天候:
行程:出発6:10-白竜峡7:00-大タテガビン前9:00-内蔵助谷出合10:10-黒部ダム12:10
いよいよ最終日。今日もイイ天気。
下ノ廊下も歩くうちに次第に慣れてきて、だんだん単調に感じてきた。
しかし、クライマックスはこれから。
エアリアマップで「危険」マークが連続している地点、白竜峡と呼ばれる辺りがスリリングで面白い。
側壁には手摺となる針金が延々と整備されていて、よほどの高所恐怖症で無い限り足がすくむことはないが、空間に飛び出すように木橋が設置されてたり、もうこれはアトラクションそのもの。
足元もけっして平らではなくゴツゴツと岩が飛び出しているので、写真を撮ったり景色に気を取られたりしてちょっとつまづけば簡単に数百m落ちてしまうだろう。
危険度としては北鎌と同レベル。それでも中高年登山者には人気が高く、言うなれば、おばちゃんたちのヴィア・フェラータといったところか。
交通の便の良さから下ノ廊下は黒部ダムから阿曾原へ抜ける「北上」組が圧倒的に多いと思う。
しかし、それだと上流から下流に向かうことになり、景色の迫力としては半減するのではないかと思う。
実際、白竜峡辺りはゴルジュの中に滝が連続し、北上するパターンだとそれらを振り返るようにチラチラと見ることしかできない。
それに対して南下パターンだと下流から上流へ向かって歩を進めるので、自然と小さな滝も次々と目にするとができ、私としては絶対、阿曾原から黒部ダムへ南下するパターンの方がお薦めである。
白竜峡、大タテガビンとクライマックスを過ぎると次第に道は易しくなり、やがて前方に丸山東壁が見えると内蔵助谷との分岐はすぐそこ。
しばし休憩を取り、この四日間の山旅を振り返る。
あとは歩き慣れた道を行くだけ。
最後の黒部ダムへのキツい登りを終え、トンネルの中に入ると一気に人間くさい世界へ引き戻される。
帰りは大町温泉郷「薬師の湯」。
いつも露天のある新館へ行ってしまうが、今回は旧館の岩風呂も堪能。こちらも渋くてなかなか良かった。
源次郎尾根~北方稜線~下ノ廊下と三つのライト・バリエーションを一気に繋いで剱を巡るコースは紅葉の裏剱というオマケも付いて充実したバリュー・セット。
天気に恵まれれば。オススメです。
写真集[黒部・下ノ廊下(仙人ダム→黒部ダム)]