爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

伊勢神宮には誰も入れない所がある

2021-06-30 07:13:55 | 日記
皇室の祖先である天照大神と、食物を司る豊受大神が祀られている、三重県伊勢市の伊勢神宮。

ここは昔から「お伊勢さん」と親しみを込めて呼ばれているが、正式名称は「神宮」という。

なぜならここは日本の神社の起源であり、神道の最高位の社であるため「伊勢の」と地名をつける必要がないからだ。

そんな権威に溢れる神宮だが、もちろん誰でも気軽に参拝する事ができる。

江戸時代には「おかげ参り」が大流行し、江戸や東北からお伊勢さんを目指して何日、何ヵ月も歩いて参拝した人も多かった。

弥次さん、喜多さんでお馴染みの「
東海道中膝栗毛」でも、その賑やかな様子が描かれている。

しかし、折角お参りに来ても神宮では神の側で手を合わせる事ができない。

なぜなら、天照大神と豊受大神を祀る「正宮」がどちらも板垣、外玉垣、内玉垣、瑞垣の四重の玉垣に囲まれており、一般人は立ち入る事が禁止されているからだ。

20年に一度、正宮を立て替える式年遷宮の際に寄付をすると、そのお礼として特別参宮章が渡される。

これを持って神宮にお参りすると特別参拝が許され、垣根の中に入る事が出来るが、それでも近づけるのは外側から3重目の内玉垣の手前までで、それ以上奥へは進めない。

一番奥の瑞垣の内側は「内院」と呼ばれ、最も神聖な場所だ。

ここには、神の子孫である皇室関係者さえ立ち入る事が出来ないのだ。

国家鎮護の最高神でありながら、どこか身近なお伊勢さん。

しかし、そこに祀られた神は決して近づく事が出来ない、遠い存在なのである。




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