年縞のでき方や採取法については福井県年縞博物館に行けば映像などで懇切丁寧に解説してもらえますが、アーカイブ※1も公表されていることですし、以下簡単にご紹介します。
1)春夏にプランクトンが多く発生し有機物が比較的多量に沈殿する層とそうでない秋冬の層が交互に湖底に積み重なることによって泥の年輪つまり年縞ができる。
水月湖と三方湖の境界地点、瀬戸(せど) 2)大規模な地形変動や開墾治水事業などで荒らされることもなかった水月湖の静かな湖底環境のおかげでその年縞が7万年分溜まっていった。
2014年コア採取時の写真 3)国際日本文化研究センター安田喜憲教授(当時)が1993年に実施したボーリング調査を皮切りに年縞の調査・研究が進む。ちなみに年縞の存在が明らかになったのは1991年の鳥浜貝塚の水月湖付随調査によってである。
4)湖底から掘り出されたばかりのコア。
5)コアから年縞を取り出す様子。
6)コアから取り出した年縞を半分に切断、記録・写真撮影。
7)処理された年縞。地層の剥ぎ取り標本のようなもので、福井県年縞博物館ではステンドグラスと表現されている。
8)展示室。コアの継ぎ目にあたる部分は他のコアで補っているため、1本ではなく3本の帯裂を並べたような展示になっている。
なお、この記事中の写真は全て福井県年縞博物館のアーカイブから借用したものです。ありがとうございます。それにしても、湖の底にこんなお宝が眠っているなんて、すごいですね。固定観念を取り払って探してみれば身近なところにもいろんな発見があるのかもしれないなあ、と、ワクワクしてしまいます。
※1 営利目的不可などの条件付きで使用させてもらえます。詳しくは年縞博物館の公式HPでご確認ください。