KONASUKEの部屋

最近はすっかり昆虫ブログと化してます(笑)
生物のこと、笠間のこと、時々政治

フトフタオビエダシャク?20200814

2020年10月16日 | チョウ目
フトフタオビエダシャク?
調べていく中で、
「アレ? 前コレやったよな?」
と思って。
9/1の記事、「オオトビスジエダシャク?20200617」で、最後まで迷ったのが「フトフタオビエダシャク」だったのです。
ちょっと御復習い(おさらい)しつつ、内容を補充すると・・・

オオトビスジエダシャク
ウストビスジエダシャクに似るが、翅の斑紋や各横線は黒く、赤味を帯びない。
一般的にウストビスジエダシャクより白い。
内横線はあまり発達しないが、出現した場合は大きく外側に湾曲する
外横線は、M字紋の辺りで急激に頭側に曲がる
M字紋は、遠くから見た場合に、丸い紋のように見える。
外横線の外側の帯は発達しない

ウストビスジエダシャク
オオトビスジエダシャクに似るが、翅の斑紋や各横線は赤味を帯びる
内横線はオオトビスジエダシャクより良く発達し、ほぼ一直線に走る
M字紋は遠くから見た場合に丸い紋のように見えるが、赤味を帯びる
外横線の外側の帯は薄い

ウスジロエダシャク
前・後翅ともに外横線は直線的
翅の中央付近の紋は強いM字を表わすことが多い。

スギノキエダシャク
フトフタオビエダシャクより黒っぽく、外横線もフトフタオビエダシャクほど曲がらない事が多く、後翅外横線もより直線的
M字紋を欠く個体が多い。

フトフタオビエダシャク
外横線が斜めに走る。
外横線は中央付近から内側に大きく湾曲することが多い。
M字紋はあまり丸くならない。
外横線の外側に、褐色の帯が発達する。
後翅外横線は強く屈曲する。

ここで、今回の個体の特徴を見てみましょう。
①内横線は直線的ではない。
②外横線
③外横線は中央付近から内側に湾曲している。
④M字紋は丸くない。
⑤外横線の外側に褐色の帯がある。
⑥後翅外横線は屈曲している。

上記の赤文字の部分は、今回の個体とは矛盾するように思われるので除外。
総合的に言って、フトフタオビエダシャクと判断しました。

しかし、「外横線が斜めに走る」とはどういう意味なのか?
ここで前回掲載した「オオトビスジエダシャク?」と今回の「フトフタオビエダシャク?」の画像を比較してみましょう。

上:オオトビスジエダシャク?
下:フトフタオビエダシャク?

上のオオトビスジエダシャク?は、前翅の外横線と前翅前縁とのなす角度は大きい。
対して下のフトフタオビエダシャク?は、前翅前縁と外横線のなす角度がより鋭角であることが分かります。
恐らくこれが、「外横線が斜めに走る」ということなのではないでしょうか?

ところで、前翅外横線の内側への湾入は、概ね
フトフタオビエダシャク>スギノキエダシャク>ウスジロエダシャク
ウストビスジエダシャク>オオトビスジエダシャク>ウスジロエダシャク
であるようです。
さらに今回、オオトビスジエダシャク?とフトフタオビエダシャク?の比較により、
オオトビスジエダシャク?>フトフタオビエダシャク?であると思われます。
従って、
ウストビスジエダシャク>オオトビスジエダシャク>フトフタオビエダシャク>スギノキエダシャク>ウスジロエダシャク
なのかも知れません。
KONASUKEの同定が合っていることが前提ですし、個体差もあり、あくまで「一般的に」ですけど。

今回は前回の苦労があったので、こうやって少しずつ蓄積して行ったら、何某か見えて来るものがあるかも知れませんね。

分類:チョウ目シャクガ科エダシャク亜科
翅を広げた長さ:♂27~36mm、♀31~42mm
前翅の長さ:春型18~23mm、夏型15~20mm
分布:北海道、本州、四国、九州
   垂直分布?
成虫の見られる時期:3月~10月(年2~3化)
          蛹で冬越し
エサ:成虫・・・花の蜜など
   幼虫・・・ヤナギ科、クスノキ科、マメ科、ミカン科、トウダイグサ科、ツバキ科、ツツジ科、ミズキ科、ゼンマイ、ベニシダ、クルミなど
その他:個体変異が大きい。

    斑紋や横線は赤味を帯びず、前翅内横線は直線的ではない。
    (ウストビスジエダシャクでは赤味を帯び、内横線は直線的。)
    (オオトビスジエダシャクでは、内横線は大きく外側に湾曲する。)

    外横線は中央付近から内側に大きく湾曲することが多い。
    (スギノエダシャク、ウスジロエダシャクではあまり内側に湾曲しない。)

    M字紋はあまり丸くない。
    (オオトビスジエダシャク、ウストビスジエダシャクでは丸い。)

    外横線の外側に褐色の帯が発達する。
    (オオトビスジエダシャク、ウストビスジエダシャクでは発達しない。)

    後翅外横線は強く屈曲する。
    (スギノエダシャク、ウスジロエダシャクでは直線的。)

    触角は♂♀ともに糸状。
    灯火に飛来する。
    終齢幼虫の体長は約25~30mm。
参考:みんなで作る日本産蛾類図鑑V2/Ectropis属
   みんなで作る日本産蛾類図鑑V2
   虫ナビ
   渓舟の昆虫図鑑
   昆虫写真図鑑
   北茨城周辺の生き物
   昆虫エクスプローラ
   センスオブワンダふるイモムシケムシ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿