「海の音」 2017年06月30日 22時27分26秒 | owarai 今日限り 今日限り ふるえる覚悟はできている 雨音におどろかされ とまどった砂の上 足跡もないくらい 波音がこだまして ほほえんでうつむいた 後れ毛に目がくらむ 覚悟の恋
「遠 恋」恋よりも烈しく ー1- 2017年06月30日 19時45分08秒 | owarai 桜の季節に、佳代子は東京にやって きてわたしの部屋に泊まり、不倫 の恋を終わらせた。 別れ話しの前の夜には「京都に 戻る前に、奥さんのところに乗り 込んでいく」と息巻いていたけれ ど、翌日の夕方、わたしが仕事か ら戻ってくると、佳代子はベット の中から力なく「お帰りなさい」 とわたしを出迎え、 そのあとに、「疲れた。別れと同 時に魂も、抜き取られたみたい」 と呟いた。その夜遅く、学ぶさ んからわたしの部屋にかかって きた電話に、佳代子は「いない と言って」首をふった。 走るのを、佳代子はやめたのだ った。 わたしはひとりで、走り続けて いた。三月が終わり、四月が来 て、桜がすっかり散り、五月( さつき)の蕾が膨らみ始めても ―――来る日も、来る日も。 朝、目覚めた時にはまっさき に、あのひとのことを考えた。 朝には夕暮れ時の風景を、夜 になると朝の風景を、思い浮 かべる癖がついた。なぜなら 東京の朝は、ニューヨークは まだその日の朝だから。 成田空港で、あのひとは教え てくれた。 午前と午後を入れ替えて、二 時間引いたら、俺の時間。四 月になったらサマータイムに なるから、引くのは一時間だけ。 これからは、同じ時間を共有 することさえできないのだと 思った。 俺の方がいつもあとから、追 いかけてるってこと。 朝と夜が反対になるなんて、 悲しいな。 なんで? だって、同じ時間に同じ空、 見られないでしょ。 その代わりに、ふたつの時間 が持てて、ふたつの空を見ら るじゃん。 コーヒーとクロワッサンと フルーツの朝食をとって、 ひとり暮らしのアパートを 出るのは、七時四十分。あの ひとの時間は夕方の六時四 十分。 わたしはいつも、少しずつ 暮れていくニューヨーク の空を思い浮かべた。街を 思い浮かべようとしても、 行ったことがないから、 うまくいかない。 ひとりの例外もなく、誰の 心の中にも、大切な人が 棲んでいるのだと、当たり前 のことなのに、まるで初めて 知ったことのように、思う。 あのひとは今、わたしのこと を想ってくれているだろうか。 わたしが想っているほどに。
相続税【そうぞくぜい】 2017年06月30日 12時00分09秒 | owarai 「古い街の古い蔵から、とき どき、ビックリするような ものが発見されるでしょう。 蔵を調べてないんじゃないん です。 ある家の蔵もそうなんです けど、ヒョッとすると貴重 なものがあるかもしれませ ん。 価値があるとなると課税 対象。 もちろん相続税がドーン ときます。 結局、手放すことになりま すから、それで蔵の中を調べ ないんです。 発見されるときは、孫の頃、 しかもTV「何でも鑑定団」で、 税務署は家、庭の大きさも 分かるので録画を忘れません。
「感じる」 ブリュー・ミュージアム SAKU 店長コラム 2017年06月30日 08時35分01秒 | owarai 【コラム】 ほんの一瞬でも 私をここからつれさってくれる あの感覚 たとえば 本のページのにおいや ヘッドライトの強い印象など それを常にひきおこしてくれる あなたが そうなのです 62体のビスクドールを展示 野沢93番地十二町 ぴんころ地蔵通側 ~柳田二助商店~ ℡0267-62-0220 『創業122年』
お勧めミュージック:Just the way you are (Bossa Nova version) 2017年06月30日 05時07分41秒 | owarai YouTube 『Breeze - Just the way you are (Bossa Nova version) 』 YouTube 『BREEZE - Também bate um coração! (Desafinado by Jobim) 』 YouTube :シネマ・パラダイス/ ゲスト: ヨーヨーマ 『Cinema Paradiso • HD1080p • Chris Botti feat Yo Yo Ma in Boston 』 YouTube 『少女がお金を恵んだらオーケストラの大演奏のサプライズ 』
「遠 恋」 ―刹那―Ⅵ 2017年06月29日 18時49分47秒 | owarai 広いガラスの自動ドアの向こ うに、ベンチがいくつか並んで いた。まるで恋人たちに必要な 孤独を守ろうとするかのように、 ベンチとベンチの間隔は遠く、 離れていた。 ひとつだけ、空いているベンチ があった。 見えない手に導かれるようにし て、わたしたちはそこに腰かけた。 忘れな草の水色を滲ませた、夕暮れ 前の空。 ときどき、急に何かを思い出したよ うに、吹いてくる突風。 ごーっと唸るジェットエンジンの音。 日常から切り離された、どこかよそ よそしい、緊張を孕んだ空気に包ま れて、わたしたちはただ、寄り添っ ていた。 あのひともわたしも、言葉を失って いた。五分前に会えた。でも五分後 に迫っている。別れを前にして。 目の前で、まるで意を決したように、 一機の旅客機が飛び立とうとしてい た。 「あれが俺の乗る飛行機だったり して」 と、あのひとは言って、わたしは 顔を覗き込んだ。泣き顔のように なってしまっている、わたしの笑 顔を。 「俺けっこうドジだから、そういう こと、よくあるんだよね」 わたしは黙って、あのひとのそ ばに座っていた。喉がからから に渇いていた。けれど、それは 何かを飲んでも、決して癒えな い渇きだと知っていた。 「よく来てくれたね」 そう言ったあのひと声は、心なし か、掠れていた。 「会いたいから」 「さっきは、驚かなかったなんて 言ったけど、ほんとはすっごく驚 いてた。心臓が止まりそうなくら い」 「驚かせてごめんなさい。でもどう しても会いたくなって」 「俺も。もう、どれだけ会いたいか ったかというと」 言葉はそこで途切れて、長い両腕を 持てあますようにしながら、ぎこち なく、それでいて、まるで電流のよ うに容赦なく、あのひとは、わたし の躰を抱きしめてくれた。 男の腕だと思った。欲望を感じた。 わたしの欲望だ。心臓が、早鐘を 打ち鳴らしていた。あのひとに、 聞こえてしまうのではないかと 思えるほど、好き、好き、好きと。 恥ずかしいくらいに。 でもその時、わたしの耳はちょうど あのひとの心臓の真上にあった。 だから、聞こえた。あのひとの 胸の鼓動。それはわたしの鼓動 よりも何倍も烈しく、波打って いた。 それから、キスがやってくる。 記憶の中ではすでに一万回、 いいえそれ以上、幾度も幾度も 重ねてきた―――たった一度 だけの―――わたしたちのキス。 繰り返し、繰り返し、すり切れる まで再生しても、決して古びる ことのない記憶。 思い出すたびに、胸の奥から湧 き出してくる情熱の息吹。それを 感じるたびに、わたしは無条件で、 愛を信じることができる。 わたしの唇に、あのひとの温かな 唇が触れた、その刹那。 それは、わたしの中でもうひとり のわたしが生まれ、わたしのもう ひとつの人生が始まった瞬間だった。
女には売りどきがある。 2017年06月29日 13時39分10秒 | owarai いつまでもあると思うな、 男と若さ。 「最近、ウソのように、 私、もてなーい」 ということがある。 猫のシーズンのように、 人間の雌も、 雌を魅(ひ)つける時期という ものがある気がする。 人生のなかで それは何回か、 オトズレる。 経済用語で、 ”社会の窓”というなぁ~。 全開のときを見極める、 女が、 待ちの時代は終わったのです。 今日、もう一度言っておきます、 いつまでも、あると思うな、 ”男と若さ”、です。
「 男の毒牙 」 2017年06月29日 12時00分00秒 | owarai 女は誰でも 「天使」を着て、 この世に生まれてくる という。 傷つかなければ死ぬまで 天使のままだ。 裏切られれば天使だって 泣き叫ぶし、 包丁を手にするかもしれ ない。 男の毒は、先天的なもの だけど、 女の毒って、男の毒の 触媒がなければ発生 しないもの。 愛が注がれれば、 天使の服は再生可能。 ・・・・・・・・・・・・・。
「一瞬」 2017年06月29日 05時14分23秒 | owarai あなたの憂いの一瞬と 出会えた時 写真のようにこの感じを 忘れないように胸に刻む 思い出すために すこしでも強く 思い出すために すこしでも長く 悲しくもこの恋が純粋であるように 心をこめて またあなたを思い出すために
お勧めミュージック:2タイトル 2017年06月29日 04時33分37秒 | owarai YouTube 『Quartetto Moderno – Love Theme from Spartacus』 イージーリスニング;フルート 演奏者:Quartetto Moderno イタリアのジャズバンドによる 心地よいラウンジミュージック YouTube 『Ryuichi Sakamoto & Jaques e Paula Morelenbaum² - O Grande Amor 』 演奏者:Jaques Morelenbaum ジャンヌ:ボサノバ 備考:CM起用されてます。 共演、坂本龍一
「遠 恋」 ―刹那―Ⅳ 2017年06月28日 18時37分03秒 | owarai このひとには「確信」という 言葉が似合う。 その時、そんなことを思った 記憶がある。 生まれてからきょうまで、数え 切れないほど多くの人とすれ 違い、出会いと別れを繰り返し てきた。 これからも、それは繰り返され ていくだろう。 おそらくこの世には、別れの来 ない出会いはなく、永遠に変わ らないものなど、何ひとつとし て、ないのかもしれない。 にもかかわらず、あのひとは今 でも、わたしにとって唯一の 「確信」であり続ける。 あのひとは、晴れた海。この世 でただひとり、わたしに「確かな ものはある」と、信じさせてくれた 人。 「おなか、空いてる?」 「空いていない」 「喉渇いてる?」 「乾いてない」 「行きたいところ、ある?」 「アメリカ」 あのひとは笑った。声をあげて 「じゃあ一緒に行くか」。 それからあのひとは、搭乗券に目を 落として。言った。 「あと十分くらいは、一緒にいられ るかな」 ひとりごとのようにも聞こえた。 ああ神様と、わたしは思った。時間は 止められない。わかっているけれど、 神様、どうか止めて欲しい。 止まって欲しい。一分でも、十秒でも いいから、止めて。わたしたちの頭上 で。 「飛行機でも、見にいくか」 あのひとは呟くように言い、わたし は小さく頷いた。 エスカレーターに並んで乗って、展望 ロビーまで上がっていった。わたし の躰は、あのひとの躰に、引き寄せれ たままだった。 「まるで恋人同士みたい?」 わたしが問うと、あのひとは答えた。 「恋人同士だよ。文句ある?」 エスカレーターに乗っているあいだ に、交わされた会話はそれきりだった。
「女の年代」 ブリュー・ミュージアム SAKU 店長コラム 2017年06月28日 16時01分50秒 | owarai 【コラム】 二十代の女はアフリカ。 どこもかしこも熱い。 三十代の女はインド。 神秘的。 四十代の女はアメリカ。 テクニシャン。 五十代の女はオーストラリア。 エレガント。 六十代の女はローマ。 凛とした古代遺跡。 七十代の女はシベリア。 誰も、行きたがらない。 63体のビスクドールを展示 野沢93番地十二町 ぴんころ地蔵通側 ~柳田二助商店~ ℡0267-62-0220 『創業122年』
動物愛護 【どうぶつあいご】 ブリュー・ミュージアム SAKU 店長コラム 2017年06月28日 13時42分21秒 | owarai 【コラム】 動物愛護【どうぶつあいご】 「野良犬や、野良ネコを処分 する費用が五億円を軽く越し ます。 そういう金が動物愛護に使 われるなら筋が通るんです けどね」 ※ 「内戦と飢えじゃ、子供たち は死ぬより仕方がないんじゃ ないんですかねェ。 動物愛護協会ってのは 人間はどうなってもいいんですかねェ」 63体のビスクドールを展示 野沢93番地十二町 ぴんころ地蔵通側 ~柳田二助商店~ ℡0267-62-0220 『創業122年』
天才【てんさい】 ブリュー・ミュージアム SAKU 店長コラム 2017年06月28日 08時40分27秒 | owarai 【コラム】 天才【てんさい】 「天才はいくらでもいます。 その天才を認めて、育てる 人がまるでいないんです “みやぞん”を見てくだ さい!」 ※ 「二十二歳で『大つごもり』 二十三歳で『たけくらべ』 『十三夜』 二十四歳で亡くなって・・・。 樋口一葉も作曲家の滝廉太郎 も二十四歳で亡くなってます が、明治までですね、老成 した天才というのは」 63体のビスクドールを展示 野沢93番地十二町 ぴんころ地蔵通側 ~柳田二助商店~ ℡0267-62-0220 『創業122年』