余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

2021-07-10 23:37:04 | バラ色の獣の詩
頭は猿、胴は狸、尾は蛇、
手足は虎、声はトラツグミ

空の彼方
奈落の淵から突然に出現
灰の空がピカリと光り
ギロロギロロと唸りが響く
沈み込む不安の色香
それは妖気が孕んでいる
ギャロロ雄叫び
内の奥を疼かせる
淑やかに煙にまく
猛りは揺れ動き
無尽の風が吹いている
あれはなんだとクエスチョン
獣かあの世か
咆哮は多重に木霊する
ついぞの祈りはどこへやら
雫がすぅっと頬を伝う
山鳴り
海鳴り
雷を引き連れ
妖獣 ヌエ
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この恋に終止符を

2021-04-18 00:07:22 | バラ色の獣の詩
はどめがきかずてんてこまい
君に恋におちたのは何回目だったかな
君はたくさんの恋をして恋愛をして
君からもらう恋の話は
新鮮だけど寂しい
寂しくて心がしおれそうになる
枯れるというより崩れてしまう
恋愛上手の君だから僕の心はわかっている
ねえ僕に水分を与えてよ
それがだめならこの恋に終止符を
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君の体を転げ回りたい

2021-04-08 00:08:13 | バラ色の獣の詩
むちゃくちゃな遊びは君の体を転げること
落ち着いてなんかいられない
じっとしてなんかいられないから
夢中になって全てを転がっていく
遊び疲れたら少し休んで
またころころぐるぐる回りだすんだ
何回も続いた回転で
自分もぐるぐるふらふらになるけれど
転がることは大切な遊び
複雑な君のことだから
たまに迷って行き止まることもしばしば
でもそこが楽しいのさ
とっておきのスペシャルの遊び

君は知っているのかな
無我夢中の転がりを
君は知っていないかな
僕の転がる美しさを

ああ君の体を転げ回りたい
丸のように膨らんで萎んで
君の中の全て
宇宙のような時の中で
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2021-04-08 00:06:09 | バラ色の獣の詩
「明るい絵を描くんだろうね」
そう言われた事にためらいと情熱と
はにかんだ笑顔の裏の健やかな嘘

虚無感はこの手で拭い捨て
旅立ちの時は今だと時の声を上げ
炎を燃やし
大陸の隅から隅を股にかける
遥か上空を鳶が飛び
鋭い眼光が心の揺り根を跳ね上げる
勇み足で蹴り上げて
気付かぬうちに何かを踏み付け
知らぬ内にその慟哭が魂を包む

旅立ちの過ち

時は止まることなく流れていき
後戻りなど出来ず
駆られる思考が過去に囚われる
がんじがらめの言葉の羅列
時折聞こえる怪しい悲鳴
つながる恐さが優しさを生み
つながる妄想が悪を呼ぶ
偽りだらけの自身の命、世界観に
美しい花が香りと色彩を捧げる
どこまでも続く空が光と想像を運ぶ
どこまでも続く大地が立つこと
 生きることを教える
なでられながら もつれながら
それでも僕は君が好き
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雨桜

2021-04-08 00:04:11 | バラ色の獣の詩
しとしとと降り続く雨の線
周りには可憐に咲く春桜
二つの幻想的な色合いと淡い切なさ
散ることの早い淡いピンクに
上を見る人も下を見る人も立ち止まる
現実と夢の間にいるような
憂鬱と好奇心が交錯する
時が止まったままの目と耳の大きさ
子供の時分と大人の時分
二つの世界がシンクロして
ぎこちない物語の人物になっていく
雨の匂いは夢の夢
桜の香りは純白の夢
散っていく一片の花びらは
崩れていった想いになる
気が付けば五歩前に想い人
微笑みの花びらとピンクに染まった頬
儚さのある風景に壊れかけた思いが蘇り
雨は降ることを忘れる
雨上がりの差し込む光と可憐桜
深く想いの傷を光るピンクでまぶし
氷った心を潤し溶かしていく
さらに目も開けられないほどの
眩しい光が一面に広がり
大地にまでも光でいっぱいになる
やがて全てが光になる
光は紫も連れてくる
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