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K RAUM  お料理を主に日々のことを書いています。

いらしてくださってありがとうございます。
晩ご飯に作った料理・道端に咲いているお花の写真などのブログです。

サンタ・マリア・デルフィオーレ

2008-06-30 21:38:27 | 料理
2008年6月30日(月)曇、夕方晴

鶏のムネ肉は安価ですが、バンバンジーは美味しく出来ますが、他はなかなかうまく料理が出来ません。上沼恵美子のおしゃべりクッキングのページを参考に作ってみました。ボリューム満点で鶏肉特有の臭みもなく(私、鶏肉苦手なのです。結婚前は食べなかったのですが・・・)美味しく頂きました何もかも値上がりのこの頃、これは定番メニューになりそうです。上沼恵美子のおしゃべりクッキングHPでは6月25日のウイーン風カツレツ



作り方
鶏のムネ肉の皮を剥いで1/2の厚さに切り(1枚で2人分)、サランラップをかけた上からたたいて1/2位の薄さにして塩コショウをふり⇒小麦粉⇒溶き玉子⇒パン粉を付け、フライパンにオリーブオイルを多めに入れ、色よく焼く。
固ゆでのゆで卵の白身と黄身を別々にみじん切りとパセリのみじん切りを飾り、レモンをかける。
私はパセリがなかったのでほうれん草をかけ、スナックエンドウを茹でて添えました。
是非、お試しください




2002年秋撮影    サンタ・マリア・デルフィオーレ
世界遺産登録されているイタリア・フィレンツェ歴史地区のサンタ・マリア・デル・フィオーレに落書きをした日本人のニュースがいくつか噴出してきました。「まー非常識、あきれる」 という声をメディアから聞きますが、私はそれほど驚きませんでした。「非常識」と非難したのでは解決できないような気がします。というのも日本には落書き文化という一面もあるのではないでしょうか。
建武の新政を批判した『二条河原落書』は当時を知る大切な史料となっています。古代から現代まで落書き、要するに匿名の主張がありますが、これはなぜなのかしら。発言するとたたかれるという伝統からではないかと思います。サンタ・マリア・デル・フィオーレに自分の名前を落書きすることと『二条河原落書(らくしょ)』と同じレヴェルで語れないことは分かっていますが、わからないように自己主張するというDNAが脈々と伝わっているような気がします。このDNAを断ち切るには厳しい罰が必要ではないかしら、と、考えちゃいました。


でも、このドームで落書きするというのは余裕ですね
私は海外旅行の時は、必死でお目当ての建物を探し、もれなく撮ってと・・・大忙しです

サンタ・マリア・デルフィオーレ正面くやしいわ狭いところに歴史的建造物がびっしり建っているので全景が撮れない

サンタ・マリア・デルフィオーレ正面上方

サンタ・マリア・デルフィオーレの内部ドーム部分の天井


夕方近くにミケランジェロの丘の下にたどり着きましたが、くたびれて登れず
きっと、サンタ・マリア・デルフィオーレの全景を見学できたでしょう・・・次の機会の楽しみに取っておきましょうと思いましたが、まだ実現していません。



『ナクソス島のアリアドネ』

2008-06-29 15:47:01 | 芸術
2008年6月29日(日)


6月27日東京文化会館にてオペラ『ナクソス島のアリアドネ』を観て

アリアドネ 見果てぬ夢か つゆ空に


東京二期会オペラ劇場
主催:財団法人東京二期会
ナクソス島のアリアドネ
プロローグと1幕のオペラ 字幕付原語(ドイツ語)上演
台本:フーゴー・フォン・ホフマンスタール
作曲:リヒャルト・シュトラウス
会場:東京文化会館大ホール
公演日:2008年6月26日(木)18:30
27日(金)19:00「オリックスナイト」
28日(土)14:00
29日(日)14:00
上演時間約2時間30分
指揮:ラルフ・ワイケルト
演出:鵜山 仁
装置:堀尾幸男
衣裳:原まさみ
照明:勝柴次郎
演出助手:澤田康子
舞台監督:菅原多敢弘
公演監督:大島幾雄



配役
6月26日(木)/28日(土) 27日(金)/29日(日)
執事長:田辺とおる(全日)
音楽教師:加賀清孝        初鹿野 剛
作曲家:谷口睦美         小林由佳
テノール歌手高橋 淳       青栁素晴
(バッカス)
士官:羽山晃生           髙田正人
舞踏教師:大野光彦        小原啓楼
かつら師:大久保光哉       三戸大久
召使:馬場眞二           石川直人
ツェルビネッタ:幸田浩子     安井陽子
プリマドンナ:佐々木典子     横山恵子
(アリアドネ)
ハルレキン:青戸 知        萩原 潤
スカラムッチョ:加茂下 稔     森田有生
トゥルファルディン:志村文彦   斉木健詞
ブリゲッラ;中原雅彦        児玉和弘
ナヤーデ:木下周子        吉村美樹
ドゥリヤーデ:増田弥生      磯地美樹
エコー:羽山弘子          谷原めぐみ

右手の馬は何だろう花道のようところに犬がいるが・・・・

プロローグ
富豪の館、祝宴のために上演する新作オペラセリア『ナクソス島のアリアドネ』の舞台裏のてんやわんや・・・・館の主人に悲劇オペラでは暗い雰囲気になるので、歌や踊りの道化劇を同時進行するように命じられた作曲家は予想もしないことに絶望します。オペラ監督は作曲家を説得するというドタバタ・・・ここは作曲家が主役のようですね。
悩む作曲家は男装のメゾソプラ歌手ですが、オペラ初心者の私にはなぜ、男装させなければいけないのかチョッと分からず・・・。
プロローグの最初はストレートプレイって感じもしました・・・
この作品はコメディ調を取り入れた一味違ったオペラのようすです。

1幕
幕が開くと能舞台の背景の松を感じさせる洞窟と2本の木の絵の前にゆるい傾斜の台。その上に嘆き悲しむアリアドネ、取り囲むように凝ったコスチュームをつけた3人のニンフ・・・スタートは重厚なオペラのようす・・
「木の精で頭が緑よ」と美樹ちゃんからメールをもらっていたので、ああ・・あれだ・・・美樹ちゃん応援団のカナさん・キヌさん・ユミチャン・ソウ&タマ夫妻と私は主役のアリアドネそっちのけで美樹ちゃんの体や手の動きに目が集中してしまいます。いつものようにキヌさんのオペラグラスが回ってきて、それぞれ美樹ちゃんを確認 1階の前から16列目でも顔は確認できないのが残念
アリアドネ役の横山恵子さんのアリアと優美な身のこなしは気高さが伝わりました。さらに、ポンペイ『秘儀の間』の服装をイメージにしたようなコスチュームの姿形も舞台栄えしていました。さすが二期会のプリマドンナ
今日の美樹ちゃんのお歌もしっとりと澄んだ声でとっても良かったです
嘆き悲しむアリアドネとニンフたちのしっとりとしたムードのところに、道化劇の連中がやってきてアドリアネを励まそうとしますが、無反応・・道化劇の主役となる踊り子の魅力的な派手なコスチュームのツェルビネッタが歌い始めます。ミスマッチのような展開がアリアドネの堂々とした気高さを際立せます。20世紀前半を象徴するようなコスチュームのツェルビネッタのアリアが観客をひきつけます。不思議にアドリアネのアリアに引き込まれ、対照的なツェルビネッタのコケティッシュな魅力たっぷりに歌うアリアも楽しめます。

ストーリーの展開はシュークスピアの演劇を取り入れたのかなとも思ったり・・・。
鑑賞前は調べなかったのですが、この作品は1916年に書かれたようです。1916年というと第一次世界大戦中ではあります、が、20世紀初頭のベルリンはケバッぽく輝いていた時代なので、リヒャルト・シュトラウスはドイツ楽劇の伝統を引きずりながらも新生ドイツの要素を取り入れ新しいオペラ制作に意欲を見せた作品かしらと・・・素人でオペラを知らない者のたわごと、と・・・

後半はバッカスとアリアドネがアリアをたっぷり聴かせてハッピーーエンド

地中海をイメージにした真っ青なステージに照明がぐるぐる華やかに回り、舞台のヘリには貝殻をイメージにしたライトが明るく光るので、舞台全体がオペラというよりミュージカルの舞台という雰囲気で面白い楽しい楽しいオペラでした


前回の二期会オペラ『ヴァルキューレ』は必死になってストーリーを勉強してから鑑賞しましたが、今回の『ナクソス島のアリアドネ』はなぜか気楽になってしまって、まー、アリアドネはわかるわ、と、心配もしていませんでした、が、出掛けにネットで「ナクソス島のアリアドネ ストーリー」と検索してみました。最初のページに高田正人さんのブログがあり、ストーリーが全部書いてありました。高田正人さんは美樹ちゃんの同級生で仕官の役で出演しています。高田さんのストーリーを読むと「あら、大変 2つの話が入り組んでいるわ」あわててプリントして、行きの地下鉄の中でじっくり読みました。これで安心して見られるわと・・・高田さんありがとうございます



さて、アリアドネについてギリシャ神話を紐解いてみます。
ギリシア神話 アポロドーロス著 高津春繁訳 岩波文庫から一部抜粋して読みやすくしました。(人名は本に従って書きます)
クレタ島に住むミーノースとパーシーパエーのたくさんの子供たちの中に娘アリアドネーがいました。
ミーノースはクレタの王となりたかったのですが、反対するものがいたので、神から王国を授けられるものは「何事であれ願うことは遂げられる」といい、ポセイドーンに犠牲を捧げつつ、海底より牡牛が現れることを祈りました。そして、現れた牡牛を神に捧げることを約束しました。ポセイドーンは海底よりミーノースに見事な牡牛を送ったので、ミーノースはクレタの国王になれました。とても見事な牡牛だったのでミーノースは犠牲として捧げるのが惜しくなって、その牡牛を自分の牛の群れの中に放し、別の牛を犠牲として捧げました。怒ったポセイドーンはその牡牛を猛悪にして、ミーノースの妻パーシーパエーが牡牛に欲情を抱くように企みました。パーシーパエーは牡牛に恋してしまい何とか交わりたいと考えました。そこで、アテーナイより追放された工匠ダイダロスを共謀者としました。工匠ダイダロスは車のついた木製牝牛を製作し、その内部を空洞にし、牝牛を剥いでその皮を縫いつけてポセイドーンから送られた見事な牡牛が常に草を食んでいる牧場に置き、パーシーパエーをその中に入れました。かの牡牛がやってきて、真の牝牛だと思って交わりました。パーシーパエーはアステリオス、一名ミーノータウロスを産みました。ミーノータウロスは顔は牡牛、他の部分は人間でした。ミーノースはある神託にしたがってミーノータウロスを迷宮に閉じ込めました。・・・・・(略)
・ ・・・・パンアテーナイ祭でミーノースの息子が優勝しますがアテーナイ王の策略で殺されてしまいました。その恨みからミーノースはアテーナイを攻撃しますが攻略することが出来ません。そこでミーノースはアテーナイの人々を罰するようにゼウスに祈りました。すると、アテーナイを飢饉と疫病が襲いました。アテーナイでは様々な犠牲を捧げましたが、何の役にも立たなかったので、神に助けを求めました。神はミーノースか選ぶいかなる要求も満たすようにと答えました。ミーノースは7人の少年、7人少女にいかなる武器も持たないでミーノータウロスの餌食に送るように命じました。(14名の少年少女の悲劇が9年毎に続き、3度目の時にアテーナイの王子テーセウス加わりました)
テーセウスはミーノータウロスへの第三番目の貢物の中に加えられました。・・・(略)・・・テーセウスがクレータにきた時、ミーノースの娘アリアドネーは彼に恋心を抱き、もし(アリアドネーは)アテーナイに連れ帰って妻としてくれるならば援助しようと申し出ました。テーセウスは誓いをしてこれに同意しましたので、アリアドネーはダイダロスに迷宮の出口を教えるように頼みました。ダイダロスの教えに従ってテーセウスが入るときに糸玉を与えました。テーセウスはこれを扉に結びつけて、引きつつ迷宮に入っていきました。ミーノータウロスを迷宮の一番奥の部屋で発見して拳で打って殺し、糸玉をひきつつ外へ出ました。その夜の間にアリアドネーと子供たちと共にナクソスに着きました。
(テーセウスは神に操られてアドリアネーを置き去りにしてアテーナイに戻り、アリアドネーはバッカスに見初められました)・・


その後、バッカス(ギリシアではデュオニュソス)とアリアドネーは結婚します。ポンペイ遺跡「秘儀の間」の壁画に結婚が描かれています。(私のHPに2004年に書いたものです。よろしかったらクリックしてください)

三人のニンフ                      右 磯地美樹ちゃん

ツェルビネッタ:安井陽子さん 指揮:ラルフ・ワイケルトさん  ニンフ:磯地美樹ちゃん

士官:髙田正人さん   美樹ちゃん     音楽教師:初鹿野 剛さん

(美樹ちゃんから送信された出演者の写真を追加掲載しました)




四神シリーズ

2008-06-26 21:28:08 | シルクスクリーン
2008年6月26日(木)雨のち曇り、時々小雨


シルクスクリーンの版画家・代情房子さんは2005年から2008年にかけて、中国思想の四神と西洋の黄道十二宮を融合した作品を制作しました。今日は四神シリーズの全作品とご自身の解説を紹介いたします。

代情房子さんのページ
代情房子アートギャラリー 
Silkscreen Prints by F.Yose 


はじめに私から簡単に黄道十二宮と四神について、

※雑誌などに掲載されている星座占いは、古代メソポタミア文明を起源とする黄道12宮をもとにしたものです。(詳しくは代情房子さんの解説をお読みください)
※四神は中国思想が由来となり朝鮮・日本に強く影響を与えた四方を守る神獣です。
方位だけでなく季節や象徴の色があります。
青竜:春:東:青
朱雀:夏:南:赤(朱)
白虎:秋:西:白
玄武:冬:北:黒(玄)
古代日本の人々は四神を信じていました。平城京・平安京の朱雀大路や朱雀門、また、高松塚古墳やキトラ古墳の四方の壁に四神が描かれていました。さらに、薬師寺金堂薬師如来の台座の四方に四神が彫られています。

   四神の出典
    禮記(中国の周王朝の制度を記しています)

    行前朱雀而後玄武左青龍而右白虎(禮記、曲禮)

    君子が戦う時に護衛の者が君主の前に朱雀の旗、
                          後に玄武の旗、
                          左に青龍の旗、
                          右に白虎の旗を
                    掲げて行軍した。




代情房子さんの四神シリーズを制作年代順に紹介します。(代情さんのHP:Silkscreen Prints by F.Yoseから転載を快諾していただきました)
代情房子さんと私は「FAUSTを読み直す」という勉強会で知り合いました。この会は3年間ほど中野区立宮園会館(東中野)で森鴎外訳、一部富永半次郎訳の『FAUST』を役割分担により読みました。その後、1年ほどお休みをしたあと神奈川県の東神奈川にある地域センターで『ゲーテを学ぶ会』として、ゲーテの書簡集などから『FAUST』創作にあたってのゲーテの心の変化について勉強しています。
尚、『ゲーテを学ぶ会』は毎月第2又は第3水曜日 東神奈川の地域センターにて午後6時からおこなっています。

<四神の風>

(100×74cm) 2005年作
85回朱葉会記念展
第5回Ecology Earth Art(埼玉県立近代美術館)
アート・マインド掲載
2008年京都・パリ友情盟約締結50周年記念展 受賞

昨年チェコのプラハで、天動説に基づいて造られたという見事な大時計に出会いました。その時計は単に時刻を告げるだけでなく、太陽や月の運行も示すプラネタリウムだという解説に興味を覚え、よく見ると確かに黄道十二宮が文字盤の上に有りましたので、帰国後その歴史を辿ると、ギリシャ、エジプトを経て古代バビロニアの天文学に行き着きました。その一方で古代中国の天文学は、朝鮮を経て日本にも伝わり、高松塚古墳やキトラ古墳の天井画・天文図(黄道、28の星座など)を生み出している事を知り、非常に驚きました。キトラ古墳の天文図は東アジアで現存する最古のものとの事です。
 キトラ古墳には、この天文図のほかに十二支、四神も描かれていますが、その四神が20世紀の空気に触れた為に、劣化が始まり、如何に保全するかという問題が起きました。新聞の記事をルーペで丹念に見ますと、四神の表情、肢体のうねり、緊張した足や爪の描写が実に素晴らしく、東アジアの貴重な文化遺産であるこれら四神をカビの餌食にして滅びさせてはいけないと思い、僭越この上ないのですが、せめて私の拙い絵の中に、そのお姿を留めおこうと、21世紀の港横浜の東西南北の守り神として登場して頂きました。
 日没直後のビル群の上空に西の守護神・白虎が現れ、海から昇った赤みを帯びた月を背に南の守護神・朱雀が現れ、ベイブリッジ,つばさ橋がライトアップされた港湾に東の守護神・青龍と北の守護神・玄武が現れ、横浜の長久と無事を祈って風を巻き起こてしいますが、その風は、"寿"と云う字の篆書という古い字体が風のようになびいているものです。
 この絵には、異なる三種の時間帯、即ち横浜の日没後から夜更けにかけての時の流れ、キトラ古墳から21世紀にかけての日本の時の流れ、それらを包含する大宇宙の悠久の時の流れの三種が組み込まれています。この絵が、その重層する時間帯の中で、人の営みの何たるかを考える便(よすが)になれば幸いと思います。


<朱雀の風 1>
(65×50cm) 2005年作
2005年朱葉会秋季展
2006年第十一回OASIS展、2006年ル・サロン展、
2007年Ecology Earth Art(埼玉県立近代美術館),
2007年MINERVA展(ランドマークホール)
「ART MAISON Vol.11」収録

キトラ古墳は、日本の古代、7世紀末から8世紀初めくらいの間に築かれたらしいと云われていますが、その内室の東西南北の壁には、夫々の方位の守護神、即ち東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武という四獣神が描かれ、天井には赤道、黄道、内規,外規の四つの円と、多くの星座からなる天文図が描かれています。
 これら四獣神と天文図は、中国、高句麗にも見られ、アジア大陸の東部の古代の宇宙観が日本にも伝わっていたことが分かります。ところがその貴重な文化遺産が描かれている古墳の壁にカビがはえ、壁画の保存に関して、難問が生じています。
 そこで、東アジアの古代の宇宙観という文化を後世に伝えようと、21世紀の現代都市・横浜の南の海上に、南の守護神・朱雀を描きました。
 因みに、朱雀が飛んでいる下に描かれた円弧は、西洋の古代の宇宙観を表す黄道十二宮です。私達が自らの生命を委ねる地球号は、今も昔と変わらず、太陽の恵みの基に活かされているのですから、東洋と西洋の古代の宇宙観を融合させることで、世界は一つ、是非世界平和をという私の願いを表しています。
 海の幸に感謝しながら、世界に門戸を開き、全世界の平和を求める横浜に、朱雀が”寿”(漢字の古い字体・篆書体)の風を送っています。


<青龍の風 1>
(65×50cm) 2006年作
2006年86回朱葉会展
2007年SIRIUS展(東京芸術劇場)
2008年ル・サロン展、2008年日仏協同展(大阪、パリ)
「ART MAISON Vol.12」収録

古代中国の天文学者は太陽の通り道・黄道の周りに28の星座を思い描き、それらを四等分した7つづつの星座を東西南北の守護神、青龍、白虎、朱雀、玄武が守り治めていると云う宇宙観(四神説)を持っていました。
 青龍の下に描かれている円弧は、黄道十二宮で、古代バビロニアから古代エジプト、古代ギリシャを経て欧州に伝わった西方の宇宙観です。
 私達が自らの生命を委ねる地球号は、今も昔と変わらず、太陽の恵みのもとに活かされているのですから、古代の東洋と西洋の宇宙観、四神説と黄道十二宮を融合させた空間を作り、世界は一つという世界平和への私の願いを先ず表明しました。
 さて今回の舞台は、私が18歳まで暮らした飛騨高山の山王祭りです。
 飛騨高山市の東には乗鞍、焼岳、穂高、槍などの峯峯が聳え立ち、霊気を放っています。その霊気に包まれて飛騨人たちは育まれ、大地の恵みに感謝しながら暮らすのですが、その有り難さを、今回はその霊気の中から東の守護神・青龍が現れ、飛騨高山の春祭りに”寿”の風(金色に光ってたなびく風は全て寿という字の篆書体)を吹き送っている図で表現してみました。
 真ん中の屋台はかの有名な龍神台(絡繰り人形の唐子が持って出た壷の中から龍神が飛び出す)です。青龍との関係で取り上げてみました。
 世界の皆さんに平和と幸せが訪れますように!そして生命体の母船・地球号がいつまでも無事でありますように!


<白虎の風 II>

(65×50cm) 2007年作
2007年朱葉会夏季選抜展
2008年Ecology Earth Art(埼玉県立近代美術館)

東洋と西洋の古代の宇宙観、四神説と黄道十二宮とを融合させた空間で、世界は一つという世界平和への私の願いを表明していることは「青龍の風」と同じですが、今回の舞台は、私が学生時代を過ごした奈良です。そこでは、偉大な足跡を残した古今東西の先輩たちに、想念の世界、または現実の世界で多くのことを教えて頂きました。
 そこで、私達の世代も、美しい地球を次世代に引き渡すため、環境の保全に努め、最大の環境破壊をもたらす戦争を無くさなければと諸々の活動を続けているところです。
 生命体の母船・地球号の幸せを祈って、太陽を背に佇む薬師寺の塔の上空に西の守護神・白虎が現れ、”寿”の風を送っている様子を表現してみました。
生命を育む青い星・地球号を人間自身の手で損なうことが無いように祈ります。


<玄武の風>
2008年 第78回朱葉会展
2008年 美術評論とともに観る美術展

「青龍の風」、「朱雀の風」、「白虎の風」を制作し、東洋と西洋の宇宙観,四神説と黄道十二宮とを融合させ,世界平和への願いを表明して来ましたが,今回は四神シリーズの仕上げとして、北の守護神 を取り上げ、「玄武の風」を制作しました。
 日本の中世には、既に優れた抽象芸術・枯山水の庭が造られています。掃き目の付いた砂で大海原を、数個の岩で,神仙が住むという理想郷・鳳来山が有ると云われる”亀”の形をした島を表現した庭です。
 一方で,北の守護神・玄武は、蛇が巻き付いた黒色の”亀”と云われていますから、この想念の中での理想郷・枯山水の上空にこそ玄武をとイメージが湧き上がって来ました。
 南の朱雀が夏,東の青龍が春、西の白虎が秋ですから,玄武の季節は冬です。したがって雪景色の枯山水の上空に黄道十二宮がかかり、そこに玄武が現れて、”寿”の風を送っている図となりました。
 我々生命体の母船・地球号の環境が著しく損なわれ、世界のあちこちで紛争が絶えない今日,世界の平和と,世界の人々の幸せを心から願わずにはいられません。






都心の小さなオアシス

2008-06-25 22:42:39 | 
2008年6月25日(水)



靖国通り、新宿区富久町の成女学園の土手の高いところにオレンジ色の花がちらちら見えるのですが、この時期になるとこの土手には色々の花や草が伸びているので良く見えません。今日は土手の上に周ってみました。



ヒメヒオウギズイセンまたはモントブレチア(クロコスミア)のようですね。

インドハマユウ

ツタのからまる校舎


ギボウシ  成女学園の近くの全長寺