日程:2015年3月14日(土) 日帰り
天候:後時々
行程:赤岩橋8:35-赤岩峠9:30-赤岩岳10:23-1,583m峰11:28-P4・12:53-P1・14:31-八丁峠15:36-西岳手前16:12-上落合橋17:31-赤岩橋18:02
行動:単独
先週、今週と八ヶ岳の予定だったが、三月の気まぐれな天気予報に惑わされ、二週続けて見送り。
相方のK氏とは住まいが離れているため今回は一緒に行くのを諦め、お互い適当な近場でお茶を濁すことにする。
で、今回の場所は秩父の赤岩尾根。
昨年冬にも行ったのだが、その時は初めてということもあり、最初の登山口さえよくわからず大幅にタイムロス。
結局、目標の両神山まで行くことができず、途中の八丁峠から下山となった。
一応、それでも赤岩尾根は縦走したことになるのだが、今回はやはり両神山まで辿り着きたい。
土曜の未明に横浜を出発し、登山口の落合橋に着いたのが8時過ぎ。
相変わらず寒々しい廃村風景だが、前回見ているので少しは慣れてしまった。
(左)登山口の赤岩橋 (右)山と廃屋
簡単に支度を整え、8時半スタート。
一回来ているので、迷うこともない・・・はずだったが、赤岩峠までの樹林帯の登りで一回道を見失い、しばらくガレ沢を登り詰めるハメとなった。
そのまま沢を詰めても峠に着きそうだったが、ガレて歩きにくいので左手にある正規の山道へ軌道修正。
フリーやボルダーが楽しめそうな岩を2~3つ見送り、1時間ほどで赤岩峠に到着する。
(左)赤岩峠 (右)赤岩岳北面のルンゼ
さてここからいよいよバリエーションの世界だが、長丁場となるため今回は軽量化に努めた。
前回の経験から(自分は)ロープ、ハーネス、ピッケルは不要と思い、ヘルメットとアイゼン、長めのスリングだけ持つ。
峠には積雪あるもののコース全体の半分以上は岩と土が出ていそうなので、最初はアイゼンを履かないでいく。
そして前回同様、「フィックス・ロープなどの人工物には一切頼らず、木の枝や草付など自然のものだけ使ってOK」という自分だけのルールを課した。
さっそくスタート。やはり冬の時期に来る人は少ないのか人のトレースは皆無で、雪の上にはケモノの足跡しかない。
赤岩岳の正面壁が近づいた所で岩壁の裾を左へトラバースするのだが、この斜面が北面で日陰のせいか凍っていて、アイゼン無しだと早くも難儀する。
(左)大ナゲシ方面を振り返る (右)赤岩岳山頂
それでも灌木を頼りに雪のルンゼ、そして岩のリッジをひと登りで赤岩岳到着。
朝のうち晴れていた天気もこの頃から曇り出し、小雪がチラホラ舞い始めた。
天気は大きく崩れないだろうと見込んで、先へ進む。
少し行って1,583m前衛峰。
ここでちょっとした岩登りが出てくる。
左側のルートは昨年には無かった真新しい赤と黒のロープがフィックスされていたが、登るにはあまりよろしくない。
ここはやはり前回同様、正面突破で行く。
せいぜいアルパインの3級程度。15mほどの岩だが、一人なので慎重に登る。
ここを登ってしまうと、ロープ無しではもう退却は厳しい。
(左)前衛峰 (中)前衛峰にある新しいFIXロープ (右)1,583m峰
前衛峰を越え、1,583m峰との間に切れた細い箇所があり、雪が不安定に乗っていて少しイヤらしいトラバースとなる。
続いて核心と言われる1,583m峰だが、実際には前衛峰よりは難しいことはない。
セオリー通り、右側をトラバース気味に下降してから緩傾斜の岩場を登り返す。
フィックス・ロープがあるが、何とかここも頼らずにクリア。
1,583m峰を過ぎ、もう後は楽勝と考えていたが、まだまだ気の抜けないアップダウンが続く。
途中でガサガサと大きな音がして、一瞬「熊か!」と身構えると、灰色の毛をした大きなカモシカだった。
途中のピーク、P4、P2は確認できたが、P3は知らない間に通り過ぎてしまった。
(左)1,583m峰の残置FIX (右)P4
P1から来た道を振り返る
何度か支尾根に入り込んでしまうが、進むうちにおかしいと気付き、際どいトラバースなどしながら軌道修正。
展望の利くP1に着き、ホッと一息。この辺りは下界もあまり開けた土地では無いので、何とも奥深い所に来たなぁと感じてしまう。
そこからまたしばらく進み、ようやく八丁峠手前の祠に到着。
が、ここでまたまたルートミス。右側の支尾根に入ってしまい二回ほどリングワンデリングとなってしまう。
とにかくしばらく進んで目印のテープを見失ったら、ルートミスと思った方がいい。
何とか元の位置まで戻り、八丁峠に15時半到着。
半ば意地になってアイゼン履かずに通したおかげで、予想以上に時間がかかってしまった。
この先、八丁尾根を伝って両神山までおそらく標準タイムで2時間半。
今からだとヘッデン下山になるのは確実である。
夏ならともかく、この時期一人で初めての藪岩コースを行くのはちょっとリスクが大きい。
両神山はまだまだ遠い・・・
それでも諦めきれずに峠から30分ほど登ってみる。
見晴らしの良い途中のピークから前方を眺めると、八丁尾根はまだまだ大きなギャップが続き、時間がかかりそうだ。残念ながらここで諦める。
雪の状態やコースミスがあったとはいえ、やはり今の自分のペースでは登山口の赤岩橋を朝5時半にスタート、赤岩峠を日の出頃の6時半に出ないと両神山までは厳しい。
八丁峠に戻り、そこからの下りも少し凍っていたが、ここまで来たら最後までノー・アイゼンを貫き通す。
このような冬の低山では、着脱の簡単なスノー・スパイクのようなものが便利だと思った。
雪の時期に二回、赤岩尾根を歩いて感じたことは、それほど難しくはないが、けっして気を抜けないということ。
特に冬はあまり人が入らないので、滑落や道迷いなどした時にはリスクも大きい。
ハイキング以上、アルパイン未満と言われるが、少なくとも八ツの阿弥陀北稜などよりは気が張ると思う。
で、今回一番怖かったのは下山してから。
車に戻り、さて帰ろうとふと周りを見ると、少し離れた場所の小さなバラックにかすかに明かりが点いていた。
(たぶん鉱山関係者だと思うけど)人の気配がまったくない夜の廃村で、これはけっこう怖かった。
赤岩尾根
八つは結構良い天気だったようで、天気予報に翻弄された週末となりました。
私は伊吹山へ山スキーに行ってきました。
期待していなかった割には十分楽しめたので、来年はもう少し早い時期に
何度か通いたいと思います。
積雪が多いときは雪崩れそうな感じですが。
また機会があれば宜しくお願いします。
まさかあの予報から実際晴れているとは思いませんでした。
晴れだと思って山へ行ってみたら天気悪かったとしても、まぁ山だからしかたないと諦めもつきますが、その逆というのはちょっと納得がいかないような?
またの機会にお願いします。
昨年暮れ、伊勢へ行く時、遠くに伊吹山のシルエットが見えました。なかなか良さそうな山ですね。
いつか行ってみたいです。