副題は「阿寺断層と東濃地域の岩石」、5月にあった岐阜県博物館地学講座「西濃編」の兄弟講座です。あいにくの雨ですが皆様時間より早く集まられ、いざ出発。今回は小井戸由光氏(岐阜大学名誉教授・特任教授)が講師としてバスに同乗されています!で、最初に一言
「この講座は中学生以上が対象ですので、当然中学校レベルの地学的知識は身についておられると思って話します♪」
えーっとくらげびとがあたふたしているうちにも話はどんどん進みます。まずは本講座の概略と、合間合間に<地学的な考え方をするときは時間も距離も大きく捉えるように>ということが強調されます。例えば花崗岩は日常的な会話の中だと”深成岩の一つでその名とおり地下の深いところで生成される”んですが、地学的な会話の中では”地球の半径が6400㎞あるのに対し、花崗岩の存在する地殻は多く見積もっても地表から100㎞いかないんだから浅い”というわけです。岐阜県の約1/4の面積を占める岩体、濃飛流紋岩(火山岩)に至っては”深くても地表から1㎞以内の出来事なんだから、浅い浅い”のだそうです。尺度が違います。ちなみに花崗岩や巨晶花崗岩(=花崗岩質ペグマタイト)の生成は次のような感じだそうです。
「マグマが地表に出ずにゆっくり冷却されると、温度が下がるにつれてはんれい岩・閃緑岩・花崗岩になる」が、
→水や硫黄など揮発しやすい成分は固まらずにマグマ溜まり(=残留マグマ)の中にとどまる。
→残留マグマ中に揮発性成分が濃集してくると、原子数の大きな元素は液体(=残留マグマ)に取り込まれずに
→残留マグマの上部に集まったガスの中に取り残され、ガスの中で結晶化する。
∴「いわばマグマの残りカスが固まったものが花崗岩であり、ペグマタイト(巨晶花崗岩)である」そうな。
・・・くらげびと(と、息子その1)以外の方には既知の事柄らしく、みなさま余裕の表情です。まだ最初の目的地に着いてもいないんですが、講義の内容についていけるんでしょうか。。。この内容すら正しく聞き取れているのかいないのか、すごく不安です。
(中津川市鉱物博物館にブログ掲載許可取得済み)
写真はお話の中にも出てきたペグマタイト(中津川市鉱物博物館蔵)です。お話を伺ってから実物を見ると、確かに花崗岩より結晶が大きいです。
追記:不安的中。記事を一部訂正させていただきます。恥ずかしながら詳細は11月8日掲載の後日談という名の訂正をご覧くださいませ。
参考:学芸員と歩くふるさとの大地「東濃編」配布資料 Oct.15.2017 岐阜県博物館