爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

ちっぽけな自分

2022-12-29 04:51:19 | 日記
宇宙から眺めて見れば、おそらく太陽は、小さな米粒の様な星の一つであろう。

その小さな米粒の系列に、月や地球がクルクル回っている。

その地球に、東洋と西洋があって、東洋の小さな島国が、日本という事だ。

その日本に、西日本とか東日本とか北日本とかがある。

宇宙からはどんな精密な拡大鏡を使っても、あなたは見えない。

人間の存在は、宇宙から見れば点にもならないし、チリ一つにもなり得ない。

しかし、このちっぽけな一つひとつの生命は、宇宙とまったく同じ統一体である。

人間の一生は、宇宙の生成力と一つになって、ぐるぐる循環している。

笑うも泣くも、嘆くも苦しむも、楽しむも喜ぶも、すべては宇宙の生命力の活動の表れである。

人間が自分の力で生きていると思うのは、人間の錯覚にすぎない。

太陽は銀河系宇宙の外側を、二億年に一回の周期で回っている。

そういう大きい目で、自分の日常の悩みや苦しみを見ると、バカバカしくなる。

「仁者は憂えず」だ。

北鎌倉の東慶寺で月見の会をした。

琴の調べも笛の名人の妙音も、素晴らしい演出だったが、台風の前日の夜の為、強烈な風が黒雲を運んでは、ときどき月を覆った。

そしてまた、すぐ輝き渡った。

まん丸のまま、輝いた。

その時、井上禅定和尚は静かに「八風吹けども動ぜず天辺の月」と言った。

「普燈録」の名文句であった。

八方から吹き荒らされても、月はまったく動じない。

人からけなされたり、非難されたり、苦しんだり悩んだり…。

身の回りの強風に、あまりびくつかない。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿