10号1989年2月発行
●目 次
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看板娘・カラムコラム………1
フォトメッセージ……………2
タイムスリップ〔橋〕………3
つれづれインタビュー………4
写真特集・成人式……………6
マン&ウーマン・トピックス 10
ヒストリー・トリップ………12
スターウオッチング…………16
街角の肖像・芝居三昧………17
サークル紹介・海外旅行入門18
ブックス・テン絵本の紹介…19
インホメーション……………20
アウトドアースポーツ………22
結婚しました…………………24
ぐるめーる・オープン情報…25
協賛店マップ…………………26
僕の好きなMONO…………28
美容と健康・ストレッチング29
センチュリーラン・コーヒー30
こなら通信・購読者名簿……32
本文抜粋記事
●カラム・コラム
東京の某デパートがピカソとルノアールの絵をセットにした福袋を五億円で売り出したそうだ。実際の値は八億円で三億円はオマケだと言う。この値段は我々には関係のない金額だが、つまりは客寄せのイベントだから、本当にスゴイのは実は金額なのではない。売り方がモノスゴイのだ。当方は美術史に暗いからピカソとルノアールの組合わせがどうなのか、当の作品がどうなのか知らない。しかしこの二作を福袋にしてしまうという発想はモノスゴイ。古来売買する品にはその物に応じた売り方買い様というものがある。件のデパートはそんな事にトンチャクしない。
近年欧米での日本人の名画買い漁りがヒンシュクを買っているが、この件も同様の反応を受けるだろう。しかしこのデパートの態度にはそんな趣味人の奇麗事を物ともしないスゴミとでもいうようなものがある。値の付くものは要するに商品であって、それ以外の意味は断じて認めまいとでも言いたげな、成り上がり者のスゴミとでも言うべきものだ。これは八億円のシナモノであって三億円はオマケである、どうだスゲエだろう、文句があるか、という所か。ほとんどアッパレである。
欧米人の趣味だの伝統だのをケトバすようなこの態度には、我が商業国家ニッポンの精神が如実に表れているようだ。惜しむらくは全く無自覚に行われているらしい事で、本当の所、この無自覚という所が一番目覚ましくかつモノズゲエ所かも知れない。