痛みには
欠けらが多く
含有し
祈りはさすらい
雨宿りする
まっすぐな
縦の雨に
歌はゆく
雨の音に
いざなわれた敷居
ひとすじの
想いが灯り
延々と
深みにはまる
雨音を見詰め
「月夜の森の梟」
小池真理子 著
かなしみのつまったエッセイ。
自然の音を聞きながら。
自然の光、または闇によって研ぎ澄まされながら。
夫の小説家の藤田宜永の死別から、
すこしの時間が経ってから書きつらねた言葉。
逃れられない病、いなくなった空間の孤独、
共に過ごした出来事があらわれて、
見詰めてしまう空虚な時間。
ながれていく季節。
そして今日、いま、明日を生きること。
朝の真昼の夜のひかりを浴びて。
「こころの処方箋」
河合隼雄 著
心理療法家の視点から分かり易い言葉で綴る、
心のあれこれ。
感じたことのあれこれを。
心とはなんだろうか。
体ならわかる、見えるから。
でも見えないものはよく分からなくなる。
心はどこにあるのだろう。
また常識とはを問うていく。
自身にとって当たり前のことの何たるかとはと。