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デマゴーグの時代 大阪市長選リストねつ造問題

2012年03月28日 | 大阪
<大阪市交通局>市長選リスト問題 捏造断定 何のため 組合「犯人視責任を」、維新「追及問題ない」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120327-00000006-maiall-pol
毎日新聞 3月27日(火)12時36分配信

 最初に大阪交通労働組合(大交)とその関係者、ならびにこのブログの少ない読者にお詫びします。大阪市長選挙で、大交が「『平松邦夫・前市長の推薦人紹介カード』を作成し配布した」というのは事実無根で、事務補助の男性非常勤嘱託職員(非組合員)がねつ造したものであることが明らかになった。この件での労働組合批判は、謝罪し撤回します。

 もちろん、橋下-維新の会の公務員・労働組合攻撃を許したのは、今までの怠慢・腐敗・裏切りだ。また大阪都構想の欺瞞性・ペテン性を行政のプロとして暴きたてることもなく、橋下個人の人格攻撃・ネガティブキャンペーンにあけくれた罪は消えない。労働組合は、橋下維新勢力による攻撃でなく、まず自らの手で自己切開して建て直さねばならない。

 交通局内部での調査では、職員は事実をまだ認めていない。当初は「知らない」と無関係を装ったが、パソコンの履歴を「動かぬ証拠」として突きつけられると絶句したと伝えられる。聞き取りに立ち会った市特別顧問の野村修也弁護士は、「この職員には、局内で推薦人紹介カードの配布など選挙活動がまん延していることへの問題意識があった」と取材に答えている。

 この問題を追及してきたのが維新の杉村幸太郎市議(33)=平野区選出、1期目=である。現在はこの杉村市議が、リストの提供を受けた「非常勤嘱託職員」と、このデータをねつ造した「36歳男性非常勤嘱託職員」と、同一人物かどうかに注目が集まる。ねつ造発覚後、入手ルートなどを確認しようとしたが、26日夜の時点で連絡が取れていないという。

 橋下徹市長は「トップとして申し訳なく思う」と陳謝しながら、「しかし職場内での政治活動という事実自体が消えたわけではない」と強弁する。大阪維新の会市議団は「議会で取り上げたことに問題はなかった」、杉村市議は「疑惑があれば議会で質疑するのが私の仕事。間違ったことはしていない」と釈明し開き直るだけだ。

 3月14日、大阪市労連の幹部は、この「交通局職員リスト」について、「維新の会はリストの真偽も確かめず市議会で質問し、労組が犯人扱いされた。市民に説明すべき」と朝日新聞の取材に答えた。

 大阪維新の会市議団は公式サイトで、杉村市議はブログで、この市労連幹部の発言に対して抗議文を発表した。

◆大阪市労働組合連合会の幹部のコメントへの抗議文(大阪維新の会・大阪市会議員団)
http://ishinnokai-osakashikai.jp/activities/seimu/1052.html

◆我々の覚悟(杉村市議)
http://ameblo.jp/osakaishin/entry-11194962485.html

 「議員には強制調査が可能な権限がありません。任意提出を求める調査ができるにすぎないのです」「議会活動を封殺しようとする今回の言動には断固抗議します」と維新の会は言っている。

 憲法には、国権の最高機関たる国会については、広範な議院自律権を認め、議員の発言について憲法51条にいわゆる免責特権の定めがある。おれは地方議会にも、この免責特権は適用すべきだと考える。市議団は地方公共団体の監督義務を遂行しなければならない。

 しかしこのことは、資料の真偽を正し、調査を行う義務を免除するものではない。「強制捜査の権限」がなければなおさらなのだ。橋下市長がよく例にする「民間企業」には、そんなものはない。こんなことをやったら、たちまち社会的信頼を失墜するだろう。「強制捜査の権利」がなければ、虚偽の情報に基づき、第三者の名誉を毀損したり社会的信頼を失墜する不法行為が許されるとでもいうのか?

 「職員の証言」だけに基づき、資料の精査も行わず、労働組合の社会的評価を低下させるような行為が、どうして許されようか。「強制捜査の権利」がなければ、リサーチもヒアリングひとつ仕事できない無能な市長も市議も、全員やめてしまえばいいのだ。

 もちろん、労働組合が、組合の会計や活動を公表するのは、維新の会にいわれなくても当然のことだ。組合費は組合員一人ひとりから預かった組合費であり、公務員労働組合ならその原資は市民の納めた税金であることはいうまでもない。

 だが、それを行うのは、市の財政悪化の責任を労働者だけに押しつけ、さらにハコモノ化を推し進める橋下市長と維新の会のためではない。労働組合は、住民大衆の批判と恐れず向き合い、運動のなかに組み込んでいくほかに、運動の再生も、大阪市の未来もありえない。それができなければ、大阪都構想やカジノやベイエリア再開発や地下鉄延伸などハコモノ利権と一緒に、泉州沖に沈んでしまえばよい。

 労組アンケートやメール調査と同じ、あまりに大阪的な、大阪的なお粗末さである。吉本新喜劇のようにボケ・ツッコミのドタバタコントをやっている場合なのか。

 このねつ造リストを作成した男性職員が単独犯なのか、それとも背後関係があるのかは、わからない。

 現時点で指摘できることはある。このねつ造職員リストが市議会で問題になったのは、大阪市職員アンケート問題が発覚する直前であり、ほぼ同時進行だということである。このエントリの最後に時系列でまとめておく。

 杉村市議が「内部告発」を受けた時期は明らかにされていない。しかし、大阪市職員アンケートは、このねつ造リストを前提とした上で作成されたものだろう。あの大阪市職員アンケートも、1日や2日でできるものではない。

 おれが思い出したのは、対立組織のニセ機関紙やニセ文書をばらまいて、デマ・誹謗・中傷を続ける革マル派である。革マル派はニセだと暴露されても、敵対組織の「真実の姿」を伝えるための正当な活動だと堂々と開き直っていた。橋下とその仲間たちは、謀略論好き陰謀史観の革マル派とそっくりだ。ニセ文書をねつ造しなければ敵を批判できない「告発者」も、「強制捜査の権限」がなければ調査できないという甘ったれのくせに権力だけはほしがる政治集団も、その発想において同型的なのだ。

 目的のために手段を選ばない権謀術数? マキャベリをなめてもらっては困る。こんな大規模で悪質な情報漏洩と法令違反があれば、徹底した内部調査を行い、パソコンの履歴まで調べ上げるものだ。告発者も維新の会も、そんな常識もなかった。すぐに騙され、脊髄反射しかできない陰謀脳・謀略脳の電波集団に、どうして大阪の未来を任せられよう。大阪をなめるな!




………………………………………………………………………………………
【資料1】
◆大阪市長選をめぐり“脅し”疑惑と題したテレビ報道(You Tube)
http://www.youtube.com/watch?v=9OeUWNCVtQs

【資料2】
◇組合リスト問題の経過◇

 <2011年>
5月 1年契約でリストをねつ造した事務補助の男性非常勤嘱託職員(非組合員)が採用される

9~11月頃 杉村幸太郎・維新市議が男性との接触を開始。大交が市長選期間中に配布した違法な選挙ビラを含め、数件の情報提供を受ける。

11月27日 大阪市長選で「大阪維新の会」の橋下徹代表が平松邦夫前市長を破り当選

 <2012年>
~2月 非常勤嘱託職員男性(同一人物かは不明)がねつ造リストを杉村市議に提供。「組合支部長が職場のリサイクルコーナーに置いた資料を持ってきた」と説明。

2月6日 杉村市議が平松前市長の推薦人紹介カードの配布リストの存在を公表、組合に嫌疑が向けられる。組合は作成を全面否定

2月7日 橋下市長がリストの信ぴょう性を調査する方針を表明

 (2月9日 「労使関係に関する職員のアンケート調査」配布。調査期間は「2/10~16」)


2月10日 市議会市政改革特別委員会で杉村市議がリスト問題を追及
 (2月13日 市労働組合連合会(市労連)「アンケートは不当労働行為」として大阪府労働委員会に救済申し立て)


 (2月17日 調査を担当する市特別顧問の野村修也弁護士、回収したアンケートの開封や集計作業を一時凍結と発表)


3月2日 組合が無印公文書偽造・同行使などの容疑で、容疑者を特定せずに大阪地検に告発

3月8日 交通水道委員会にて、杉村市議、「交通局の労使関係にかかる報告書について」「知人・友人紹介カード」に関する調査について」「交通局における管理職を対象としたアンケート調査について」などについて質問に立つ。
◆大阪市会インターネット録画放映
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu260/live/committee/20120308kou.html

3月14日 維新市議団が地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで大阪地検に告発

3月16日 大阪維新の会市会議員団・杉村市議、8日の市労連幹部の朝日新聞コメントに抗議文発表(本文参照)。

3月26日 市交通局が30代の男性非常勤嘱託職員がリストを捏造したと発表




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5 コメント

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Unknown (トテトテトテ )
2012-03-28 15:37:25
>あまりに大阪的な、大阪的なお粗末さ
その傾向は少なくとも八十年代から変わってないと思います。かつてお粗末だったのは組合側だけでなく、むしろ大阪府知事・市長などトップと労組との馴れ合い構造でした。ところが、かつての馴れ合い談合利権政治を批判することで支持者を増やし台頭してきた「維新の会」が、今度はお粗末な事態を起こしてる。なんとも皮肉な気がします。大阪府・市民の皆さんには失礼かも知れませんが、なんだか気の毒にさえ思えてきます。滋賀県も広域連合に参加しているので、他人事じゃないわけですが。
>五十一条
判例見ました。六法見るのほんと久しぶりでしたが、なんと印付けてました。「最大判昭42・5・24」「最判平9・9・9」。
トテトテトテ~。
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Unknown (kuro_mac@no_where)
2012-03-29 12:13:39
さくらの日なんかあったのかー。去年の桜は「今年ばかりは」でした。

「闘争するのは簡単だ。上司がいればいい。しかしほんとに大変なのは組織を維持することだ」

橋下は「公務員」、左派は「橋下」って言い換えると、おそまつな現状でしょうか。

大阪、他府県とも経済や何かやでつながっていて、他府県から通ってきたり家族がいたりするわけで、大阪の混乱は大阪だけですまない。多大な迷惑をかけます。

とある会社のキャンペーンで、大阪支社には往生したものです。アンケートの回収率も、納期遵守率も最悪。滋賀>京都>奈良>兵庫>和歌山>>>超えられない壁>>>大阪でした。東京本社の決定に抵抗するならともかく、やる気がない。不景気を人一倍大きな声でぼやきながら、自分からはめんどうなことはやりたくないわけです。

もちろん人数が多いのもあり、全員がそうでありません。優秀な人たちも多い。ごく一部……のわりには、結構多いなあ。

これも持論ですが、どんな集団もカシコ20%、フツコ60%、ダメコ20%だと。みんなが下を見て、ダメコでええやんとなったら組織は終わりだと。この比率は大阪も、よそも大きくは変わらない。しかし目先の利・得ばかりで、理・徳を軽視しないがしろの声ばかりが、やたら大きい。ダメコは楽したいから、フツコもそちらに引っ張られる傾向はありますね。歴史的な成り立ちからいって、フィジカルにもメタフィジカルにも液状化起こしやすい町なんですよ。


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Unknown (トテトテトテ )
2012-03-29 18:19:28
>大変なのは組織を維持
確かに大変だと思います。でも組織の活動内容によると思っています。
>他府県とも経済や何かやでつながっていて
水瓶もお忘れなく。
>最悪
大阪市東淀川区に2年半ほど下宿していました。橋下市長が潰すといってる柴島浄水場のそばです。最悪自慢か最高自慢かというオール・オア・ナッシングな態度があまりにも濃いので窒息しそうになりました。もともとはカオス的なエネルギーが大阪の持ち味で好きだったのですが、あちこちにお山の大将がいて困ったものです。
>どんな集団もカシコ20%
パーセンテージではありませんが、学生時代(関大在籍中)に友人数人(京都・大阪・奈良・兵庫)と話したことがあります。そのときは「10人中2人くらいかなあ」ということで話がまとまった覚えがあります。
>no_where
なんだか哀愁が───。
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Unknown (kuro_mac@no_where)
2012-03-29 22:38:53
とあるお山の大将会議の事務方をやらされました。

何人か遅刻なのはデフォルト。議案Aで激論、多数決。議題Bで甲さん遅参。議事中断、少数意見蒸し返し。議案Bは引き続き協議事項とすると、乙さん遅参。A、B両面巻き戻し。議案Cはスムーズに決まりホッとしたのも束の間、携帯で途中退席の丙さんが帰室、「わしゃ聞いてへんがな」(以下絶滅するまで続く)。

あれにはだいぶん鍛えられ、勉強になりました。

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Unknown (kuro_mac@power_of_osaka)
2012-03-31 13:44:37
橋下杉村維新はばかなの死ぬの?

■元職員「偽物かも」と維新市議にメール…追及前
 読売新聞 3月31日(土)9時13分配信
 大阪市交通局の元嘱託職員(解雇)が、昨秋の市長選を巡り、前市長の支援を求める労組名義の職員リストを捏造(ねつぞう)していた問題で、元職員からリストを提供された大阪維新の会市議団の杉村幸太郎議員が、2月の市議会でリストを基に労使癒着を追及する2日前、元職員から「偽物かもしれない」とのメールを受け取っていたことがわかった。

 しかし杉村議員は元職員を疑わず、組合側にも真偽を確認していなかったという。

 杉村議員によると、2月1日にリストを郵送で受け取り、不審な点などを指摘すると、元職員は同8日に「偽物をつかませてしまったかもしれず、申し訳ないことをした」とメールを送ってきたという。

 しかし、杉村議員は同10日の委員会でリストを取り上げ、「交通局と組合が組織ぐるみで市長選に関与していたことを裏付けるものだ」「信ぴょう性が非常に高い」と追及していた。

 杉村議員は30日、読売新聞の取材に「それまでに元職員から提供された資料はすべて本物だった。リストだけが偽物だとは思いもせず、信じた」と釈明した。

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