二日目
天候:晴れ、朝のうち一時曇り
行程:BP7:50-50m大滝8:35~50-二俣-稜線11:05-至仏山山頂11:10~20-狩小屋沢下降点11:35-F13二段20m滝-狩小屋橋16:00~15-林道起点駐車スペース19:05
タープの下、快適に眠れたと言いたいところだが、ペラペラのシュラフカバーとフリースのシーツだけでは朝方若干寒く、けっこう早く目覚めてしまった。
・・・で、さっそく釣りである。
数多くやっているわけじゃないが、これまで恋ノ岐、黒部東沢、上越サゴイ沢・・・と沢に恵まれてきたおかげで、少なくともボウズは無い。
竿も折られて、このまま釣果なしでは帰れない。
で、昨日の15m滝まで下って再び糸を垂らす。
しばらくポイントを変えながらアタリを待つが、魚影は確認できず。
今回はもうダメか・・・と思いかけたところ、ようやく小ぶりなのがヒット!
とりあえず一矢報いることができて、ホッ。
いつもだったらリリースするサイズだが、今回は自然の恵みに感謝しつつ朝の韓流カップ緬と共においしくいただいた。合掌・・・。
グズグズしていたら8時近くになってしまったので、急いで出発。
少し進み、トイ状19m滝。
見た目、手強そうだが、タケちゃんレポでは濡れてても意外とフリクションが効くとなっていたので、そのまま水流左を直登。
ホールドも固く、足をしっかり置けば特に問題なし。
それにしても、何でここだけ19m?測ったのか?
トイ状19m滝
この先、明るいナメとナメ滝が続き、ちょっとプチ赤木沢雰囲気。
次第に流れも細くなり岩魚も見なくなってきて、ホントにこの先、大滝があるんだろうかとちょっと不安になってくる。
が、しばらくすると前方にどぉーん!と50m滝がついに登場。
これまでせいぜい10~20m級の滝ばかりだったので、これはなかなかの迫力。
前方に突如現れる50m大滝
今回は単独だし、タケちゃんたちもリポD登攀でヤな汗かいたというので、ここは当然「巻き」のつもりでいたが、進行方向から見ると斜めに落ちているせいか意外と壁が立っていないことがわかる。
真下まで行ってとりあえず写真を、などと言いながら、気がつくと無意識のうちに目で登るラインを探ってしまっていた。
植木さんは左の水際、タケちゃんは滝の右壁を登ったようだが、見たところ左端から取り付き下から1/3ほどのところで右斜めに水流を横切り、そのまま右壁の段々になった階段状がイケそう。
あまり無理せずクライムダウンできそうな所まで行ってみようと決め、取り付く。
←登攀ライン(Click)
読みは当たり、特に問題なく割とスイスイ登っていける。
途中から右壁に移ると、古いがしっかりした残置ハーケンを確認。
下を見下ろすと既に結構な高さに来ているが、岩が乾いていることもあり、アクアステルスとの相性はバッチリで、不安は無い。
ビビることもなく快適に段々岩のカンテを越えていく。
核心は最後のスローパーの部分だが、ここは指の腹にグッと念を込めて慎重に突破する。
最後はまた左の水流際に戻って、無事、落口に着いた。
このラインでアクアステルスならグレード的にはせいぜいⅢ+。
初見フリーソロなのでメンタル的にはⅣ+ぐらいか。
タケちゃんらはフェルト・ソールだったろうから、岩の部分は1ランク厳しかっただろうし、植木氏の登った左の水流沿いは上部のホールドが磨かれて何ともイヤラシそう。
改めてあの二人とんでもねーなと思った。
大滝の落口から
そういう自分も「リポD」してしまったが、高さがあるのでホントはきちんとロープ出すか、巻いた方がいいでしょう。 (あくまで自己責任でお願いします。)
今回は釣りが不調で気分がイマイチだったが、この大滝を登り切ったことで大満足。
やっぱり巻かないで良かった。
その後もキレイなナメとナメ滝が続く。
うーん、やっぱり中間部の土砂や倒木で埋もれた部分が実に惜しい。
稜線が近づいてくるとそれまでの明るい癒しの渓相から、赤茶けた岩が連なり、ちょっと荒々しい雰囲気になってくる。
水流も細くなり二俣。右俣には大きなチョックストーンの岩が確認できるのですぐわかる。
当然、水量の多い左俣を選ぶが、後でネットの他の記録を見たら右俣上部はゴミやキジが散乱していてひどい状態だとか。間違っても右俣へは行かないように。
最後の詰めは藪漕ぎこそないが、赤茶色の岩がいつまでもしつこく続き、意外と疲れる。
しかも気を抜いていると、とても動きそうもない大きな岩がゴロンと動いたりする。
源頭部から前深沢を見下ろす。
最後はヘロヘロになりながら稜線に出て、右手、目と鼻の先の至仏山の頂上へ向かう。
「・・・・・・」
先週の剱も凄かったが、ここも中高年の原宿状態。ヘタしたら100人近くいるんじゃなかろうか。
一応、お約束の山頂写真を撮っておきたいが、順番待ちがあったりしてけっこう時間がかかる。
これが槍だったら「北鎌ですか?」と声の一つもかけられるだろうが、ここ至仏山でメット、ハーネスなど身に付けていても完全な異邦人。
そそくさと下山に移る。
下降の狩小屋沢への降り口だが、たしかにそれとわかる表示があるわけでなく、わかりにくい。
幸い天気が良くて周りの地形がよく見渡せるのと、事前にネットで「至仏山から小至仏山に向かって下ること約10分、最低鞍部まで行く手前、二本のポールにロープが張っている所から明瞭な踏跡が延びている。」という情報を得ていたので、たぶんここだろうとすぐ見当がついた。
狩小屋沢への下降点
しかし最初のうちはっきりしていた踏跡もすぐに怪しくなり、しばらくは這松の中のガレを拾って適当に高度を下げていく。
30分ほどでチョロチョロと水流が現われ、二段20mの大滝らしい所に出る。
狩小屋沢は大きめの滝には必ず巻き道があるという話だったがよくわからず、ガイドブックに書かれた登路伝いに岩のカンテをクライムダウンしていったが、途中2か所残置ハーケンもあったりして意外と悪かった。
狩小屋沢上部の20m大滝。滑る黒ヌルに注意!
また、前深沢と違って、こちらは上部のいたる所に黒っぽいヌメリがあり、アクアステルスにとっては大敵。
結局、ロープは使わず下まで全ての滝をクライムダウンで済ませたが、熊笹やシャクナゲの枝に頼る所もままあり、登りよりも神経を使う。
中流部の二段7m滝
ガイドブックでは遡行タイムが4時間10分となっていたので、下りでは当然そんなにはかからないはずと踏んでいたが、ヨレてきたこともあってスピードも上がらず。
トポ図と照らし合わせながら、まだかまだかと下っていき、もういいかげんイヤになった頃にようやく待望の狩小屋橋にたどり着いた。
やっと戻ってきた狩小屋橋
時間に余裕があれば、懲りずにまた釣りをしたかったが、既に夕方の4時。
これからさらに林道を3時間歩くと思うとウンザリするが、しかたがない。
再びi-podで気晴らしをしながら、長い道をトボトボと歩いて二日間の沢旅を終えた。
夕暮れ迫る楢俣湖
今回の前深沢~狩小屋沢下降は、ネットでたくさん記録を見かけるが、体力的にはなかなかハード。
楢俣川流域は長い林道歩きがネックだが、その分俗化してなく、秘境的雰囲気が気に入った。
そのうち、あの知る人ぞ知るススケ沢へも行ってみたい。
大滝フリーソロは凄いですよ!
お魚は残念でしたね。
こちらはまだ歯の治療が終わってませんが、
今月は25,26、やますきーおさんと遡行計画を立ててます。
よろしかったらご一緒にどうですか?また9月も釣りベースの沢もOKですし、ガンガラシバナもOKです。
って事でよろしくお願いします。
でも乾いた部分を選んでアクアステルスなら割とスイスイいけましたね。タケちゃんに鍛えられたおかげです。
もうすっかり完全復帰みたいな様子ですが、大丈夫ですか?
で、今月末ですが残念ながらまだ休みが消化不良のため三連休とし、仙台・ニロへの夜行バス取ってしまったんですよ。
うーん、どうしようか。また連絡します。