分類:ハチ目 広腰亜目ハバチ上科ハバチ科カブラハバチ属
体長:7~8mm
分布:全国
平地~山地
成虫の見られる時期:4~10月(年5~6化・平地では真夏に見られなくなり、丘陵~山地では真夏にピークを迎える)
前蛹で冬越し
エサ:成虫・・・花の蜜?
幼虫・・・イヌガラシを主な食草とするが、オランダガラシや栽培種(キャベツ、ワサビを除く)のアブラナ科の植物も利用することがある
その他:体は朱色で翅が黒いハバチの一種。
近似種にニホンカブラハバチ・カブラハバチがいる。
本種は胸の背中側がほぼ黒色。
(ニホンカブラハバチでは後胸背と腹部第1節の背面(いずれも黒い翅に隠れて見えない)が黒く、残りの胸部は黄橙色で、中胸背はやや赤みを帯びる。
また、中・後脚の腿節の末端が黒い。)
(カブラハバチでは、中胸楯板の後半(翅の付け根付近)が黒く、小楯板は橙黄色、脛節と跗節の末端が黒い。)
これらカブラハバチ属三種では、ともに、食草ではないクサギの葉に集まることが知られる。
これは、クサギの葉の腺状突起を食べたり花外蜜腺の蜜を舐めたりすることにより、
①化学物質を体内に蓄積し、捕食者に対する忌避物質となるとする説
②生殖能力が高まり、成熟卵が増加するとする説
がある。
本種はイヌガラシの生える比較的明るい攪乱地を好む。
同属三種の中で、本種が最も個体数が少ない。
これは主要な食草のイヌガラシが量的に乏しい、特に産卵可能な新葉が限られる事によるらしい。
葉肉に1個ずつ産卵する。
幼虫は、1~2齢では灰色。
3齢以降は藍色がかった黒色で、「アオムシ」に対して「ナノクロムシ(菜の黒虫)」と呼ばれる。
3齢以降、同属3種の特徴がハッキリ現れる。
ニホンカブラハバチの幼虫では、肉突起がある。
セグロカブラハバチの幼虫では、体側に黒い斑点がある。
カブラハバチの幼虫では、その両者を持たない。
危険を感じるとすぐに地上に落ちて、体を丸めて身を護る。
終齢は♂は5齢、♀は6齢で、体色は藍色。
終齢幼虫は摂食せずに土に潜り、土繭(土を体の周りに固めた繭)を作る。
前蛹の状態で休眠する。
成虫は不味いため、幼虫は警告色であるためか、捕食者は2頭目以降を食べないという観察もある。
参考:ポケット図鑑日本の昆虫1400②(文一総合出版)
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