一旦、別れてまた合流する川の
ように、彼女の中から懐かしさ
が溢れ出す。それは長く忘れて
いた感覚で、出会いの頃の息苦
しいほどのときめきを伴って
いる。
帰って来たのは私の方だと彼女
は気付く。男に初めて会った、
あの日の自分に。
肩の力がふっと抜けた。喜びが
体の筋々に伝わって、ゆっくり
筋肉を弛緩させてゆく。
涙に濡れた顔が和む。舌が甘や
かな言葉を紡ぎだす。
かけひきなど意識せず
自然体で恋はしたい
と思うものの 素のままで
心をぶつけ合うと
よじれた部分も 生まれてくる
時には 化粧も必要だろうか
素のままで、
疲れない恋になるには
ある熟練と
よじれる心を 積み重ね
解き放つまでの 長い 長い
時間を経ていくのだろう
小休止といっても
余裕のある心でなければ
迷うだけの
うつろな時間に なってしまう
それでも 積み重ねたら、
いつか 実になる日が
来るのだろうと・・・・・
そう思って
ひとりの夜を
いやおうなく過ごすのもいい
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Friday Night Plans - "Plastic Love" (Live at Studio Tanta)
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