since:1980 夏
まだ、僕は小学生低学年だったんだ。
学校は夏休みに入り、夏のこども・ラジヲ体操・虫取り・鬼ごっこ・・
とにかく、毎日が楽しくってたまらなかった。
朝、目が覚めた瞬間から 目に映るモノ全てがキラキラと光り輝き、
幼い僕は、この幸せに満ちた永遠がずっと、ずっと続くと・・・疑う事もしなかった。
あの日も僕は、昼食の後、仲の良い友達と近くの三角公園で、
追いかけっこなんかしたりして、汗まみれなシャツも気にせず
まるで、大草原に遊ぶ子犬達のように、駈けずり回って遊んでいたんだ。
何時間、走り回っただろうか、
まだ太陽は明るく、僕に燦々と光を与えてくれているが、
なぜだか、その日は夕暮れ前に、友達たちが一人、また一人と
それぞれの家族の待つ、自分達の家に帰って行ったんだ。。。
一人公園に残された僕は、汗をたくさん流したせいか
とても喉が渇いている事に気がつき、
公園の水飲み場で、水を飲もうとした。
はじめの一歩を踏み出したその時!
とてつもない虚無感が、僕を覆いつくしたんだ。
ここで、一人水を飲んではいけない!
そうだ、僕も家に帰って、母さんが作ってくれた「冷たい麦茶」を飲もう!
そう思った幼い僕は、残っていた力一杯に駆け出した。
そうだ!僕にも帰るべき家があるんだ!
早く帰って、酒屋を営みながらも一生懸命に愛情を注いでくれる
優しい母さんのもとへ帰ろう!
僕は、家路までのその道を、まるで
セリヌンティウスのもとへと駆けるメロスのように全力で走った。
その時、周りの風景が残像に変わり、僕は「風」になったんだ。
「ただいまー♪」
家に辿り着いた安堵感と、精一杯の力で走った脱力感、
そして、容赦なく照りつける夏の日差しと、むせ返る様にこみ上げる
アスファルトからの熱気に中てられたせいか・・・
僕は少しボーっとしていた気がする。
でも、「ただいまー♪」 と言った瞬間に、その喉の渇きを癒そうと、
僕は麦藁帽子もクツも脱ぎ捨てるように、店にいた母さんへ
ろくな挨拶もせず、一目散に愛しい麦茶の入っている冷蔵庫へ。
冷蔵庫を開けると、そこから放たれる冷気に僕の細胞たちが目を覚ます。
・・・・あれ?
いつもは水筒に入って、下段に置いてある麦茶の水筒が見当たらない。。
こっ、こんなに喉が渇いているのに・・・麦茶が無いなんて・・
もう、この世のが終わってしまうんじゃないか、ぐらいに
途方に暮れようとしたその時、僕の視界に飛び込んできたのは、
冷蔵庫の上段に置かれた、ガラスのコップに入った「麦茶」!
そうか。。。母さん、遊びまわって喉が渇いて帰ってくるであろう
僕の為に、一時でもすぐに飲めるようにと、コップに入れて冷やしてくれたんだ!
母さん、ありがとう。 あなたの子供に生まれて僕は幸せです。
コップを手に取り、僕はその愛情の詰まった麦茶を、
躊躇する事無く、一気に喉の奥へと流し込んだんだ!!
ん!?
んん!?
飲み込んだ瞬間
焼けるような衝撃が、
ワタシの「気管と食道」を襲う!!
└|゜ロ゜;|┘
「ゲホゲホーーギョエっ!
ガぁぁぁぁぁ!!」 (` 曲 ´)
ワタシの尋常でない、
えずり声に母さん、もとい。
母ツネミが飛んで来た!
「ああっ!あんたっ!
コレ飲んだがかえ!!!」
「あんたという子は!!
コレは・・・!」
「ニッカ・ウイスキーぞね!!」
そう。麦茶と間違えて、
アルコール度数約40%のウイスキーを
一気に飲んでしまった
小学低学年のワタシ。。 ・゜・(ノД`)・゜・
この後大量に水を飲まされ
口に指を突っ込んで
ゲボゲボ吐かされるハメに。。
これが、ワタシ人生初の飲酒をした
「夏の日の思い出」。
嗚呼、母さん・・・
※文中の画像は全くワタシと関係ございません。
母ツネミ・・・なんでウイスキー コップで冷蔵庫に入れてたんだよっ!
゛(`ヘ´#) 今だに謎です。(;△;)
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