

漫画のはなしが続きます。甘いラブコメの次は、ちょっとビターな青春ミステリ。
仕事に疲れ、コミックを眺めていると、『氷菓』を11巻までしか持っていないことに気づきました。
11巻は2017年10月刊行。漫画の品ぞろえは良かった近所の本屋さんの閉店は大きかったです。
12巻の出た2019年4月には、入院しています。退院後、思うところあり、蔵書の一部を処分し、本の購入頻度も落ちました。
今回、アニメが終わって10年以上ですが、いまもコミカライズの連載は続いていることを知り、最新の16巻まで取り寄せました。
タスクオーナさんの作画はやはりいいですね。12巻の表紙絵は、生き雛まつり(飛騨高山のお祭りがモデルのようです)で雛に扮する千反田える、傘持ちの折木奉太郎です。
13巻からは2年生編です。原作では『ふたりの距離の概算』。ここから先はアニメ化されていないため、設定資料もありません。期待の新入部員、大日向さんは、タスクオーナさんデザインなのでしょう。

このブログの過去記事を読んだら、現時点での最新作『いまさら翼といわれても』の発表が2015年です。『ふたりの距離の概算』も、原作を読んだのは10年以上前でしょう。しかし、そうそう、こんな感じのキャラクターだったなあと思い出せるから不思議ですね。
大日向さんのフルネームは、大日向友子。
最後は古典部を去っていくところは、『涼宮ハルヒの驚愕』に登場する、SOS団の新入団員・渡橋泰水(わたはしやすみ)を思い出させます。この作品でもマラソンが重要な役割を果たしていました。
「ビター」といったのは、第一作の『氷菓』から、「青春の痛み」がこのシリーズの基調をなしてきたからです。『ふたりの距離の概算』では、千反田えると大日向友子のふたりのすれ違いのドラマです。
始まりは、大日向の発案で、奉太郎の誕生祝いに古典部総出で家に押しかけた日のこと。だれも奉太郎の家に行ったことがないはずなのに、迷わずたどり着いたことを不思議に思う大日向。えるは、生きびな祭りのあと、風邪を引いた奉太郎のお見舞いに来たことがあったのです。
えると奉太郎のふたりは、そのことを皆に知られたくなかっただけでした。えるはちいさなうそをつき、奉太郎は彼女が過去に来たことを示す証拠を隠蔽します。しかし、このちいさなうそが、大日向がえるを恐れるきっかけになります。大日向には隠したい過去があったのです。
悪意のないちいさなうそやごまかしが、すれちがいを招いていく。どんなに情報技術が発展したところで、人間のコミュニケーションは進歩するわけではないのですね(えるは平成の女子高校生でありながらスマホを持っていませんが)。ましてわかもの。ああ、青春だなあと思います。
タスクオーナさんデザインということでいえば、部活動の新勧祭(新入生勧誘祭。あれ?新入生歓迎祭は?)に登場する製菓研のふたりも、お気に入りのキャラです。

しかし、製菓研のふたりは、なぜ使いもしないかぼちゃのお面と、やかんとガスレンジをテーブルに置いているのか。
「私、気になります!」で、この謎について語り合うえると奉太郎の会話を聞いたことが、大日向の仮入部のきっかけでした。
しかし、このふたりをどこかで見た記憶があるホータロー。学園祭で会っていました。

かぼちゃんのおばけに扮して、ビスケットの訪問販売に来たふたりです。
はっちゃけていて、楽しかったですね。

アニメで登場した、モブのこのふたりが製菓研ではないかと話題になったそうです。
監督は否定しているようですが、タスクオーナーさんはアニメファンの見解を採用したようです。

かぼちゃコスプレの製菓研のふたりが登場するのは7巻です。
『11人いる!』のフロルのコスプレの摩耶花がかわいいですね。摩耶花の摩耶は、ほぼ毎週通っている摩耶山の摩耶と同じ字を書くことに気がついて、あらためて親近感が湧きました。