岡本会長から出馬要請を受けた伸康氏(左から2番目、左端は日裏町長)
県町村会(会長・岡本章九度山町長)は24日、県下21町村長の総意として自民党の二階俊博元幹事長(85)=当選13回、御坊市=の三男で公設第一秘書の伸康氏(46)=田辺市=に次期衆院総選挙和歌山新2区から立候補するよう要請。伸康氏は「重く受け止め、熟慮を重ね、誤りなき選択をしたい」と即答を避けた。伸康氏は二階氏の後継として立候補に意欲があるとされるが、長男で秘書の俊樹氏(58)=御坊市=を推す声もあるため、慎重に言葉を選びながら報道陣の質問に答えていた。
県町村会の岡本会長、副会長の日裏勝己印南町長と西前啓市古座川町長が印南町役場町長室で伸康氏に出馬要請書を渡した。岡本会長は23日の県町村会臨時理事会で21町村長の総意として出馬要請を決めたことを報告した上で、二階氏が幹事長など党・政権中枢で活躍した10年間「伸康氏は東京でずっと二階先生を支えた。年も若く、和歌山県のためにしっかり頑張ってくれる思っている。(私たちが)伸康氏を育てるという気持ちもあり、良い返事を期待したい」と話した。
要請を受けた伸康氏は報道陣の囲み取材で「現場で日々さまざまな課題に取り組んでおられる21の町村長から要請を受けたことは重く重く受け止めなければならない」と述べたうえで「私は秘書であり、私の一存だけで重要な決定をすることはできない。父を支えて下さった後援会、党の関係者ら多くの皆さんに相談し、意見を聞きながら然るべきタイミングでご返事したい」と即答を避けた。
先週、岡本会長から打診があった際は固辞したとのことだが、心境の変化はあったのかとの質問には「(県町村会が全会一致で出馬要請を決めたことは)想像だにしていなかった。重い決断をしていただいた。熟慮に熟慮を重ねたい」と述べるにとどめた一方「父の背中を見て選挙は常に自分との戦いだと思っている。人口減少など、さまざまな課題を抱える自治体にとってはまさに待ったなしであり、20年後、30年後の将来を見据え、誤りなき選択をしないといけない。自分に何ができるか、問うていきたい」とも述べた。
決断のタイミングには「衆議院は常在戦場であり、あまり長く時間をかけるわけにはいかない」と、できるだけ早く結論を出したい考えを示した。二階氏と話をしたのかとの質問には「このことについて父と話はしていない」、政治と金を巡る問題の責任を取る形で二階氏が次期総選挙不出馬を決めたことには「秘書として、その責任は私も負うべきと考え(後継者として)自ら手を上げていいのか自問自答してきた」、世襲には「批判の声も承知しているが、そのことについては私が立候補を決断した際にお話させていただく」と述べた。
二階氏の後継には俊樹氏を推す声もあり、県連の候補者選定も含めて今後の行方が注視されるほか、以前から衆院へのくら替えに意欲を示す世耕弘成参議院議員の動向も注目される。
真妻地区区長会も要請
この日、印南町役場では真妻地区区長会(代表・森口詠士皆瀬川区長)が、伸康氏に「区長の総意として出馬を要請する」との要請書を手渡した。
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