平成29年最後の日です。今年も様々な方にお世話になりました。感謝とともに皆々様のご多幸を祈念いたします。来る平成30年、より良い一年になりますように。
くらげびと
平成29年最後の日です。今年も様々な方にお世話になりました。感謝とともに皆々様のご多幸を祈念いたします。来る平成30年、より良い一年になりますように。
くらげびと
・・・ひたすら化石のクリーニングですかね。2017年中に採取した石の整理がまだ追いついていません。せめて応急処置のラベリングだけでもしておかないと産地と採取日がわからなくなりそうで怖いです。(息子その1がクリーニング&ラベリングしてくれれば万事OKなんですが。)
あ、玄関に置きっぱなしの虫の残骸も標本にしないと。。。(これこそ息子その2に丸投げしたい。)
というわけで、子どもたちに付き合って今度の冬休みは過ぎていきそうです。ああ、温泉に入ってゆっくりしたい。
↑コタツでみかんでも良いなあ。でも、我が家にコタツはないのでありました。。。
ここまで回数を重ねてきたたまご話。実は4回目の国語辞書の頁と5回目の漢和辞典の頁の間に「卵と玉子の違い・古語辞典で引いてみると」が入るはずだったのです。が。手持ちの古語辞典をひいてみても何も収穫がなくて書けませんでした。『たまご』でも『かひのこ』でも『かいのこ』『かひご』でも調べたのに。。。。で、昔々おばばさま(祖母)に聞いた話をUPします。
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「少なくとも室町時代にはたまごは『かひのこ』と呼ばれていて、謡本※1にも載っているのよ。ちなみに漢字は『殻の子』」
(調べたけど手持ちの数少ない謡本の中にその記述はありませんでした。どうせなら流派や題(タイトル)まで教えてくださいよ〜!)
「卵食べて殺生の罪に問われるといけないから玉の子って言い換えたのよ、ほら、ウサギを一羽二羽って数えるのと同じよ〜」
(仏教絡み?どうやって調べればいいんですか?いや、でも、室町時代でも雉撃ちとか巻狩とかしてますよね?主目的は軍事訓練で、食料調達ではないのかもしれないけど。。。狩ったら普通食べるような?確証はないけど。。。)
「さらに言うと『緋鹿子(ひかのこ)』ってあるでしょ?あれも子どもに関係のある言葉でね、云々(話は果てしなく続く)」
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・・・くらげびとが小学生の頃、欠伸を噛み殺しながら聞いていたこの手のお話、もっと真面目に聞いておくんだった!!『殻の子』・『かひのこ』・『玉の子』などなど、、、どなたかご存知ありませんか?調べ方が悪いのか、ネットで見てみても、出典まで明記してあるところ見つけられないんですよね。。。息子その1には「まだたまご調べてるの?」って呆れられてしまいましたが。こんなに身近なものなのに定義がはっきりしないなんて、びっくりなんですもん。・・・タマゴを見るたび考え込んでしまう日々はまだ当分続きそうです。
※1 能楽の台本に当たるもの。複数の流派がある。
二黄玉子(二つ黄身が入っているタマゴ)の話から始まり、『卵』と『玉子』の違いなどを書いてまいりましたたまご話、本日は『卵』でも『玉子』でもないタマゴについて書こうかと思います。例えば前回記事にも載っていました「魚のタマゴ」などがそうです。
鱈のタマゴは『たらこ』
飛魚のタマゴは『とびこ』
鰊のタマゴは『かずのこ(数の子)』
鮭・鱒などのタマゴは『いくら』
有名どころはこんな感じでしょうか?このうち『いくら』はロシア語の"икра(ikra)"が語源だそうで、"икра(ikra)"は魚卵全般を指し、特に鮭のタマゴのみを示す言葉ではないそうです。なんとなく英語の"roe"と似ています。この"roe"は魚の体内にあるタマゴもしくは白子を指しており、産みおとされたタマゴには"spawn"という語が使われます。
なお、英語の"egg"は日本語の『卵』と同じくタマゴ全般を指す言葉のようですが、"roe"や"spawn"で表すタマゴの時にはあまり使われません。ざっくり分けると硬い外殻を持つ陸生生物のタマゴ=egg、外膜を持つ水生生物のタマゴ=spawn(or roe)のイメージでしょうか。ちなみに昆虫の卵鞘なんかにはootheca(or egg-case)という語が使われるようです。英語ではタマゴの形状によって単語が変わっているように見受けられます。
さらに中国語を見てみると鶏や鶉・家鴨などのタマゴは『蛋』という字で表されます。日本も『皮蛋』は輸入しているのだから、鳥のタマゴを『蛋』で表してくれれば、わざわざ『玉子』という表現を作らなくても良かったのでは?とも思うのですが・・・でも、今定着しているのは『玉子』で、『蛋』ではないんですよね。。。
↑日本で言うところのキャビアはフランス語のcaviar(魚卵)、英語でもcaviar(チョウザメの卵)。ロシア語だとчёрная икра(黒い魚卵)。
卵と玉子の定義はくらげびとの中では一応ザクッと調べてみて
『卵』は広くタマゴ全般を指し、『玉子』は食品としてのタマゴのうち特に鶏のタマゴを指すことが多い
ってことになりましたが(前回の記事参照)、他の食用タマゴはどうなんでしょう?近くのお店を回って商品の表記を調べたりしてみました。(探したのは全て食用タマゴの表記です。)
鶉:店舗で見つけたのは『卵』と『玉子』の表記が半々。
家鴨:皮蛋しか見つけられず。ネット検索では『卵』が上位表示に。
駝鳥:店舗では見つけられず。ネット検索では『卵』が上位表示に。
鳩:ネット検索では『卵』が上位表示に。
亀:ネット検索では『卵』が上位表示に。
鮭:『魚卵(鮭)』などと併記されているが、『いくら』表記の方が圧倒的に目立つ。
鱒:『魚卵(鱒)』などと併記されているが『いくら』表記の方が目立つ。
鱈:『たらこ』表記。
・・・近場で調べる限り『卵』と『玉子』の間で表記が揺れるのは鶉のみ※1で、他は食用でも『卵』が一般的のようです。『玉子』表記の鶉タマゴの会社さんに確認しようとしたのですが、たまたまなのか?電話がつながらず、お話を聞けませんでした。残念。
食用のタマゴは漢字で『玉子』という表記もされるものの、より一般的な表現である『卵』で表記されることが多い。
(また、議論を避けるためか、より親しみを込めるためか理由は定かではないが、『たまご』表記もかなり浸透している。)
っていうのが今回の推論?になりそうです。(当事者であるお店やさんや販売会社さんに直接聞けなかったのであくまで推測です。)
※1 実をいうと鶏も『玉子』の方が多いものの『卵』表記も少なからずあり、しかも鶏・鶉ともに一番多い表記は『たまご』だった。お題が「鶏以外の食用タマゴ」になっているので本文中では触れていないものの。。。うーむ。