暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

アナログ

2018年05月04日 | 古民家
曳家と言う職業があります…

お城やビルの様な大きな建物から、戸建ての小さな建物を数百メートル離れた場所にも移動させたり…

建物を2mも持ち上げたり…傾いた建物を水平に戻したりするお仕事です。

日本で通常業務として曳家のお仕事をしている会社は、関係者さんからお聞きする限りでは60件ほどだと言われています。

100年ほど前の建物を補修させて頂いた時、使われていた梁材に仕口やほぞの加工がされていて…

その材が別の建物に使われていた部材で、再利用したものだと解りました…

そうなるとその材は100年以上前の物となります。



今ではあまり行われない、移築と言う工事があります…

保存するために、地方から民家園の様な公園に古い建物を移築する事はありますが、費用とその利用する目的とが、割りに合わない事で…

一般的に移築を決断する人はあまりいません。

仕上げてある壁材や化粧材など、一部使えないものはありますが、人が丁寧に剥がしたり、取り外した物に数字などで印を付けて…

とても大変な作業と時間がかかる手仕事です…

そんなに費用と手間をかけるのなら、今時の建物に新築した方が早くて、安いと…ほとんどの方はそんか考えに行くのも致し方ないとは思います。



曳家も移築も古い技術と考え方で、一般的では無いと言われそうですが…

自然災害で被害にあった地域の建物や、社会情勢や環境の変化で移動しなければいけない様な状況は今でもあります…

伝統技術は決して古い技術ではなくて、現代にも無くてはならない大切な技術です…

基本があってその先の進歩があります…

アナログな感覚は、いつの時代も無くしてはいけない大切なものだと想います。









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