田園 里山 野鳥そしてアルプスの山々

日進市と近隣の里山、春から秋にはアルプスの山々を歩いて感じたこと、考えたことなど・・・

越百山・空木岳縦走 その4

2012年08月10日 | 山歩き

東川岳から木曾殿山荘に戻り、一服して8時過ぎ、伊奈川ダムに向かう下山路を歩き始めました。

木曾殿山荘付近は高山植物のちょっとしたお花畑になっていて、シナノキンバイ、アキノキリンソウ、ハクサンフウロ、ヨツバヒヨドリ、イワギキョウなどが咲き乱れています。

                   木曾殿山荘付近のお花畑

花の写真を撮りながら、7~8分ほど下ると ”義仲の力水” を通ります。ここは木曾殿山荘の水場で、冷たい、おいしい水をたっぷりと補給できるところです。

                       義仲の力水

木曾殿越は源(木曾)義仲が挙兵にあたってアルプスを越えたところとされています。”義仲の力水”という名の通り、アルプス越えの逸話と結び付けられています。”木曾谷を国道19号線で通ると、義仲にちなむ”遺跡”の看板を見かけます。”義仲が育ったのは木曾地方”という話がありますが、歴史的事実かどうかは疑問とされています。一方、源平盛衰記で義仲と木曾を結びつける記述があることも事実で、地元にもさまざまな言い伝えが伝わっているのだと思います。

下山路はほとんどが樹林帯で、ところどころ樹林の切れたところから、乗鞍岳、御嶽山を見ることができます。

 

            下山路途中の”見晴台”から見る御嶽山

ひたすら下って11時半、東川を渡る吊り橋のある北沢に着きました。ここで昼食。山小屋で作ってもらった握り飯を食べます。

                     東川にかかる吊り橋

握り飯を食べながらふとみると、一羽のヒカゲチョウが二の腕に止まって蜜を吸おうと口吻を伸ばしています。片手で携帯を取り出そうとしましたが、そのうちに飛び立ってしまいました。しばらくすると戻ってきて、今度はリュックサックに止まって同じように口吻を伸ばします。

           リュックサックに止まって蜜を吸おうとするヒカゲチョウ

人間の肌も、リュックサックの布も、蜜など吸えないことはすぐにわかりそうなものなのに、結構長い時間そのしぐさを続けていたのが不思議でした。

食事を終えて吊り橋を渡ると、4~50ほど緩い登り道になります。八丁のぞきで御嶽山の最後の姿を見おさめると、再び道は下りになり、20分ほどで兎平に達します。ここから2時間ほど、野草や鳥の観察をしながらの林道歩きで、出発点の伊奈川ダム上の駐車場に戻りました。

下山路ですれちがった登山者は単独行の男性2人、男性の2人連れひと組、男女3人ずつのグループ。いずれも私と同じコースを反対方向にまわる行程です。どうもそちら向きに回る登山者の方が多いようです。ちなみに、木曾殿山荘のマダムの話でも、伊奈川ダムからのこの道が、空木に昇るもっとも楽なコースとのことでした。

ところで、同じ向きの登山者が少ないこともあって、スローペースの私には珍しく、追い越された登山者がいないな、と思っていたら、北澤に下りる手前で若い女性に追い越されました。この女性は朝5時半に私と同じ駐車場を発ち、空木岳を単独・日帰りする計画ということで、木曾殿山荘から30分ほど下ったところですれ違っていたのです。驚くべき快足を目の前で見せてくれました。

そんなわけで、今年初めてのアルプス行きは、それなりに充実した山旅として無事完了しました。このコース一周はなかなかタフですが、越百小屋一泊で越百山を往復するのは、季節によってもいろいろと味わいが異なるので、また来てみたいと思いました。