余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

猛毒の

2024-10-23 23:11:04 | レターの膜(短歌)
猛毒の
優しき嘘は
赤々と
深呼吸をし
喘ぎをとめる
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性的人間

2024-10-23 23:08:31 | マイブック(あ)
「性的人間」
      大江健三郎 著

性の観点から人間を見詰める。
Jという男。
妻に自殺された男の見詰めるもの。
痴漢という行為により、欲望とともに破滅を追い求める。
セブンティーンの男。
自瀆(じとく)という快楽でしか慰められない心を、
もって行き場のない精神のいき場を自身の性器に向ける。
やがて男は政治へと陶酔していく。右へと。
猿と暮らす男。
部屋の四隅にいる猿。
男は猿に見詰められるため、自由に過ごすことができず・・。
それぞれの男たちは揺さぶられ揺すられて生きている。
性をあいだに挟みながら。
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俳句の宇宙

2024-10-23 22:34:16 | マイブック(は)
「俳句の宇宙」
      長谷川櫂 著

季語と十七文字からなる俳句。
季語という自然を詠みこんだ俳句。
俳句とはなんだろうか。最も短い詩ともいわれる。
松尾芭蕉の有名な句。
古池や蛙飛こむ水のおと
短いこの文字から知りえる情報はなんだろうか。
想像できることは。
蛙ははたして水に飛び込んだのかどうかと。
そこで著者は「場」というものに関心を置く。
共通の場所。
そして言葉とは何かへとつながっていく。
水のおとは聞こえるだろうかと。
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わけめなく

2024-10-15 23:50:36 | レターの膜(短歌)
わけめなく
嫉妬と自由の
往来に
孤独の花は
暁のもの
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女ざかり

2024-10-15 23:49:09 | マイブック(ま)
「女ざかり」
    丸谷才一 著

新聞の論説委員の南弓子は、書いたコラムが問題となり異動、
配置転換を勧められてしまう。
この異動は左遷のようなもの。
どうしてこんなことになってしまったのか、
友人や仕事仲間に聞いていくうち、辿り着いていったのが政府。
恋人や家族とともにこの仕打ちを翻そうとしていく。
展開する政府対個人。
そして南弓子は、後半にひとつの場面に遭遇する。
坪庭での神秘体験。
誰もがもしかしたら経験しうる、気付かないうちに体験しているかもしらず。
そして哲学者の恋人が語る日本という国の贈与の帝国論もおもしろい。
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