フトフタオビエダシャク?
調べていく中で、
「アレ? 前コレやったよな?」
と思って。
9/1の記事、「オオトビスジエダシャク?20200617」で、最後まで迷ったのが「フトフタオビエダシャク」だったのです。
ちょっと御復習い(おさらい)しつつ、内容を補充すると・・・
オオトビスジエダシャク
ウストビスジエダシャクに似るが、翅の斑紋や各横線は黒く、赤味を帯びない。
一般的にウストビスジエダシャクより白い。
内横線はあまり発達しないが、出現した場合は大きく外側に湾曲する。
外横線は、M字紋の辺りで急激に頭側に曲がる。
M字紋は、遠くから見た場合に、丸い紋のように見える。
外横線の外側の帯は発達しない。
ウストビスジエダシャク
オオトビスジエダシャクに似るが、翅の斑紋や各横線は赤味を帯びる。
内横線はオオトビスジエダシャクより良く発達し、ほぼ一直線に走る。
M字紋は遠くから見た場合に丸い紋のように見えるが、赤味を帯びる。
外横線の外側の帯は薄い。
ウスジロエダシャク
前・後翅ともに外横線は直線的。
翅の中央付近の紋は強いM字を表わすことが多い。
スギノキエダシャク
フトフタオビエダシャクより黒っぽく、外横線もフトフタオビエダシャクほど曲がらない事が多く、後翅外横線もより直線的。
M字紋を欠く個体が多い。
フトフタオビエダシャク
外横線が斜めに走る。
外横線は中央付近から内側に大きく湾曲することが多い。
M字紋はあまり丸くならない。
外横線の外側に、褐色の帯が発達する。
後翅外横線は強く屈曲する。
ここで、今回の個体の特徴を見てみましょう。
①内横線は直線的ではない。
②外横線
③外横線は中央付近から内側に湾曲している。
④M字紋は丸くない。
⑤外横線の外側に褐色の帯がある。
⑥後翅外横線は屈曲している。
上記の赤文字の部分は、今回の個体とは矛盾するように思われるので除外。
総合的に言って、フトフタオビエダシャクと判断しました。
しかし、「外横線が斜めに走る」とはどういう意味なのか?
ここで前回掲載した「オオトビスジエダシャク?」と今回の「フトフタオビエダシャク?」の画像を比較してみましょう。
上:オオトビスジエダシャク?
下:フトフタオビエダシャク?
上のオオトビスジエダシャク?は、前翅の外横線と前翅前縁とのなす角度は大きい。
対して下のフトフタオビエダシャク?は、前翅前縁と外横線のなす角度がより鋭角であることが分かります。
恐らくこれが、「外横線が斜めに走る」ということなのではないでしょうか?
ところで、前翅外横線の内側への湾入は、概ね
フトフタオビエダシャク>スギノキエダシャク>ウスジロエダシャク
ウストビスジエダシャク>オオトビスジエダシャク>ウスジロエダシャク
であるようです。
さらに今回、オオトビスジエダシャク?とフトフタオビエダシャク?の比較により、
オオトビスジエダシャク?>フトフタオビエダシャク?であると思われます。
従って、
ウストビスジエダシャク>オオトビスジエダシャク>フトフタオビエダシャク>スギノキエダシャク>ウスジロエダシャク
なのかも知れません。
KONASUKEの同定が合っていることが前提ですし、個体差もあり、あくまで「一般的に」ですけど。
今回は前回の苦労があったので、こうやって少しずつ蓄積して行ったら、何某か見えて来るものがあるかも知れませんね。
分類:チョウ目シャクガ科エダシャク亜科
翅を広げた長さ:♂27~36mm、♀31~42mm
前翅の長さ:春型18~23mm、夏型15~20mm
分布:北海道、本州、四国、九州
垂直分布?
成虫の見られる時期:3月~10月(年2~3化)
蛹で冬越し
エサ:成虫・・・花の蜜など
幼虫・・・ヤナギ科、クスノキ科、マメ科、ミカン科、トウダイグサ科、ツバキ科、ツツジ科、ミズキ科、ゼンマイ、ベニシダ、クルミなど
その他:個体変異が大きい。
斑紋や横線は赤味を帯びず、前翅内横線は直線的ではない。
(ウストビスジエダシャクでは赤味を帯び、内横線は直線的。)
(オオトビスジエダシャクでは、内横線は大きく外側に湾曲する。)
外横線は中央付近から内側に大きく湾曲することが多い。
(スギノエダシャク、ウスジロエダシャクではあまり内側に湾曲しない。)
M字紋はあまり丸くない。
(オオトビスジエダシャク、ウストビスジエダシャクでは丸い。)
外横線の外側に褐色の帯が発達する。
(オオトビスジエダシャク、ウストビスジエダシャクでは発達しない。)
後翅外横線は強く屈曲する。
(スギノエダシャク、ウスジロエダシャクでは直線的。)
触角は♂♀ともに糸状。
灯火に飛来する。
終齢幼虫の体長は約25~30mm。
参考:みんなで作る日本産蛾類図鑑V2/Ectropis属
みんなで作る日本産蛾類図鑑V2
虫ナビ
渓舟の昆虫図鑑
昆虫写真図鑑
北茨城周辺の生き物
昆虫エクスプローラ
センスオブワンダふるイモムシケムシ
調べていく中で、
「アレ? 前コレやったよな?」
と思って。
9/1の記事、「オオトビスジエダシャク?20200617」で、最後まで迷ったのが「フトフタオビエダシャク」だったのです。
ちょっと御復習い(おさらい)しつつ、内容を補充すると・・・
オオトビスジエダシャク
ウストビスジエダシャクに似るが、翅の斑紋や各横線は黒く、赤味を帯びない。
一般的にウストビスジエダシャクより白い。
内横線はあまり発達しないが、出現した場合は大きく外側に湾曲する。
外横線は、M字紋の辺りで急激に頭側に曲がる。
M字紋は、遠くから見た場合に、丸い紋のように見える。
外横線の外側の帯は発達しない。
ウストビスジエダシャク
オオトビスジエダシャクに似るが、翅の斑紋や各横線は赤味を帯びる。
内横線はオオトビスジエダシャクより良く発達し、ほぼ一直線に走る。
M字紋は遠くから見た場合に丸い紋のように見えるが、赤味を帯びる。
外横線の外側の帯は薄い。
ウスジロエダシャク
前・後翅ともに外横線は直線的。
翅の中央付近の紋は強いM字を表わすことが多い。
スギノキエダシャク
フトフタオビエダシャクより黒っぽく、外横線もフトフタオビエダシャクほど曲がらない事が多く、後翅外横線もより直線的。
M字紋を欠く個体が多い。
フトフタオビエダシャク
外横線が斜めに走る。
外横線は中央付近から内側に大きく湾曲することが多い。
M字紋はあまり丸くならない。
外横線の外側に、褐色の帯が発達する。
後翅外横線は強く屈曲する。
ここで、今回の個体の特徴を見てみましょう。
①内横線は直線的ではない。
②外横線
③外横線は中央付近から内側に湾曲している。
④M字紋は丸くない。
⑤外横線の外側に褐色の帯がある。
⑥後翅外横線は屈曲している。
上記の赤文字の部分は、今回の個体とは矛盾するように思われるので除外。
総合的に言って、フトフタオビエダシャクと判断しました。
しかし、「外横線が斜めに走る」とはどういう意味なのか?
ここで前回掲載した「オオトビスジエダシャク?」と今回の「フトフタオビエダシャク?」の画像を比較してみましょう。
上:オオトビスジエダシャク?
下:フトフタオビエダシャク?
上のオオトビスジエダシャク?は、前翅の外横線と前翅前縁とのなす角度は大きい。
対して下のフトフタオビエダシャク?は、前翅前縁と外横線のなす角度がより鋭角であることが分かります。
恐らくこれが、「外横線が斜めに走る」ということなのではないでしょうか?
ところで、前翅外横線の内側への湾入は、概ね
フトフタオビエダシャク>スギノキエダシャク>ウスジロエダシャク
ウストビスジエダシャク>オオトビスジエダシャク>ウスジロエダシャク
であるようです。
さらに今回、オオトビスジエダシャク?とフトフタオビエダシャク?の比較により、
オオトビスジエダシャク?>フトフタオビエダシャク?であると思われます。
従って、
ウストビスジエダシャク>オオトビスジエダシャク>フトフタオビエダシャク>スギノキエダシャク>ウスジロエダシャク
なのかも知れません。
KONASUKEの同定が合っていることが前提ですし、個体差もあり、あくまで「一般的に」ですけど。
今回は前回の苦労があったので、こうやって少しずつ蓄積して行ったら、何某か見えて来るものがあるかも知れませんね。
分類:チョウ目シャクガ科エダシャク亜科
翅を広げた長さ:♂27~36mm、♀31~42mm
前翅の長さ:春型18~23mm、夏型15~20mm
分布:北海道、本州、四国、九州
垂直分布?
成虫の見られる時期:3月~10月(年2~3化)
蛹で冬越し
エサ:成虫・・・花の蜜など
幼虫・・・ヤナギ科、クスノキ科、マメ科、ミカン科、トウダイグサ科、ツバキ科、ツツジ科、ミズキ科、ゼンマイ、ベニシダ、クルミなど
その他:個体変異が大きい。
斑紋や横線は赤味を帯びず、前翅内横線は直線的ではない。
(ウストビスジエダシャクでは赤味を帯び、内横線は直線的。)
(オオトビスジエダシャクでは、内横線は大きく外側に湾曲する。)
外横線は中央付近から内側に大きく湾曲することが多い。
(スギノエダシャク、ウスジロエダシャクではあまり内側に湾曲しない。)
M字紋はあまり丸くない。
(オオトビスジエダシャク、ウストビスジエダシャクでは丸い。)
外横線の外側に褐色の帯が発達する。
(オオトビスジエダシャク、ウストビスジエダシャクでは発達しない。)
後翅外横線は強く屈曲する。
(スギノエダシャク、ウスジロエダシャクでは直線的。)
触角は♂♀ともに糸状。
灯火に飛来する。
終齢幼虫の体長は約25~30mm。
参考:みんなで作る日本産蛾類図鑑V2/Ectropis属
みんなで作る日本産蛾類図鑑V2
虫ナビ
渓舟の昆虫図鑑
昆虫写真図鑑
北茨城周辺の生き物
昆虫エクスプローラ
センスオブワンダふるイモムシケムシ
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