リタイアして働きもせずぶらぶらしていた頃、町内会の役員に欠員が出た事で役員を引き受け
3年目となった。それまでは全く町内会には関心がなかったが、この日本独自の自冶会という地
味な組織が、広報、防災、防犯、行事等、縁の下の力持ち的だがそれなりに重要な組織と感じる
ようになった。・・・しかし。
最近こんな事があった。4月は町内会会費の徴収の月である。私が担当地区の組長さんに集金袋
を渡し、集金を依頼するのであるが、組長さんが「〇〇さん宅では会費を貰えなかった」と言う。
〇〇さんは最近アパートに引っ越してきた若いカップルである。組長さんが集金に行くと若い男の
方が「町内会に入ると何かメリットがあるのか」と言われたそうである。初めて組長になった方は、
まさかそんな質問が出るとは思わなかったであろう。日本の何処に住もうが町内会費は払うのが当
然と、私も何の疑問も持っていなかった。組長さんも気の毒であった。
集金の前に役員は名簿作りの為、新しく引っ越して来た方が居ないか調べ、引っ越して来た方が
有ると、お名前をお聞きするのであるが、私が〇〇さんを尋ねていった時、きれいな奥さんが居られ、
名前を聞くと共に、後日組長さんが会費を集金に来る事を告げた。そして「会費は強制では有りません」
と説明はした。しかし実際に払って貰えないとは思ってもみなかった。
大震災が起きたばかりである。テレビで連日役所・町内会・ボランティアが懸命に被災者を支えて
いる映像を見ているはずである。我々の地域では幸い地震の影響はなく、又新聞沙汰になるような事件も
少なく平和である。平和な時でも活動しているからイザとなった時にお役に立つのである。
月300円、昨今タバコも買えない金額も払って貰えない情けなさ、なにより自冶会の活動そのものを
否定されたようで悲しい。