当用漢字は書き言葉を
普及させた。しかし、漢字
の原義から大きく外れた
字を生んでしまったことも
事実である。
「糸し糸しと言う心」と書けば、
なんとなく「戀」(こい)こがれ
る思いが字形に出るが、
今のように「亦(また)心」
(恋)とかくが、
なにかやましい気持がしな
いでもない。
旧字は「絲+言+心」からなり、
もつれた糸に言葉でけじめを
つけようとしても容易に分けら
れない、乱れた心を表す。
余談だが、桜=櫻:旧漢字の
覚え方は、2階(→貝)の女
が気になると覚えた。