50年ほど前には・・・茅葺の屋根に、三和土の土間で竈を使って煮炊きをして・・・
薪で沸かしたゴエモン風呂に入る生活が・・・まだまだ日本各地で見られました・・・。
その暮らしは・・・歴史的な文化遺産として、多くの古民家が公共の場に移築され・・・
比較的リーズナブルな入館料金で・・・当時の雰囲気を味い、体験する事が出来ます・・・。
贅沢な住まいとは・・・?
時代の流れに乗って財を成した方々・・・立派な住まいを建てるのに、建物の規模や広さ・・・
設備が整っているのは当たり前ですが・・・
使われる材のこだわりが強く・・・極端な例では、竣工までに20年以上かかっている内のほぼほぼ20年近くは・・・
使われる木材や素材集めに時間を費やしたそうです・・・。
当時としては貴重なガラスの建具を使ったり・・・幅広の板戸に花鳥図が描かれていたり・・・
花梨や槐(エンジュ)・黒柿に栗・・・大口径の欅や縄文杉など・・・銘木と言われる材が使われていたり・・・
自然に育つ木材・・・同じものは二度と手に入らず・・・その希少性を求めたのでしょうが・・・
・・・時代毎に乱獲された木材は・・・数百年後にならないと手に入りません・・・。
茅葺の古民家が快適で住み良い訳では無く・・・贅沢な建物でもありません・・・
一時はゴミのような扱いを受け・・・二束三文で売りに出ていたような建物ですが・・・
二度と手に入らない木材が使われている建物で・・・伝統の技が生かされている建物です・・・。
銘木は使われていなくても・・・暮らしの知恵が詰まった建物です・・・。
たかが50年されど50年・・・同じ時間でも、ゆっくり流れて来た時間がある時を境に・・・とても速く流れ出してしまい・・・
生活が一変して・・・置いてきてしまった・・・忘れてしまった事がとても多いように思えます・・・。
博物館に飾られるような暮らしに囲まれ、生活する人が今でもいるのに・・・
贅沢と言われる住まいが維持出来なくて・・・行政に寄贈され、公共団体が管理する生活感の無い住まいになってしまいます・・・。
家族や愛着を持って住む人がいる事で、生き生きする住まいの行く末は・・・
新建材の建物も・・・古民家のような建物も・・・暮らしづらい社会になってしまうのでしょうか?