちゃんにはふつーの人では考えられない能力があります。千可ちゃんはふーっと目を瞑りました。

 リモートビューイング。オカルト研究会の4人がまとまって歩いてます。夜なのか、あたりは暗いようです。4人が歩いてる場所は、千可ちゃんの知ってる場所、隣の町です。千可ちゃんはどうやら、数日前のオカルト研究会の足取りを思い浮かべてるようです。
 4人が突如草ぼうぼうの場所で立ち止まりました。そこには仮囲いがあり、その向こう側に廃ホテルらしき建物が見えます。
 千可ちゃんはここでイメージを止めました。
 問題はここから。千可ちゃんが一定以上の超能力を使うと、間違いなくお母さんにバレます。バレたらまた強烈な張り手です。悪霊を追っ払うという行為は、かなり超能力を使うはずです。
 どうすればバレないのでしょうか? 超能力を使っても半日くらい経っていたらバレない? いっそうのこと、正直にお母さんに話す? いい解決法がなかなか見つかりません。ともかく千可ちゃんは、夜ご飯を食べたら廃ホテルに行くことにしました。

 夕ご飯はふつーでした。ちなみに千可ちゃんのお父さんは出張が多く、この日も千可ちゃんとお母さんだけで食事でした。千可ちゃんは食べ終わると、自分の食器を流し台に持っていきました。
「ごちそうさま」
 千可ちゃんは横目でお母さんを見ると、こう言いました。
「お母さん、ちょっと買いたいものがあるから、本屋に行ってくるね」
 が、お母さんは座ったまま、いつもとは違う声色を発しました。
「千可」
 千可ちゃんはその一言でドキッとしました。どうやら千可ちゃんの企みは、とっくにお母さんにバレてるようです。千可ちゃんはちょっとおびえてます。
「友達同士が殺し合いしたら困るわね。いいよ、行っておいで」
 思わぬお母さんの発言です。千可ちゃんの顔が急に明るくなりました。そしてお母さんに振りかえって、
「ありがとう、お母さん!」
 千可ちゃんは自転車に乗って、隣町の廃ホテルに向かって走り出しました。

 自転車で廃ホテルに向かう途中の千可ちゃんはとっても上気分です。お母さん公認でオカルト研究会を救うことができるからです。おまけに、お母さんはオカルト研究会のメンバーを友達と言ってくれました。つまり、オカルト研究会に入ってもいいと言ってくれたのです。お母さんのことが気になってなかなか友達を作れなかった千可ちゃんですが、やっとふつーの高校生活を送れるようです。
 しかしです。相手は悪霊です。しかも、悪霊は1人とは限りません。たとえ千可ちゃんの霊能力レベルが最高だからと言っても、悪霊に勝てるのでしょうか? いやいや、千可ちゃんの能力をみくびっちゃあ、いけませんよ~

 月のない夜です。近くに街灯が1つありますが、あたりは真っ暗です。そんな廃ホテルの前に千可ちゃんの自転車が到着しました。千可ちゃんが自転車のスタンドを立ててると、さっそく中レベルの複数の悪霊が寄ってきました。しかし、千可ちゃんが振り向きざまかわいいガンを飛ばすと、悪霊たちはびびってしまい、次の瞬間霧散してしまいました。
 千可ちゃんが仮囲いの隙間から中に入ると、廃ホテルの玄関の前で案の定悪霊たちが待ち構えてました。かなりハイレベルな悪霊たちです。7人は見えます。中には昨日城島さんに取り憑いていた女の悪霊もいます。何かものすごく曰くありげな廃ホテルです。
 あまりにもハイレベルな悪霊軍団なのに、千可ちゃんはなぜかニヤッと笑いました。これは余裕か? 次の瞬間、悪霊軍団は一斉に千可ちゃんに襲いかかりました。危ない、千可ちゃん! が…
 千可ちゃんがはぁーっ!!と気合の一言を叫ぶと、悪霊たちはあっという間に霧散してしまいました。わずか1分足らずの攻防。恐るべき、千可ちゃん!
 それから千可ちゃんは廃ホテルの中を巡って、まだ残ってる悪霊たちを追い払いました。まあ、すべての悪霊を追い払うことは不可能でしたが、残ってる悪霊はみんなザコです。浜崎さんに乗り移る悪霊はいないはずです。
 千可ちゃんは満足した表情で、自転車に乗って帰りました。

千可ちゃん1

2013年07月13日 | 千可ちゃん
 ここに1人の女の子がいます。羽月千可。高校1年生。と言っても、身長は140cmくらいしかありません。おまけに髪がベリーショートだから、後ろ姿は小6の男の子にしか見えません。ただ、胸は標準以上に大きいので、はっきり女の子と認識できます。
 顔はとても美人とは言えません。ただ、ちょっとかわいいようです。いや、人によってはかなりかわいく見えるようです。ここだけの話、私はとってもかわいく見えます。
 実は千可ちゃんにはちょっと…、いや、ものすごい能力があります。誰もが驚くその能力。それは… いやいや、それはのちほどお話することとしましょう。

 9月1日、夏休みが終わって最初の登校日。千可ちゃんも当然登校しました。この日はホームルームだけ。ホームルームが終わるとみんな下校の用意です。千可ちゃんも下校しようと立ち上がりました。が、その瞬間突然先生に声をかけられました。
「あ~、羽月、おまえ、城島の家知ってるだろ?」
「ええ、知ってますよ」
 先生は1枚の紙を千可ちゃんに手渡しました。
「これ、届けてくれないか?」
 それは今日クラスのみんなに配られた連絡表です。実は今日城島さんは学校をお休みしました。高校生は夏休みになると道を踏み外してしまうことがよくあります。先生はそれがちょっと気になってるようです。それで千可ちゃんを使うようです。ま、当の千可ちゃんはそこまでは気付いてないようですが。

 ピンポ~ン。千可ちゃんが城島さんの家の呼び鈴を鳴らしました。住宅街にあるふつーの一軒家です。
 ピンポ~ン。もう1回千可ちゃんが呼び鈴を鳴らしました。でも、な~んの応答もありません。
「いないのかなあ~」
 千可ちゃんが諦めて帰ろうとしましたが、突然呼び鈴についてるマイクロホンから声が響きました。
「誰ですか?」
 どうやら城島さんのようです。ただ、なんかものすごく頼りない声です。
「羽月です。あの~ 先生から連絡表を預かってきたんだけど」
 千可ちゃんが返答すると、また沈黙。千可ちゃんがちょっと心細くなると、ようやく玄関のドアが開きました。そのドアを開けたのは、当の城島さんです。城島さんはパジャマ姿、なんか顔面蒼白の悲惨な状況です。どうやらかなりひどい風邪を引いてるようです。
「ご、ごめんなさい、先日風邪を引いたんだけど、なかなか治らなくって…」
 と、城島さんは突然激しく咳き込みました。
「だ、大丈夫ですか?」
 しかし、城島さんの咳はかなりひどく、ついには立ってはいられなくなり、ヘタレ込んでしまいました。そのとき千可ちゃんは発見してしまいました。城島さんの髪の毛の中に目だけを出した不気味な女がいるのです。
「悪霊…」
 千可ちゃんは心の中でそうつぶやきました。そう、こいつは悪霊です。城島さんは悪霊に取り憑かれてたのです。それを見た千可ちゃんは、反射的にこの悪霊を取り除くことを決意しました。
「しっかりして!」
 千可ちゃんは城島さんを介抱するふりをして、城島さんの髪の毛の中にいる悪霊の頭を右手でむんずと掴みました。そのままぐーんと右手を上げると、悪霊の全身が姿を現しました。髪の毛の隙間から見えていた悪霊のサイズは小さな人形くらいでしたが、こうして見ると、160cmくらいはありそうです。
 千可ちゃんはその悪霊を睨み… と言っても、千可ちゃんはかわいいのであまり怖くはないのですが。ともかく千可ちゃん流に悪霊を睨むと、心の中で「あっち行け!」と叫び、悪霊を玄関わきの壁にぶつけました。が、悪霊はそのまま壁を通り抜けるように消えてしまいました。
「せ、咳が止まった?」
 城島さんの咳が止まったようです。
「あれ? 頭がずーっと重たかったのに、急に軽くなった?…」
「あはっ、よかったですね」
 と、城島さんは突如千可ちゃんの両手を掴みました。
「あなたが私に取り憑いた悪霊を追い払ってくれたのね!」
「ええっ?!」
 まさにその通りなのですが、千可ちゃんにしてみれば、絶対気付かれないようにやったつもりだったので、これは意外です。
「私、この前幽霊が出ることで有名な廃ホテルに行ったんだけど、それからずーっと体調が悪かったから、きっと廃ホテルで悪霊に取り憑かれたんだと思う。お払いしてもらうつもりだったんだけど、あなたのおかげで助かったわ。
 そうだ、あなた、部活は?」
「え、え~と、帰宅部ですけど…」
「じゃあ、オカルト研究会に入ってよ!」
「ええっ、オカルト研究会ですか?」
 千可ちゃんは大いに困りました。実は千可ちゃんにはいろいろと制約があるのです。

「ただいま~」
 千可ちゃんが自分の家に帰ってきました。こちらの家も住宅街にあるふつーの一軒家です。
 千可ちゃんが居間に入ると、千可ちゃんのお母さんがテレビを見てました。お母さんは千可ちゃんの帰宅にはあまり興味がないらしく、テレビを見たまま「あ~、おかえり」と言うだけでした。カウチに半分寝そべってる、ちょっとだらしのないお母さんです。が、ふと何かに気付いたらしく、千可ちゃんに振り向きました。
「千可!!」
 お母さんは突然大きな声を出しました。びくっとする千可ちゃん。お母さんは千可ちゃんのところに行くと、千可ちゃんの頬を思いっきりひっぱだきました。次の瞬間、千可ちゃんの小さな身体が無残に床に転げました。
「あなた、力を使ったわね!」
 千可ちゃんは張られた頬を押さえながら、上半身だけ起こしました。
「ご、ごめんなさい…」
「いったいどうして? あれほど使うなと言ってたのに!」
 千可ちゃんは何も返答できません。
「あなたのお婆さんはね、たくさんの人の前で力を使って、世間から白い目で見られて自殺した。あなたも自殺するつもりなの?」
「そ、そんなことないよ…。今日クラスメイトに悪霊が取り憑いてたから、取り除いただけだよ」
 千可ちゃんは声にならないほどの声で返答しました。お母さんははーっとため息をつきました。
「わかった。もう2度としないで。あなたの友達が悪霊に殺されても、あなたにはな~んの関係もない。これからはそう思うこと!」
 千可ちゃんはうんとうなずきました。そしてとぼとぼと奥の部屋に消えて行きました。

 お母さんはなんで千可ちゃんにつらく当たったのでしょうか?。実はちゃんとした理由があります。
 お母さんのお母さん、千可ちゃんからしてみればお婆ちゃんに当たる女性は、かなりの霊能力者であり、超能力者でもありました。お婆ちゃんが30歳になった頃、お婆ちゃんの評判をどこからか聞いたテレビ局が、お婆ちゃんを無理やり生放送に引っ張り出したことがありました。しかし、舞い上がってしまったお婆ちゃんは、カメラの前で何もできませんでした。
 お母さんは当時小学校に通ってましたが、翌日小学校ではお母さんは笑い物です。お母さんは我慢できずに、最も笑っていたガキ大将に喰ってかかりました。しかし、逆に袋叩きにされてしまい、重傷。責任を感じたお婆ちゃんは自殺してしまいした。
 実はお母さんもかなりの霊能力者であり、超能力者でもあります。でも、お婆ちゃんの自殺を見ているので、めったに力を発揮することはありません。
 お母さんが今一番気になってることは、千可ちゃん。実は千可ちゃんは、お母さんやお婆ちゃんをはるかに凌駕する超能力者なのです。お母さんは千可ちゃんの超能力がバレることをとても恐れています。だから力を発揮するなと、日頃からいい聞かせてるのです。

※城島は「きじま」と読んでください。

千可ちゃん、序章

2013年07月12日 | 千可ちゃん
え~、久しぶりに小説書きました。タイトルは「千可ちゃん」。千可て名前の高1の女の子の物語です。

話の内容ですが、オカルトです。と言っても、そんなに怖くはありません。明るく書いたつもりです。コンセプトは、「もし貞○が明るい女の子だったら?」
主人公の千可ちゃんは、低身長で超ショートヘアで、おまけにド貧乳。ただ、書いてるうちに琴浦さんを思い出してしまったので、とりあえず胸は豊かにしておきました。でも、千可ちゃんの能力は琴浦さんをはるかに超えてます。

実はこの小説、まだ書きかけです。だから定刻に上げることはできないので、気が向いたら上げることとします。とりあえず第1話は、明日上げることにします。

13JDDの写真

2013年07月11日 | 競馬写真
昨日は大井競馬場に行ってきました。昨日の大井競馬のメインレースは、G1(Jpn1)ジャパンダートダービーでした。

 

 

勝った馬はクリソライト。キャロット馬です。去年はキャロット馬ゴルトブリッツが帝王賞を制覇しましたが、今年はJDDをキャロット馬が制覇しました。
しかし、1着賞金4500万円とは… 私が初めてJDDを見たとき、1着賞金は6100万円だった記憶があります。ずいぶん減らされましたねぇ。JRAだとG2並みの賞金ですよ。JDDもG2(Jpn2)降格でいいんじゃないですか?

話は変わりますが、我が一口愛馬ディアデラマドレが栗東角居厩舎に戻ってきました。血統的に5勝は容易い馬。しかし、我がジンクス、初勝利を挙げた直後、骨折・屈腱炎・病気・厩舎の都合等で長期休養に入った馬は、その後惨敗を繰り返す、このジンクスによって、ディアデラマドレの2勝目はないような気もあります。さて、どうなりますか?