■ ■■■■■ ■ 日刊 こならの森 ■ ■■■■■ ■

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東武佐野線沿線CITY-GUIDE 〔カテゴリーからお入り下さい〕

こならの森 23号

2008-03-25 | 創刊~100号

       ■こならの森23号■1990.3発行

C・o・n・t・e・n・t・s

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●目    次●
2p…看板娘
3-5p…トピックス
3-4p…カラムコラム
5p…マン&ウーマン
7-14…飲食組合
14p…危険な
15p…モーター
16pOCRアウト
17p…おそねとしこ/芝居三昧二十二回
18p…結婚
19-20p協賛店名
21-24p…若き芸術家の世界
25p…本紹介第1回/絵本
26p…本10/キネマ倶楽部
27-29p…情報
30p…美容と健康
30p…コーヒー
31p…佐知倶楽部
32p…街角の肖像
33p…子育て
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【本文抜粋記事】

若き芸術家の新世界

スピンナー(紡ぎ手)山崎仁一さん
邑楽郡大泉町在住手紡ぎ工房アトリエ・ジン主宰
日本大学卒業後、東京で毛糸関係の仕事に就く。その関係で、糸を紡ぐ工房に出入りするようになり、技術をマスターしていった。以来取りつかれるようになる。


 出店の動機は、家業の酒屋の新装にともない、かねてから念願だった、紡ぎ手として独立を決意。アトリエを店内に併設した。一般に毛糸店といってもいっぱいあるから、専門店として特長ある物にしたかったという事だ。
 店内には山崎さん自身が紡いだ毛糸や、編み上がったセーターなどが展示してあったり、しゃれた感じの足踏み式紡ぎ機がおいてあって独特の雰囲気。訪れた時は、ちょうど手紡ぎ教室を行なっており、なれた手つきで、紡がれて行く様を見ることが出来た。羊毛と一言に言ってもはひとつ一つが違っており固い柔らかいなど個性がある。悪い素材でも用途によって使い分けをすればそれなりに使い方はあるのだという。原毛は個人輸入している知人から仕入れているので一年ほど先の予約となる。主にオーストラリア、ニュージーランド、イギリスから仕入れている。だいたい一頭からは原毛がニキロほどが取れ、それだけでセーターなら三、四着ほど作れる。原毛は油抜きをしたり洗濯したり、あるいはそのまま素材を利用したりするという。山崎さんが好きなものは、素材そのままを活かした自然なものだという。そのためか、染色する場合も自然にあるものをよく利用するという。「つむぎは自分の心が糸の形になって表われます。」よりがうまく行かない時は、やはり良い糸は出来ないということだ。 
 その魅力は、色を染めたり、そのまま素材を活かしたりすなど楽しみが多いところといい「趣味としても、芸術としても奥が深い」と語る。
 しかし、現在のところは採算度外視なので経営としては楽でないという。
 手紡ぎ教室には近辺の大田市や、大泉町から手紡ぎに魅了された人達が集まって来る。足踏み式の紡ぎ機械使った実践的な講習だ。ちなみに、月四回の講習で五千円。また、入門編として、五百グラムの原毛を糸にするまででの指導(三千円)も行なっている。五百グラムの原毛は、だいたい二十四時間ほどで全部を糸に仕上げられる計算ということだが、なれないと大変。普通は二か月ほどかかると言う。
 参加者は「世界に一つしか無い自分のオリジナルな毛糸が出来上がる」「改めて繊維が生き物だという事に気が付きました」「最初は楽しみより、苦しみが多かったのですが今では通って来るのが楽しみです」と語り評判も上々のよう。
 また、足利市や鹿沼市の公民館において出張講習会も行なっているということだ。