🌹久保さん退職に寄せられたドイツの教育学者ザビーネ・マイゼさんのメッセージ
私はザビーネ・マイゼです。快晴のベルリンからメッセージを贈ります。ベルリンでは新しい建物が増えていて、後ろでも工事の音がしています。とにかくこのメッセージが皆様に届きますように。
久保先生、私はこれまでの数ヶ月間にわたって一緒に議論してくることができ、本当にうれしく思います。あなたの「提言書」は、これから先も多くの人に読まれ続けていくものと思います。今あなたがご退職を幸せな気持ちで迎えているものと願っています。
今回の訓告措置をあなたは全く動じていないわけですが、しかし若い世代にはよりつよい影響与えていると案じています。おそらく行政職員は、学校の中で教師たちが経験してきた現実に基づく知見をにわかには受け入れないでしょう。子どもたちがひたすらテスト勉強ばかりをし、評価に追われ、子どもたちが主役となるような人間的な教育が損なわれているのにです。
ここドイツで50年前の1970年に起こった出来事を紹介させてください。「反急進主義者令」と呼ばれているものです。多くの先進的な教師たちが「急進主義者」とラベリングされ、学校から排除されました。一部の教師は、裁判などによって、その後再び学校に戻ることができましたが、50年が経過した現在でもなお多くの教師が名誉回復されていません。
この「反急進主義者令」に抵抗して学校に復帰できた教師が書いた記事を最近読みました。彼はその後、長年にわたって、学校に勤務しましたが、過去の「反急進主義者令」の深刻な影響を見てきました。多くの若手の教員たちが自らの意見を表明せず沈黙するようになり、自分の考えを表現することをとても恐れるようになっていったのです。
私は久保先生が訓告措置にびくともしないしていないことを知っていますが、若い世代の為にも放置してはならない問題だと感じています。私はあなたが、これからも若い世代に自らの考えを伝えたり、一緒に議論したりしてくれることを願っています。あるいはそうした道を選ばずに、今度は平和の退職後の人生を送るのも私は嬉しく思い思います。
ザビーネからのご挨拶でした。
https://youtu.be/KbdefwHnzso?si=LWWdjpaMDlmSMgbm
画像は辻野けんまさんがドイツで再会されたザイーネさん