KONASUKEの部屋

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ノコギリカメムシ220602

2022年11月23日 | カメムシ目
ノコギリカメムシ。
焦げ茶色で、腹の縁はノコギリ状。
ヒラタカメムシ類に似ていますが、体は重厚。
(ヒラタカメムシ類は体が平べったい。)

リアルKONASUKEの部屋(笑)のベランダにて撮影。
時々こうやって、虫の方から遊びに来てくれます(笑)

ところで、2021年、筑波大学の博士課程の方の論文で、本種と糸状菌の共生についての論文が出されたようです。
PDFファイルでは、その肝心の部分は、近日論文発表するため非公開とされています。
興味深いですね。
少なくとも中腸共生器官内の共生細菌は、親から子へと安定的に受け継がれるのではなく、それぞれの世代が環境から取り込んでいる、との実験結果が示されています。
多くのカメムシが共生細菌を持つことが知られていますが、共生の仕方は多様、ということでしょうかね。

①腹部側縁:ノコギリ状
②頭部:平たく突出、頭頂は凹む
③前胸背:尖った三角形の突起がある
④小楯板:舌状
⑤膜質部:淡褐色
⑥触角:太い、4節
⑦触角第4節:先端は橙褐色

分類:
カメムシ目カメムシ亜目カメムシ下目カメムシ上科ノコギリカメムシ科ノコギリカメムシ亜科
体長:
12~16mm
分布:
本州、四国、九州
平地~丘陵
成虫の見られる時期:
4~10月(年1化)
成虫で冬越し
エサ:
カラスウリ、キカラスウリ、スイカ、カボチャ、キュウリなどウリ科の植物の汁
その他:
腹部側縁はノコギリ状で、和名の由来となっている。
ヒラタカメムシ科に似るが、体に厚みがある。
(ヒラタカメムシ科は体が扁平。)
体は黒褐色で、腹面には赤銅色の光沢がある。
頭部は側葉が前方に突出してシャベル状、頭頂は凹む。
前胸背前縁と側縁に、尖った三角形の突起がある。
胸板の正中線には、顕著な溝がある。
小楯板は舌状。
膜質部は大きく、淡褐色。
触角は太く4節、第4節の先の方は橙褐色。
♀成虫は、後脚に扁平な器官を持ち、鼓膜器官とされてきた。
1972年、
①成熟♀の後脚扁平部が菌糸様の物質に覆われること、
②産卵時に♀がその物質を卵に塗り付ける行動が見られること
③卵表面も菌糸様の物質に覆われること
が報告された。
一方、中腸共生器官内の共生細菌については環境から取り込んだもので、親から子へと安定的に受け継がれる訳ではないことが、実験によって示されている。
林縁、草地、畑地、公園などで見られる。
昼行性で、活動はあまり活発ではない。
成虫は基本的に単独生活。
葉や茎、花、若果などから吸汁する。
普通種でウリ科の害虫とされるが、被害はそれほど大きくないと思われる。
朽木の樹皮下や林床の落葉下などで単独越冬する。
越冬成虫は4~6月、新成虫は8~10月頃見られる。
春に産卵し、食草の茎に、一列に並べて行う。
幼虫期は4齢。
参考:
ポケット図鑑日本の昆虫1400①(文一総合出版)
学研の図鑑LIVE新版昆虫(学研プラス)
かたつむりの自然観撮記
虫ナビ
そらいろネット
自然工房ゆりの木
しずおかみんなの「しぜんたんけんてちょう」
昆虫写真図鑑
Wildlife Research Society
自然観察雑記帳
福光村昆虫記
北河内昆虫記
広島大学デジタルミュージアム
ノコギリカメムシにおける新奇な微生物共生系の研究


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