余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

限りなく透明に近いブルー

2025-01-06 23:14:03 | マイブック(ま)
「限りなく透明に近いブルー」
      村上龍 著

ドラッグに埋もれた世界。
読み応え抜群だった。
ドラッグをしながらセックスをし、音楽を抱え日々をおくる。
そんな仲間たちのひとりの主人公のリュウ。
男は何を見るのか、何を見ているのか。
焦点は凝縮していく、または魚眼レンズを覗き込んでいるような、
視点はそして存在する。
ガラスに見えたブルー。夕焼けと同じブルー。
人工物のきらめきに見える透明に近いブルー、限りなく。
終わり方もとても好きだった。

文庫本は2009年。
出会えていく本に縁を感じながら2025。
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焼野まで

2024-11-18 00:18:05 | マイブック(ま)
「焼野まで」
      村田喜代子 著

東日本大震災の翌日に子宮体ガンの宣告を受けた女性。
セカンドオピニオンをとおして、
さまざまな選択の中からエックス線照射治療を受けることに決める。
著者の実体験が交わっている物語。
病というどうしようもできない、人間に巣くってしまうもの。
どう向き合い歩みを求めていくのか。
くねくねの道を彷徨いながら、時折夢へと忍ばせながら。
生と死を見詰めていく。
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生命式

2024-11-18 00:04:23 | マイブック(ま)
「生命式」
      村田紗耶香 著

どの短編も揺さぶられていく。
想像域の異世界の現実として。
持っている価値観が視点が軸がおざなりにさえなるように。
なにが正しく、なにが間違っているのか。
それは時代によって、または考え方によって、体感した事柄によって、
変化していくのだろうか。
人間という生き物のまた違った側面を、
裏側からみた生命というともし火を。
世界は世界観はとうんと広がり続けてしまう。
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女ざかり

2024-10-15 23:49:09 | マイブック(ま)
「女ざかり」
    丸谷才一 著

新聞の論説委員の南弓子は、書いたコラムが問題となり異動、
配置転換を勧められてしまう。
この異動は左遷のようなもの。
どうしてこんなことになってしまったのか、
友人や仕事仲間に聞いていくうち、辿り着いていったのが政府。
恋人や家族とともにこの仕打ちを翻そうとしていく。
展開する政府対個人。
そして南弓子は、後半にひとつの場面に遭遇する。
坪庭での神秘体験。
誰もがもしかしたら経験しうる、気付かないうちに体験しているかもしらず。
そして哲学者の恋人が語る日本という国の贈与の帝国論もおもしろい。
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思考のレッスン

2024-09-04 23:12:15 | マイブック(ま)
「思考のレッスン」
      丸谷才一 著

とても読みやすい。とても分かりやすい。
思考すること。本を読むコツ。考えるコツ。書き方のコツと。
たとえば思考の準備。
自身の得意なバックグラウンドを持っていることが、
他の考えに役立つと。
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