物語のひとつが終わったのだ。
素晴らしい恋の物語だった。
しかしあの恋にも、何かが決
定的に欠けてしまっていたのだ。
何かめくるめくようなものが・・
・・・。
それは初めのうちは確かに在った
もので、歳月と共に、少しずつ、
しかし確実に色あせていったもの。
―神秘性―
貝殻をひろった
貝殻がきれいだったから
それをもって帰って机の上に
飾った
貝殻はずっとそこにあって
やがて私に忘れられた
そのように人をひろってきても
人はずっとそこにいないから
なかなか忘れ去られない
時には大いに被害をこうむった
りする
泣かされない恋なら覚悟もでき
ない
覚悟のない恋はガラスのない
窓だ
素晴らしい恋の物語だった。
しかしあの恋にも、何かが決
定的に欠けてしまっていたのだ。
何かめくるめくようなものが・・
・・・。
それは初めのうちは確かに在った
もので、歳月と共に、少しずつ、
しかし確実に色あせていったもの。
―神秘性―
貝殻をひろった
貝殻がきれいだったから
それをもって帰って机の上に
飾った
貝殻はずっとそこにあって
やがて私に忘れられた
そのように人をひろってきても
人はずっとそこにいないから
なかなか忘れ去られない
時には大いに被害をこうむった
りする
泣かされない恋なら覚悟もでき
ない
覚悟のない恋はガラスのない
窓だ