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御坊市・第7次行財政改革実施計画実績 〈2022年11月6日〉

2022年11月07日 08時30分00秒 | 記事


ふるさと納税収入は5年間で14億円


 御坊市が、第7次行財政改革実施計画(平成29年度~令和3年度)の実績をまとめた。「質の高い行政サービスを提供する」や「市民サービスの低下を招かない行革の断行」をテーマに取り組み、37項目のうち35項目が実施済または継続中で達成率は94・6%。ふるさと納税の推進や投資的経費の削減、市税滞納額の縮減など5カ年あわせた財政効果額(経費節減、収入確保)は28億7443万7000円あった。平成11年度からの累計額は64億円にのぼり、成果を上げている。

 第7次計画は(1)市民と行政の協働によるまちづくり(2)多様な連携と交流によるまちづくり(3)持続可能な行財政運営の推進――を基本方針に地方創生に伴う魅力発信や交流人口増、協働事業の推進、収入確保、総人件費の抑制、効率的な行政運営、各種事業の見直しなどに取り組んだ。金額に表せる5年間の財政効果額は27億1456万円。これに7次計画項目外の最終処分場埋立物環境保全負担金収入をあわせると28億7443万7000円となる。
 内訳は、インターネットを活用した「ふるさと納税」の積極的な推進で13億9823万7000円の収入▼令和2年10月から徴収を始めた最終処分場埋立物環境保全負担金で1億5987万7000円の収入▼未利用地の売却で8273万3000円の収入▼職員の休日勤務の振替促進等で総人件費を4526万5000円節減。
 市税滞納分の一部を和歌山地方税回収機構に移管し滞納額の縮減に努めたり、口座振替の推進やコンビニ収納による現年度分の徴収率向上等で3億8303万3000円を確保▼国の補正予算等による有利な財源措置を活用したり、投資的経費を見直すなどで8億273万4000円の財政負担を軽減▼広報「ごぼう」有料広告等で255万8000円の収入があった。
 平成11年度から令和3年度までの財政効果額は、最終処分場埋立物環境保全負担金収入分を含めて64億2515万1000円。職員数は平成11年のピーク411人から2割以上の108人削減した。市総務課は「限りある財源を活用し、住民満足度の高い安定した行政サービスを提供していけるよう引き続き行革に取り組みたい」としている。


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秋の叙勲・藤本良昭(印南町)大谷雅昭(美浜町)溝口幸美、西泰海(日高川町)各氏受章 〈2022年11月5日〉

2022年11月05日 08時30分00秒 | 記事

 令和4年秋の叙勲が発表され、県内から36人が受章した。日高地方から旭日双光章に地方自治功労で印南町古井18の12、元町議の藤本良昭氏(79)。瑞宝小綬章に法務行政事務功労で美浜町三尾1536、元福岡少年院長の大谷雅昭氏(78)と、教育研究功労で日高川町小熊4011の5、和歌山工業高等専門学校名誉教授の溝口幸美氏(79)。瑞宝単光章に消防功労で日高川町入野176、元町消防団長の西泰海氏(73)――の4人が選ばれた。コロナ感染予防で拝謁は行わない。各省庁による伝達式は検討中。県の伝達式は17日に県庁で行う。

地域振興、発展に寄与
旭日双光章 藤本良昭氏
 平成元年8月、印南町議会議員に初当選。以後、8期連続32年間務めた。その間1期4年間議長の要職に就き、円滑な議会運営などに尽力。切目川多目的ダム対策促進協議会、国道425号改良促進協議会の会長を務めるなど地域の振興・発展に寄与した。
 国道425号改良工事では地元議員、議会議長、改良促進協議会長として町と連携し国や県に実現を働きかけるなど全力で取り組み、令和3年に悲願であった町内全工区完成に貢献。梅雨時期や台風による大雨で切目川が氾らんし、河口周辺が農地や住居の浸水に悩まされていたことから、改善に取り組み、河川改修と合わせて上流にダムを建設することで解消できるとし平成13年の事業採択、平成27年のダム竣工に尽力。教育面では、町の発展は未来の担い手である子ども達への教育の充実にあるとの信念で、教育施設の整備とともに少子化に向けた学校統合に奔走、地元議員として真妻と切目川中を統合し清流中を開校(平成11年)、小学校においても切目川と樮川を統合(平成18年)後、さらに切目川と真妻、上洞を統合し清流小の開校(平成21年)と学校統合事業への功績は大きい。また、地籍の明確化による公共事業の円滑化、迅速な災害復旧など地籍調査の重要性をいち早く認め、町当局へ積極的に働きかけ、平成16年度の地籍調査事業着手につなげた。
 藤本氏の話 身に余る光栄で、これも長い間、ご指導、ご支援頂いた地域をはじめ多くの皆様のおかげと感謝申し上げます。


法務教官で指導、教育
瑞宝小綬章 大谷雅昭氏
 昭和43年、喜連川少年院を皮切りに30年間、各地の少年院で法務教官として、家庭裁判所から保護処分として送致された少年たちを社会復帰に向け指導・教育。院内での日常生活のなかで少年たちに寄り添いながらさまざまな働きかけをして、揺れ動く少年たちの物の見方や感じ方を矯正し、更生へと導いた。
 学生時代、「バタ屋部落」と呼ばれた貧しいバラック街に暮らす子どもたちと交流を持っていたとき、子の一人が万引きをして警察に捕まった。同じ部落に暮らす子どもたちも同様の悪事を働いているのに、その親たちは「あの子は泥棒だから遊ぶな」と口々に我が子に命じた。警察に捕まったか否かの差で、捕まった子だけが非難、差別される現実を目の当たりにして「環境で生き方が変わる。そして子どもには選択の余地がない」と感じ、少年院に送られてきた少年たちと向き合う仕事に関心を持ったのがきっかけだった。
 院の少年たちの生活全般に関わり共に立ち直りを考えていくなかで「信頼関係ができてくると、甘えたり、相談を持ってきたり、人間性が回復されてきて。そんな変化を見るのがうれしい」。院内の少年同士の間でも、互いにいい影響を与えあえるような雰囲気がつくれるよう、心がけた。
 定年退職までの間に重ねた転勤は17回。退職後は美浜町に移り、調停委員や保護司、主任児童委員など務めた。
 大谷氏の話 こういう機会を期待してやってきた訳ではありません。大変有り難いと思いますが。


消防団活動の功績大
瑞宝単光章 西 泰海氏
 昭和43年に旧川辺町消防団員になり、川辺消防団、日高川町同分団長、同副団長を経て、平成30年4月から令和4年3月まで団長を務め、町民の安心安全を守るために尽力した。
 45年以上にわたる団員生活では、火災や災害現場で常に先頭に立って地域住民の生命と財産保護に全力を尽くすとともに、地域への防火思想の普及徹底にも力を注いだ。町村合併後、日高川町消防団分団長に就任以来、団員の士気高揚やチームワークづくりに努め、
団内外から認められた。
 町面積の約9割を森林が占め、山林火災の発生や拡大危ぐされる中、非常時にはいち早く現場に駆けつけて先頭に立ち、長年の経験をいかした土地勘と的確な状況判断で団員をけん引して消火活動を行った。
 団長在任時の平成3年秋、夜に発生した千津川地内の建物火災では、周囲を雑木が囲み、消防車両の侵入が困難な状況下で林野火災への拡大が心配された。そんな中、通報を受けると現場に急行し的確な消火活動を行えるよう団員を指揮。広域消防本部と連携し、消火活動に努め山林への延焼拡大を食い止めた。
 紀伊半島大水害時には自宅も被災する中で、避難誘導を指示するなど人的被害を最小限に食い止めた。非災害時にも団員の消防技術向上、規律の保持、器具点検など地域の防火指導者として役割を果たし、地域住民に大きな安心を与えた。
 西氏の話 大変光栄です。団員はじめ諸先輩方や多くの皆様のご指導、ご協力のおかげと家族の支えがあってのものです。


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日高保護司会前会長の伊東直彦さん(御坊市)に藍綬褒章 〈2022年11月3日〉

2022年11月04日 08時30分00秒 | 記事


伊東直彦さん


 令和4年秋の褒章受章者が決まり、日高地方から藍綬褒章で更生保護活動に尽力している御坊市野口の日高保護司会前会長、伊東直彦さん(77)が選ばれた。19年以上にわたり犯罪をした人の改善、更生の支援や犯罪予防の啓発など各種活動に献身的に取り組んでいる。県内全体で5人が受章。新型コロナウイルス感染拡大防止のため拝謁は行わず、伊東さんには和歌山保護観察所長によって伝達される。

 平成15年3月に保護司に委嘱。以来長きにわたり保護観察をはじめ、生活環境調整、犯罪予防活動などに尽くし、犯罪や非行した人たちの社会復帰を支え続ける。30年4月から今年3月まで日高保護司会会長とともに県保護司会連合会理事を歴任した。
「自分や友人の子ども」――。対象者をそのように考え、一人ひとりに心から寄り添う。保護観察ではこれまで窃盗や器物破損などの罪を犯した少年2人と成年男性1人を担当した。対象者の話に親身になって根気強く耳を傾け励まし立ち直りを支え続ける。社会復帰を果たした人たちの元気な姿を見たり、定職に就いて仕事を頑張っていたり健全な暮らしぶりを知った時、これほどうれしいことはない。帰住予定地の調査や引受人に橋渡しをする生活環境調整でも1人を担当した。保護司会では犯罪・非行の未然防止へ各機関と協力しながらさまざまな啓発活動を展開。会長としてメンバーを引っ張り知識向上・後進育成に努め、在任期間中には地域の保護司の活動拠点となる「更生保護サポートセンター」の立ち上げに力を傾注、犯罪・非行歴がある人を雇う「協力雇用主」に2企業が参画し、立ち直りと社会復帰の道筋を築いた。
 受章に「誠に光栄です。これも保護司会や更生保護女性会など関係各位の皆さまのおかげ。来年3月に定年を迎えますが、これまで同様、対象者の更生と非行・犯罪防止などのお役に立てるよう精進していきます」と話した。


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日高町文化賞功労賞に畠山澄男さん、奨励賞は坂成海さん受賞 〈2022年11月2日〉

2022年11月02日 08時30分00秒 | 記事


畠山澄男さん


 令和4年度日高町文化賞の受賞者が決まった。文化功労賞に徳本上人の偉業を後世に残していくために絵解き説法を行うなど尽力した誕生院住職の畠山澄男さん(80)=志賀=が選ばれたほか、文化奨励賞に美術創作で全国や近畿クラスで活躍した紀央館高校2年の坂成海さん(17)=荊木=が受賞。4日午後4時30分から、町中央公民館2階大会議室で表彰式を開く。

 志賀には文政7年(1824年)に開基された誕生院がある。南無阿弥陀仏の念仏をひたすら唱えれば極楽往生できると全国行脚し、説いて人々を救った念仏僧・徳本上人が生まれた地として、建てられたゆかりの寺院。
 畠山さんは、その9代目住職を務めており、同寺には徳本上人の偉業を3幅19コマに描いた掛け軸があり、子どもから大人まで幅広く、徳本上人のことを知ってもらおうと、一コマずつを大型にした絵解き説法を県内外で披露して、30年ほど伝え続けている。
 徳本上人だけでなく、日高町の文化財全般にも造詣が深く、平成21年4月から令和4年3月まで13年に渡り、町文化財保護審議会委員を歴任。豊富な知識と行動力をもって、文化財愛護精神の普及、文化財の保護や活用に献身的に取り組んできたほか、民生児童委員を7年務めるなど広く地域にも貢献してきた。
 畠山さんは「徳本上人のことをわかっていただきたいと、取り組んできただけで、選ばれるとは思わず、ありがたい。今後も生きている限り続けていきたい」と話した。
 坂さんは、令和3年4月から同校美術部に入部し、1年生から副部長、2年生から部長を務め、油彩画や立体作品と幅広く精力的に制作。すでに第46回全国高校総合文化祭東京大会や第42回近畿高校総合文化祭和歌山大会ともに美術工芸部門で立体作品を県代表として出品するなど活躍。現在は来年度の全国総合文化祭への立体作品と全国規模のコンクールに向けて油彩画を制作中という。
 坂さんは「高校に入ってから立体作品の面白さにハマりました。中学1年の頃に受賞したことがあり、まさか2回目を受けられるとは思わず、うれしい。これを機に、また頑張りたい」と喜んだ。


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由良町で大規模な防災訓練を実施 〈2022年11月1日〉

2022年11月01日 08時30分00秒 | 記事


吹井区は活性化センターに避難

久保さんの水害体験を聞く


 11月5日の「世界津波の日」を前に由良町は30日に防災訓練を実施し、町内19区の住民1247人、山名町長ら職員60人の計1307人が参加した。大津波警報発令を受け、各地区の住民が一時避難場所に避難し無線で役場へ連絡。吹井区では土砂災害研修も実施し、紀伊半島大水害で被災した語り部・久保榮子さん(那智勝浦町)の紙芝居を通して体験を聞き、早めの避難、自助・共助の大切さを学んだ。

 午前9時3分に大津波警報発令の町内放送が流れると、吹井区は一時避難場所の吹井活性化センター(海抜6・5メートル)に住民41人が避難し役場に無線で連絡。同区自主防災会長・石井孝治区長が「津波の場合は避難場所は活性化センターですが、土砂災害の場合は白崎会館に避難して下さい。高齢者が多いので避難の感覚を持って。逃げることが大事」と話した。
 この後、避難ルートを確認しながら土砂災害の一時避難場所となっている白崎会館(海抜11・4メートル)へ。土砂災害研修の講師は県土砂災害啓発センターの稲田健二所長らで、2011年9月に発生した紀伊半島大水害の被害状況、土砂災害の種類や気象情報について説明した。
 続いて、紀伊半島大水害で夫を亡くした久保さんが手作りの紙芝居で被災体験を語った。久保さんは避難情報を聞いていたが避難が遅れ家はあっという間に浸水、自身も濁流にのまれながらも助かり、自宅の屋根に逃げた娘も助かったと当時を振り返った。「早く避難していれば大切な命を失うことはなかった」とし、自助・共助の大切さにもふれ「地域の絆がまさかの時に助け合い、全員が助かり犠牲者ゼロにできると思います。『私は大丈夫』という先入観が一番危険なので、安全な所に早く逃げて下さい」と呼びかけた。


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