KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

楢俣川・前深沢~狩小屋沢下降 #1

2012年08月04日 | 沢登り

行動:単独
参考:「その空の下で」 byタケちゃん(前深沢)
    「上信越の谷105ルート」(狩小屋沢)

一日目

天候:
行程:楢俣ダム駐車スペース8:50-狩小屋橋11:50-前深沢出合14:00-20m滝14:50-15m滝15:00-BP16:00

 剣から帰って一週間。今週は涼(=漁?)を求めて沢登りへ。

 今回行くのは上越と言うのか裏尾瀬と言おうか奥利根・楢俣川流域。
 2003年「岳人」にも紹介され、ネットで検索するとけっこう記録の多い「前深沢遡行~狩小屋沢下降」。
 タケちゃんのサイトでも満足度最高の☆4つが付けられ、これはやはり「must沢」なんだろうなと目星をつけていたものの、駐車スペースから沢の出合まで3時間超!
 これはありえん!ということで二の足を踏んでいたが、行った人の感想ではそれを差し引いてもことごとく好印象なので、これは行ってみるしかないなと思い立った。
 
 関越道・水上ICで降り、奈良俣ダムへ。

 石積みの巨大ダムで、先週見たコンクリート造の黒部ダムなどとはまた違った労働者の力の結晶のような迫力がみなぎっているが、調べたところこのダム、何とあの昭和の特撮番組「ウルトラQ」でガラモンが登場した場所だそうである。
 我が人生の原点(?)でもありトラウマともなった「ウルトラQ」の話を始めるととても終わりそうもないのでここでは省くが、ほぼ半世紀を経てこの地を訪れることができたのはちょっと感慨深い。 (←アホ)

 土地勘が無いのでとりあえず突き当たりのオートキャンプ場まで行き、その手前の二俣、ゲートが閉まったところがアプローチの楢俣林道入口だと確認する。

  現在の楢俣林道入口。キャンプ場への分岐の標識有り。

 今回シューズは長いアプローチも含めてアクアステルスのものを使用。
 他の記録を見ると使わなそうだったが、単独なので念のため7mm×30mのロープ、ハーネス、スリングなどを持参した。 (結局、使わなかったけど・・・)

 ゲートの脇から林道に入り歩き始めると、すぐに舗装路が大きく崩壊した場所があり、その後もいたる所で土砂に埋もれたり陥没した所があった。
 これらは近年の地震や集中豪雨によるものらしい。

  歩き始めてすぐの崩壊場所

 3時間の林道歩きは大きく3つのセクションに分けられ、前半が樹林帯の舗装路、中盤が湖岸沿いの気持ちの良い道、後半がワイルド感溢れる藪道となっており、丹沢や奥多摩のような単調な林道を覚悟していた身には変化があってそれほど辛くはなかった。
 それでも長い道のりなので一人で行く場合はi-podなどで好きな曲を聴きながら行くのがオススメ。

  湖岸の気持ちの良い道

 とにかく3時間と見当をつけて歩き続けるが、やがて道は林道から藪に覆われた踏跡程度になって、どこまで進んでいいのかちょっと不安。
 熊除けの笛を鳴らしながら進んでいくと、そのうちガードレールの取れた小さな橋にたどり着いた。
 地面に落ちたガードレールの端を確認すると「狩小屋橋」のプレート。どうやらここが狩小屋沢の入渓点らしい。
 シューズはそのまま、軽く沢支度をし、狩小屋沢とは反対側の流れに入っていく。

  ガードレールの取れてしまった狩小屋橋

 初めての楢俣川だが、天気が良いこともあって、その水流の美しさは目が覚めるよう。
 黄色っぽい岩盤を流れる水はあくまで透明で、こちらの足元を尺をゆうに越える「大物」がすばやく横切ったりする。
 最近の若い連中はイイことも悪いことも全てひっくるめて「これ、ヤバイよ!」などと言ったりしてオヤジ世代としては辟易するのだが、今ここにやってきて一言感想を上げるとしたら一言。
 「・・・この沢、ヤバイよ!」と言うしかない。 (もちろん絶賛の意味で

  
 美しい楢俣川本流

 いっそ今回は沢登りはやめて釣りに専念しようかという思いをグッと堪えて、前深沢へ。

 タケちゃんレポにあるとおり、すぐ右岸(左手)から中深沢が15m滝を懸けてくるので間違うことはないだろう。
 
  
 (左)中深沢出合の15m滝           (右)前深沢出だしの二段8m滝

 癒しのナメ床、さらに二段8m滝を過ぎると、最初の手強そうな滝20m。
 ここはシャワーを浴びつつ滝を横切り左壁を登れるとあるので、そのとおり行く。
 夏の好天が続き、水は少なめなのだろうが、それでもシャワーをもろに被るところは寒さで一気に震えが来る。
 たしかに見た目ほどの悪さはなく、水流左から簡単に登れた。

  シャワーを潜り抜けて突破する20m滝

 続いて15m滝。
 これもそこそこ立っているが、水流左手がホールド豊富で階段状。
 ザックが重くなければ、特に苦労せずロープ無しでいけるだろう。

  15m滝。水流左際を直登。

 全体的には明るく開けた美渓なのだが、中流部が土砂や倒木で埋まっている。
 階段状のナメ滝などちょっと赤木沢にも似た雰囲気なので以前はもっと良かったのだろうが、自然の沢だけに復旧は無理。とても残念である。

 途中、右岸にビバークポイントとして使える乾いた平らな岩床をチェック、もう少し先まで進みトイ状19m滝まで行き、現在位置を確認する。
 他に良いビバークポイントも無く、また上流に行くに従い魚影が薄く小ぶりになってきたので、先ほどの場所で手を打つ。

 前後にパーティーもなく、本日は前深沢を独り占め。
 タープもきれいに張り、なかなか快適な泊まり場となった。

  乾いた岩床の快適な泊まり場

 で、焚き木を集めた後、いよいよ待望の釣りタイム。
 竿を持って少し下流まで戻るが、魚影はイマイチ。
 15m滝の滝壺が良さそうだったので竿を持ったままクライムダウンしていったのだが、ちょっとした拍子に竿の先端をポッキリやってしまった。

 ・・・・・・
 
 まだ一尾も釣っていないのに。
 おのれのドジに大いに凹むが、気を取り直し、テーピングのテープで無理やり補修し、糸を垂らす。
 
 一回、ビビビッ!と強烈な当たりがあるが、気が焦ったか合わせるのが早すぎてバラしてしまう。
 その後、もう一回小さなアタリがあったが、結局この日の釣果はゼロ。
 サバイバル登山というわけではないが、晩のおかずは現地調達のつもりで来ていたため、今夜の飯はレトルトの釜飯のみという寂しいものになってしまった。

 ささやかな焚火で濡れたウェアを乾かし、あとは家から持ってきた老酒と行動食の残りのナッツを食べて、そのままフテ寝となる。



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