夢枕獏の陰陽師シリーズ初めての長編。
このシリーズは平安時代、陰陽師・阿倍清明と博雅が
鬼やら死霊・生霊の事件を解決していく話。
二人でいつも庭を眺めながら酒を交し、
「ゆくか」
「ゆこう」
そういうことになった。
で始まる平安の典雅なゆるい感じが好きで
必ず読んでましたが、これは知りませんでした。
「生成り」とは人間から鬼に変わる途中のものだそう。
この話は博雅の切ない恋、よい漢(おとこ)ぶりが
しみじみと切ない。
人間の心には必ず鬼が潜んでいる。
他人の心は思い通りにはならないってわかっていても
鬼になってしまう哀しさ。
でも、それを救うのも人の心なんですよね。
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